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第2回奈良学塾「科学教室」(小学生)を開催

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2月13日(土)の午後1時半より、本校が地域交流事業として実施している小学生対象の奈良学塾「科学教室」を開催しました。奈良県、大阪府、京都府等から小学生とその保護者50名の方が参加してくださいました。

今回のテーマは「飲み物食べ物で色を調べよう&チョークからの絵の具づくり」でした。前半はチョークの粉から手作りで絵の具作りにチャレンジしました。そして後半は飲み物や食べ物の色の変化を通して、そこに含まれる物質の秘密を探るという実験を行いました。

講師は科学技術振興機構(略称JST)が認定する「サイエンスレンジャー」として、全国各地での理科実験イベントやメディア(出演テレビ番組:『かがくdeムチャミタス(テレビ大阪、奈良テレビはじめ7局)』他)でも活躍中の工藤博幸先生です。
また、本校の卒業生と科学部の生徒がティーチング・アシスタントとして協力してくれました。

まず青色、赤色、黄色のチョークの粉を混ぜ合わせる事でさまざまな色の粉が出来る事を学びました。例えば青色と赤色の粉を混ぜ合わせる事で紫色。黄色と青色を混ぜ合わせる事で緑色。それぞれの色のチョークの粉は混ぜ合わせる配分によって同じ色系でも、色のバリエーションを作り出すことが出来る事も学びました。

保護者と一緒に、小さなビニール袋に2色のチョークの粉を入れたものを7つ、7種類の色を作りました。そしてその中に洗濯のりを注入して、よく揉みほぐすと自分だけのオリジナルな絵の具の完成です。
「感動しますよね。まさか絵の具を自分で作る事が出来るなんて」と保護者の皆様も目を輝かせて絵の具作りを大いに楽しみました。

次に工藤先生がペットボトルに入ったお茶の色を一瞬にして透明にするマジックを行いました。参加した児童からは「えー?何で?どうなってるの?」と声があがりました。

その後、工藤先生がヨウ素の入ったうがい薬を水に溶かし込むと、さまざまな濃さの液体を作り出せる事、またヨウ素とでんぷんを反応させると墨のような真っ黒な色も作り出せる事などを実験で示しました。

そしてそれらにカルキ抜きを混ぜる事で、色が抜け一瞬にして液体が透明に変わる実験をしました。最初のペットボトルの種明かしは、ペットボトルに入っていたお茶の色をした液体は、お茶ではなくうがい薬を水に溶かした液体で、そこに保護者や児童からは見えないようにカルキ抜きを入れて振ると液体が透明に変化したというわけです。

プリンを使った実験も行いました。スーパー等で売っている比較的安価なプリンにはタマゴの代わりにでんぷん質や糖分を使用して固めてあるので、ヨウ素を含んだうがい薬を入れると黒く変化します。保護者や児童たちが実際にプリンにうがい薬を入れて混ぜ合わせ、どんどんプリンが黒くなるのを見て驚きの声があがりました。

難しい原理については小学生にとってまだまだ専門的に理解するには至りませんが、化学反応を利用する事で不思議な事、おもしろい現象を作り出すことが出来る事を学びました。

最後に、工藤先生はビタミンCもカルキ抜きと同様にヨウ素の色を消す力があることを、うがい薬で汚した布巾で実験をしました。
それに関連して濃縮還元された果汁やジュースはほとんどビタミンCが含まれていないことなどについても話しました。

工藤先生が最後に「世の中の色々な現象には、必ず原因があるのですよ。魔法で色を消せたりはしませんから。色を消す化学反応がそこにはあるのですよ。不思議だと思ったらなぜだろうといつも疑問を持つ癖をつけてください」と、科学的に物事をとらえることの重要性について話しました。
教室を後にした保護者の皆様から「とても内容の濃い科学教室で面白かった」と口々に話されていました。