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第2回SPP講座(中学人権講演会)を開きました

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本校第一体育館で「第2回SPP講座(中学人権講演会)」を行いました。(SPPについてはこちらをご覧ください) 本校では昨年に続き、今年も夏休みを利用してSS研究チーム(放射線研究チーム)の高校生4人、中学生13人が福島県立福島高等学校(福島県のコアSSH指定校)での研究交流会に参加しています。そこでお世話になった福島高校教諭の原尚志氏と環境省 福島環境再生事務所 除染情報プラザの青木仁氏をお迎えし、東日本大震災と福島原発事故で甚大な被害を受けた福島県の現状について講演していただきました。

講演に先立ち、SS研究チームを代表して高校2年の久保明也くんと嶋田純也くんからこれまでの研究報告が行われました。2011年から毎年JR福島駅前で行っている聞き取り調査から見える福島の人々の意識変化や、JR奈良駅前でのアンケートで見えてきた福島に対する風評被害の実態を報告しました。

続いて青木先生による講演では、福島原発事故がもたらした環境汚染の状況とその健康被害について解説。避難指示の出たエリアや周辺農地の汚染状況、農作物から計測された放射性物質量などのデータを用いて、福島で生産された食品の安全性を証明されました。小児への健康被害についても、現段階で17万人中28人に甲状腺異常が見られ、うち13人が手術をしたものの、他の地域での発症率を調査しながら特別高い数値ではないだろうと推測。環境汚染が健康へ影響を及ぼすレベルではないとし、さらに現在全国8県、100市町村で懸命に行われている除染活動の進捗状況と、その成果を話されました。

原先生からは、震災発生後の学校の状況や、福島原発事故をきっかけに始まったSS部による放射線調査の取り組みについて紹介がありました。生徒に実施された放射線への意識調査結果からは福島で生きる高校生の気持ちが読み取れ、被曝当事者である不安や放射線被害の真実を知りたいという思いを個々が抱きながら、皆共通して「自分たちの手で復興したい」と思っていることを強調されました。

最後の質疑応答では「安倍首相が福島の汚染水はコントロールされていると話していましたが、現場で研究をしているお二人はどうお考えですか」「除染の終息はいつなのでしょうか」など多くの質問が生徒から挙がり、福島を取り巻く問題への関心の高さが見受けられました。二人の先生方にはそれぞれの立場から丁寧にお答えいただき、生徒にとって今回の講演が福島への理解を深めることのできた有意義な時間となったようでした。