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素粒子論研究室・粒子物理学研究室(神戸大)で研修

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本年度第1回の学外サイエンス学習を神戸大学素粒子論研究室・粒子物理学研究室で実施しました

6月23日(火)の午後,高校1年生対象の学校設定科目「SS基礎」における本年度最初の「学外サイエンス学習」が行われました。
この日は,同1年生32名の生徒が神戸大学理学部素粒子論研究室および粒子物理学研究室に出向き,それぞれ講義の受講と施設の見学をさせて頂きました。

大学到着後,まず素粒子論研究室の坂本眞人先生からからご講義を頂きました。
前半は「自然界における左と右」について学びました。

植物のツルの巻き方から始まり,人体の臓器配置や顔の非対称性,そして光学異性体の左旋光と右旋光といった物理学以外の身近な例を概観した後,素粒子には「粒子」と「反粒子」のペアが存在し,両者が出会うと光になって消滅するが,粒子・反粒子の対称性がわずかに破れていたために私たちの宇宙は「物質」で構成されるに至ったという大変興味深いお話をしていただきました。

後半は「相対論の不思議な世界」について学びました。光の速度は観測者や光源の運動状態によらず常に一定である事実「光速度不変の原理」とそれから導かれる「時間の進み方は観測者の運動状態でそれぞれに異なる」という事実を,最先端技術の一つ「カーナビ」を例にしてわかりやすくご説明下さいました。

これらの事実を応用すれば,光速の0.999999999999999999倍の速さで進む宇宙船だと230万光年離れたアンドロメダ銀河と地球間をわずか3泊4日で往復可能であることを知り,生徒達は大変驚くと共に相対論に大いに魅せられた様子でした。 

そして,講義の後,粒子物理学研究室の越智敦彦先生と鈴木州先生から,暗黒物質の直接検出を目指すXMASS実験とNEWAGE実験に関する研究の他,CERNでのATLAS実験によるヒッグス粒子の発見,ニュートリノ振動に関わる実験,素粒子実験に必須の測定器開発など,同研究室で研究されているテーマについてご説明頂いた後,実際に実験室を案内して頂きました。

様々な道具や機器が置かれている実験室に初めて足を踏み入れた生徒達は,目に映るすべてが新鮮であり,興味津々な面持ちで先生のお話に耳を傾けていました。

今回の研修では,大学での授業や研究の現場を直に体感することができ,サイエンスへの興味関心が一層深まったと思います。