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「文化財科学」について研修(奈教大)

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9月30日(火)に、高校1年生40名が奈良教育大学で「文化財科学」について学習しました。

奈良教育大学の青木智史先生に講師をお願いし、大学構内の遺跡を見学した後、文化財科学に関する講義と実習をご実施いただきました。

遺跡見学では、貴重な環頭太刀が出土した吉備塚古墳と新薬師寺の旧境内遺跡をご案内いただきました。かつて東大寺と並ぶ大規模寺院であった新薬師寺の寺域を明らかにする大型基壇建造物跡の出土について、現地でお話を聞くことができ、歴史を現代とつながるものとして興味深いでした。

講義では、文化財研究における科学分析の意義とその手法についてお話を伺いました。
遺物を損なうことなく情報を得る科学的な方法として、赤外線画像法と蛍光X線分析法を取り上げ、その原理を解説いただきました。

遺物の成分分析から製作地を推定したり、汚れで不鮮明な絵柄を赤外線によって明らかにし、さらには蛍光X線を用いて顔料・染料の成分を特定して色彩の推定・復元まで行うといった試みなど、具体的な研究成果を通してわかりやすくご講義くださいました。

 実習では、携帯型の蛍光X線分析器で資料の成分分析を行ったり、赤外線カメラを操作したりと、自分の手で機器に触れさせていただき、生徒たちは興味津々で取り組んでいました。また、奈良時代の瓦など、出土遺物の実物にも触れることができ、生徒にとっては貴重な経験でした。

 文化財の現場や実物に触れ、その上で理論的な側面を扱う講義とそれに関わる実習を体験できた今回の研修は、生徒にとって、文化財科学の一端を体感できる学習になりました。