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第5回SS出前講義「時を刻む鉱物―放射線と考古学・文化財―」を開催

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高校生を対象に、第5回SS出前講義をNGプラザ大教室で開催しました。今回は、出土考古遺物(主に土器の焼き物)の年代測定など、文化財に関する自然科学研究に取り組む奈良教育大学の青木智史特定准教授(教育学部理科教育講座)を講師にお招きして、「時を刻む鉱物―放射線と考古学・文化財―」というテーマで講演していただきました。

前半は、自然放射線、「吸収した放射線を記憶する」などの鉱物の性質、文化財年代測定法の種類など、文化財科学に関する基礎知識を紹介いただき、続いて、ご自身の研究テーマである高い熱を受けた試料を対象とする「熱ルミネッセンス年代測定法」について、同大学の研究装置を紹介していただきました。

後半は、研究成果事例として、同測定法により火災があった時期を特定した『大安寺西塔の焼失年代検討』や、同測定法を応用した「陶磁器の真贋判定」によりねつ造を証明した『旧石器発掘ねつ造事件関連遺物の真贋検討』を当時のエピソードなどを交えながら紹介していただきました。

最後に質疑応答を行った後、青木准教授は「誰がおこなっても同じ結果が得られる、それが科学です。文化財科学は見えなかった遠い過去や人の動きを解明します。歴史的文化遺産の宝庫、考古学や歴史学のメッカである、この奈良での研究は毎日が楽しくてたまりません。共に研究に励む仲間ができることを楽しみにしています」と語られ、講義を終了しました。

また講義後、希望者に、昇温装置を使用して、蛍石の発光現象を見せていただきました。

受講した吉村栄人くん(高校1年生)は、「先生がこの研究の道に進むきっかけになった『旧石器発掘ねつ造事件』の話を聞いて、真実だと信じられてきたことが覆ることがあるんだと本当に驚きました。神秘的な蛍石の発光にも感動しました。文理のコース選択を控えてとても参考になりました。」と感想を話しました。