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「文化財科学」の研修(奈良教育大)

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1月22日(木)に、高校1年生33名が奈良教育大学で「文化財科学」について学習しました。

奈良教育大学の青木智史先生に講師をお願いし、大学構内の遺跡を見学した後、文化財科学に関する講義と実習をご実施いただきました。

遺跡見学では、貴重な環頭太刀や銅鏡が出土した吉備塚古墳と、現在も大学施設として使用されている旧陸軍のレンガ建築について解説いただきました。

また、奈良教育大学の敷地と新薬師寺の旧境内との関係などについてもお話しいただきました。

ご講義では、文化財研究における3次元(3D)測定技術の利用についてお話を伺いました。

遺物との接触を伴わない3Dスキャナーによる測定の文化財保存における有用性、また、データのデジタル化による情報保存における優位性など、さらに3D測定法の諸方式とその原理について解説いただきました。

また、3Dプリンタでの遺物複製など、3D測定技術に基づく様々な取り組みの可能性を紹介いただきました。

実習では、3D測定で得られたデータに基づく拡張現実感(AR)を利用して、考古学の調査報告書からタブレットPCを用いて立体映像を浮かび上がらせる体験や、新薬師寺旧境内遺跡から出土した瓦の3D測定をストラクチャライト方式によって行う実習をさせていただきました。

文化財保存において科学技術が果たす役割の重要性、その中でも現在注目を集める3D技術との関係を具体的に知ることができて、科学研究の応用分野の射程の広さとその身近さを感じることのできる講義・実習でした。