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「世界史を変えた化学物質」の研修(神戸大)

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11月11日(火)午後、高校1年生39名が 神戸大学理学部で、SS基礎学外サイエンス学習をおこないました。講師の有機反応化学研究室の林 昌彦 先生による講義「世界史を変えた化学物質」を拝聴した後、校内各所を見学させていただきました。

理学部と学科の紹介の後、林先生の模擬講義を聴講させていただきました。世界史を変えた化学物質と題し,「スパイス」がもたらした大航海時代を中心に化学物質にまつわるいろいろなお話しをしていただき,生徒も興味深く耳を傾けていました。

ヨーロッパの人々が危険を冒してまでスパイスを欲した理由は,肉の保存や香り付けのためというのが定説です。しかし,林先生の仮説によれば,スパイスがもつ化学的な構造が,脳内の快楽物質に似た作用を生じ,その習慣性からスパイスを強く欲したのではないか,とのことでした。

その根拠として,香辛料全般にみられる化学構造の共通性や麻薬物質との類似性について解説していただきました。
歴史の見方として,従来とは違う切り口を教えていただき、一面的な見方では理解が及ばないことも,視点を変えることによって新たな地平が拓けることを実感できたのではないでしょうか。

また,ノーベル賞受賞者の系譜についてもお話しいただき,物理学賞でも化学的な成果が使われていたり,化学賞であっても物理的なアイデアが活かされていることを解説していただきました。

講義終了後,学生さんに校内各所を案内していただきました。敷地は山の斜面に配置されており,うりボーロードと名付けられたウッドデッキを通り,各学部の研究棟や山口誓子記念館などを巡って帰路につきました。