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中2特別講座「動物と向き合って生きる」を開催しました

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中学2年生を対象に、3月11日(土)、人気が高いことで知られる旭川市旭山動物園の坂東園長をお招きし、特別講演会を開催しました。

坂東園長は、講演会で次のような趣旨の話をしてくださいました。

「私は、幼い頃から虫や生き物が好きで、中学生の頃に20羽以上のセキセイインコを飼っていましたが、その死と向き合ううちに『生命の重さ』に気づきました。高校では不登校にもなったのですが、セキセイインコの命を救うためには知識が必要だと考え、獣医を志して勉強を始めました。進学した酪農学園大学では、毎日、牛や豚の世話に明け暮れました。そうした、いわゆる家畜は、自分が食べられる運命だということを知っているのだと思っていたのですが、そんなことはなく、そうした牛や豚も生きたいと願っていることに気づかされました。しかし、人間は動物の命をいただかないとい生きてはいけません。それだけに、彼らの死の上に生きている自分たちは、命を粗末にしてはいけないと考えるようになりました」

その後、大学院を修了された後、廃園間近と言われていた旭山動物園に獣医として就職されました。

「動物園では、狭い場所に閉じ込められても野生を忘れない動物たちの気高い姿に感動しました。そして、人間の勝手な思い込みが、動物たちの尊厳を奪っていることに気づかされたのです。そこで、それぞれの種のありのままに一生を送らせ、その姿を見てもらう環境を再現した『行動展示』を始めました。動物が本来、あるべき姿を見せる。例えば、ペンギンはヨチヨチ歩くだけではなく、水中で素早く泳ぐ姿を観てもらえるようにしたのです」

 そうした試みが成功し旭山動物園は、日本の最北端にある動物園ながら年間入場者数が約300万人にものぼる人気スポットとなった。だが、そうした動物の尊厳を護る活動の中で、オランウータンの繁殖体験を通じて、その生まれ故郷であるボルネオの深刻な問題を知ることに。

「人間の利益となる科学技術などが進歩する影で、人間以外の動物の生活が脅かされるようになっています。例えば、洗剤やマーガリンなど私たちが日常使用している製品に多く使われているパームオイルの生産のために主生産地であるボルネオでは、オイルを生み出すアブラヤシを植えるプランテーションの開発が進み、ジャングルがどんどん開墾されています。その結果、それまであった自然環境を変えてしまい、住み家が無くなったオランウータンは絶滅しかかっているのです。このように、私たちの何気ない行動が環境破壊を招いてしまい、その結果、多くの生き物の未来を奪っていることを認識する必要があります。多くの生命が失われたしまった未来は、私たち人間にとっても快適なはずはありません。それだけに、若い人たちに『命をつなぐ』ことの大切さを知って欲しいと思います」

生き物の命への愛情が、坂東園長の行動の根底にあることが実感できる講演でした。