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第4回SS出前講義(「人口知能の現状と課題」)を開催

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「第4回SS出前講義」を本校サイエンス館で行い、大阪教育大学の藤田修教授を講師にお招きして、「人工知能の現状と課題」をテーマに講演していただきました。

はじめに、藤田教授は人工知能で話題になった例として、チェス世界チャンピョンに勝利した「DeepBlue」、クイズ番組で優勝した「Watson」、プロ棋士に勝利した「将棋ソフト」、さらに、軍事用ロボットや掃除ロボット"ルンバ"、及び、Car Navigationや自動運転などのITS(高度交通システム)が開発されたことなどを紹介されました。

続いて、これらの開発の成功には電子計算機の歴史が関わっており、半導体製造技術の発展による計算能力の急激な向上があるとし、中でも、東大チームが開発した対局型ゲームの「GPS将棋」には、iMac800台で1秒間に3億手を計算させていることを話されました。ところが、大半の人が人工知能ロボットと思っていた二足歩行型ロボットのASIMOについて、藤田教授が「歩くだけのロボットで高級なからくり人形のようなもの。ASIMOの小さな頭にiMac800台は入れられない」と話されると、生徒たちは驚いていました。

次に、人工知能の数理モデルを考えれば、形式的には電子計算機と同じ情報処理機械だとして、知能部分に当たる判断行動の内容を実行させる数式はなく、原理は未解明と話されました。そして、現在の人工知能は、想定された状況に対処するように調整されているが想定外の変化を無視するので、汎化能力を機械学習の課題としているとし、「データに合わせ過ぎると新しいことに対応できなくなる。大ざっぱな目標を導いた方がよい」と語られました。

最後に、藤田教授には生徒からの質問に丁寧に答えていただき、「自然界を数式化するためにも、数学を勉強してください」とエールを送ってくださいました。