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「動物と向き合って生きる」(旭山動物園長)中2

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3月12日、中学2年生を対象として、特別講演会を開催しました。坂東元 氏(旭山動物園長)が、次のような趣旨の話をしてくださいました。

「科学技術のように人間の利益になることが、反面では動物の生活を脅かしている。例えば、私たちが日常使用している製品に多用されているパームオイルの生産が、ボルネオの自然環境を変えてしまい、オランウータンの絶滅につながっている。
また、私たちの何気ない行動が環境破壊を招き、生き物の未来を奪っていることを認識すべきである」

坂東氏は幼い頃から虫や生き物が好きで、中学生の頃に20羽以上のセキセイインコを飼っていましたが、その死と向き合ううちに、「生命の重さ」に気づき始めたそうです。

「高校では不登校になったが、セキセイインコの命を救うためには知識が必要であると考え、獣医を志し勉強を始めた。
酪農学園大学では、毎日、牛や豚の世話に明け暮れ、殺されるために飼育される牛や豚を見て、人間は動物の命を頂いて生きているのだから、食べ物を粗末にしてはいけない。また、彼らの死の上に生きている自分たちは、命を粗末にしてはいけないと考えるようになった」

卒業後は、廃園間近と言われていた旭山動物園に就職されました。

「狭い場所に閉じ込められても野生を忘れない動物たちの気高い姿に感動した。そして、それぞれの種にありのままに一生を送らせ、その姿を見てもらうという「行動展示」を始めた。動物が客から姿を隠す場所をなくし、例えば、客の動きがトラにとって刺激になるように仕向けることで、トラが生き生きとした」

生き物の命への愛情が、坂東園長の行動の根底にあることを実感できる講演でした。