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生物生態学実習を実施しました

 

 

“環境教育発信拠点校”を目指す本校は4月14日、校地の里山に設けた「森の教室」で、持続的な循環型社会を自らの体験を通して学ぶ「生物生態学実習」を実施し、森本重和校長が絶滅危惧種に指定されている淡水魚の稚魚を貯水池に放流しました。

この授業は教科書だけではなく、校舎のそばに広がる里山も教室にして実習を行うことで、生物Ⅱの系統分類分野を学ぶ取り組みです。年間を通して、コナラのホダ木に植菌したシイタケ形成菌の成育過程と、栄養を取られていくホダ木の変化を観察し、さらに、生徒たちが数人のグループに分かれて、3つのテーマごとに個人研究を行う内容です。

個人研究のテーマの1つ目は棚田の再生で、学校林で発見された棚田を再生させて田植えと維持・収穫を行い、里山生態系で田が果たす役割を研究します。2つ目は希少動物の保全で、保全池に環境省レッドデータブック絶滅危惧種の川魚の稚魚を放流して、生態観察と水質検査、稚魚数の変化などを観察します。3つ目は希少植物の保全で、校地を整備した里山で花期を迎えたスミレ類を中心に、植物分類法の基礎を学び、ラン科の植物の生息環境の詳細な分析と増殖を計画する内容です。

今回、「森の教室」に集合した生徒たちは、自分のホダ木を決めて長さや重さ、直径などを計測してシイタケ形成菌を植菌しました。今後、定期的に計測を繰り返して変化を確かめます。また、学校林内で放置されていた棚田が発見された場所を確認するなど、個人研究に向けて、それぞれ準備を始めました。