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第1回SS出前講義「光と半導体」を開催

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6月14日(火)、大阪教育大学教養学科自然研究講座の中田博保先生を講師にお迎えし、高校生の希望者31名を対象に第1回SS出前講義「光と半導体」を開催しました。
講義では、スマホやパソコンなど私たちの周囲のさまざまなところで利用され、もはや日常生活に欠かせないものとなっている半導体と、その働きに不可欠な光について、解説してくださいました。

講義は、光の持つ性質から始まりました。
「光の反射」は入射角と反射角が同じで、水やガラスなどを通過する時には「光の屈折」が起こることなどを分かりやすく話してくださいました。
そして、そうした現象が起こるのは「光はなるべく早く目的地に着こうとする」からだと説明。『せっかちな人が、最短なルートを選ぶのと同じです』と身近な例で解説されました。また、「真空というものは、何もない状態ではなく、それについて研究している人もいます」と、光だけに留まらないエピソードも披露されました。

さらに、光は「屈折」する性質があることや、真空中では秒速30万kmの速度であること。
また、光が水やガラスなどの中から出られなくなる「全反射」と呼ばれる現象が起こり、多くのデーターを送るために使用される光ファイバーは、その性質を利用している、といったことを紹介されました。その際、実際の光ファイバーを使い、片方の端からレーザーポインターの緑色の光を送ると、ファイバー自体は光らず、もう片方の端からだけ緑の光が漏れる実験なども見せてくださいました。

また中田先生は、「大学に入る時に理学部を選んで研究の道に入りましたが、研究者になって、何度も難しい壁に当たりました。しかし、自分の苦手なことも頑張って学んで、全てを知った時に、その壁を乗り越えられました。受験も同じで、これから大変なことがあるでしょうが、何があっても必ず乗り越えられます」と自分の実体験を例に出して、これから受験勉強に立ち向かう生徒の心構えについても語ってくださいました。

光の話に重点が置かれたため、半導体に関しては詳しいお話をうかがえませんでしたが、それでも生徒は、半導体の持つ大きな可能性について関心を持ったようでした。

最後に、生徒から「真空の話は不思議に思いました」などの熱心な質問を受け、「真空は、仏教にある『色即是空、空即是色』という考え方に似ているように思います。実は真空の中に、本当はいろいろなものがあって、物質の中に何もないのかもしれません」と、単に物理の範疇に留まらない解釈も披露してくださいました。