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第1回SS公開講座(東京大学)を開催しました

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第1回SS公開講座は、東京大学大学院理学研究科の早野龍五教授を講師にお招きして、「震災ビッグデータの可視化と福島における内部被曝」をテーマに講演していただきました。早野教授は様々なメディアを通して、東日本大震災発生後に大問題視されている放射能に関し、収集したデータや見解を発信し続けてこられた方として知られています。

はじめに、早野教授は自身の研究テーマ「エキゾチック元素」について話された後、人間の体内水素は137億年という年齢でビッグバンの時に作られたこと、人間は日常生活の中で年間約6ミリシーベルトの、医療被曝を含む放射線を浴びていること、そして、元素記号などを用いて、放射性同位体のことも簡単に紹介されました。

続いて、心配されている内部被曝について実際はどうなのかということを示すためにも、生活しながらどれだけのリスクがあるのかを調べる重要性を話されました。事故後から検査を継続する大切さを提案され、体内のセシウム量を測る検査を、文部科学省を通して定常的に実施されるまでに整備され、様々な情報を公開してこられるなど、2年間の経緯や取り組み内容とその理由、及び結果などを教えてくださいました。

そして、福島県の給食を検査した結果から問題がなかったこと、流通している食材や福島で収穫された米も問題がないと判明したことなども話されました。ただ、日々の生活行動(訪れる場所や流通以外の食材など)によって個々の体内のセシウム量が違うため、地域一括で考えるのではなく、一人ひとりの状況を確認して対応することが大切だと強調されました。

最後に、生徒や保護者からの質問に丁寧に答えていただき、早野教授は「データを見続ける限り心配する必要はない。世界に対して、世界的な常識の値から考えても恐ろしく低いということを伝えなければならない」と締めくくり、講演を終えられました。