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第6回SS出前講義「生物の進化と多様性を魚類から考える」を開催

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高校1年生を対象に、第6回「SS出前講義」を大教室で開催しました。「生物の進化と多様性を魚類から考える」をテーマに、本校の卒業生であり、京都大学農学研究科助教の中山耕至先生に、講演していただきました。

講演では、ひとくくりにしがちな「魚類」について、定義や系統(進化の道筋)を分かりやすく解説しながら興味深い話を展開され、全てにおいて"見る目"を身に付けることの大切さを語ってくださいました。

魚類という分類群はなく、サイとタイとヒトでは、タイとヒトが同じ「硬骨魚」のグループに入り、サメを別にする方が良いと話され、常識とは違う話に驚きました。また、同じタイプ同士でしか交配しない点とDNA鑑定から、以前は1種と思われていたメバルが3種に分けられ、逆に、別種と思われていたハタタテダイとトリクチスが発育による形態変化で同一と見なされた例なども紹介されました。そして、生物を見る時は常に比較の視点が必要で、進化の本質は分岐による多様化であり、その道筋は一本道ではないと強調されました。

また、図鑑に載っている「魚類」の種の分類において、発行所により異なっている事例を挙げ、理由として「図鑑に書いてあることは、その時点で最新の研究成果、すなわち仮説であり、今後も変わる」と語られました。

最後に、中山先生ご自身の研究の話を交えながら、高校の勉強と大学の研究とで大きく違う点は、答えがなく、答え合わせをしてくれる人がいないことと話され、「(レポートや計算結果の提出時には)自分の出した結論が正しいと思えるまで自分自身で十分に確認する習慣をつけることが必要です。目的を持って大学に進学してください」とアドバイスしてくださいました。