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第1回SS公開講座「砂浜の環境と生物」を行いました

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 11月25日(土)、第1回SS公開講座を開催しました。農学博士であり、水産大学校教授の須田有輔先生を講師にお迎えして、「砂浜の環境と生物」をテーマに講演していただきました。
 講演では、日ごろ、あまり注目されにくい砂浜の世界についての内容でした。東京湾や三河湾など内湾に広がる「干潟」とは異なり、外海に面した海岸の砂浜海岸の生態系についてはあまり知られておらず、関心も低く、環境を脅かす問題はないと考える人も少なくないと話されました。ところが、実際には、海岸浸食が深刻さを増し、自然の砂浜が消失しつつあり、このまま無関心が続くと、日本から自然の美しい砂浜が無くなるかもしれないと警告されました。
 日本において、砂浜はどこにでもあるものの、長さが数キロ以上の長大な砂浜は、太平洋、日本海、東シナ海、オホーツク海などの外海に面した地方にしかできないとのこと。砂浜の範囲は地形学的な観点からは砂の部分(おおよそ観光客が利用する部分)になるが、生態学的な観点からは、海側の移動限界水域(水深約20~30m)から、陸側の砂丘の陸側境界だという。この範囲に、砂丘の形成や生態系にとって必要な物資が行き来していることが理由だそうです。
 そして、砂浜にも干潟があることや、独自の生き物が生息し砂浜の生態系を構成していること、環境問題などについてお話してくださいました。特に、海岸浸食と寝食対策事業の二次的な影響、漂着ごみなどの問題が深刻だと強調されました。最近言われるようになった海の「貧栄養化」に関して、砂浜の環境悪化も影響しているのではないかと危惧されました。
 最後に、豊かな日本の海洋生物相も、南北に長い国土や寒暖両海流の存在の他、岩礁、サンゴ礁、干潟、砂丘、マングローブといった多様な海岸環境の存在が大きいことは間違いないとされました。そして、「生物が多い環境も少ない環境も共存することで、自然環境の多様性が保たれている」と締めくくられました。
 生徒からの質問にも熱心に答えていただき、ありがとうございました。