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素粒子論研究室・粒子物理学研究室で研修(神戸大)

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1月27日(火)の午後,高校1年生41名が神戸大学理学部の素粒子論研究室と粒子物理学研究室でSS基礎学外サイエンス学習を行いました。

まず,素粒子論研究室では坂本眞人先生からご講義をいただきました。前半は「自然界における左と右」について学びました。

植物のツルや巻き貝の左巻きと右巻き,人体の臓器配置や顔の形が左右で異なること,光学異性体の左旋光と右旋光といった物理学以外の身近な例から始まり,素粒子には「粒子」と「反粒子」のペアが存在し,両者が出会うと光になって消滅するが,粒子と反粒子の対称性がわずかに破れていたために私たちの宇宙が創られたとする大変興味深いお話をしていただきました。

後半は「相対論の不思議な世界」について学びました。光の速度は観測者によらず常に不変であるとする事実「光速度不変の原理」を出発点とすれば,光速に近い速度で進む宇宙船内で同時に観測される現象が地球上からは同時ではないこと,また,光速に近い速度で進む宇宙船内の時計は地球上の時計よりも遅れるといった日常感覚からは奇妙に感じられる事実をわかりやすい例とともに説明して下さいました。

特に,光速の0.999999999999999999倍の速さで進む宇宙船に乗れば,乗客は230万光年離れたアンドロメダ銀河と地球間をわずか3泊4日で往復可能であるという事実に生徒たちは大変驚くとともに相対論に魅せられました。

そして,講義の後,粒子物理学研究室の越智敦彦先生と身内賢太朗先生から研究室を案内していただきました。
研究室では,ニュートリノの正確な質量を見いだすための方法や観測機器の開発,また「暗黒物質」を見つけるための最先端の研究とそのために必要な装置の開発や試作機の製作などについてご説明下さいました。

様々な道具や機器が置かれている研究室に初めて足を踏み入れた生徒達は,目に映るすべてが新鮮で興味津々な面持ちで先生のお話に耳を傾けていました。
今回の研修では,大学での授業や研究の現場を直に体感することができ,サイエンスへの興味関心が一層深まったことを期待したいと思います。