ニュース&トピックス

ニュース&トピックス

神戸大学理学部で学外サイエンス学習を行いました。

  • 神戸大学理学部で学外サイエンス学習を行いました。

 11月28日(火)の午後、高校1年生36名が神戸大学理学部で「SS基礎」学外サイエンス学習を行いました。
 理学部の紹介に続いて、数学専攻のラスマン・ウェイン教授から「音楽の数理」と題した模擬講義をしていただきました。楽器は基本音の他に「倍音」と呼ばれる音を出すことによって特有の音色を奏でますが、楽器以外にもこの「倍音」の仕組みで説明できる色々な現象があります。講義の中では、次のような具体例をとりあげて詳しく解説していただき、生徒達は興味を持って音楽と数学のつながりを学習することができました。
 (1) 弦の振動は基本振動しか見えないが,実は2倍振動や3倍振動が含まれている。
 (2) クラリネットとフルートでは長さがほぼ同じだが,クラリネットが閉管であるのに対し,フルートは開管であるため,基本音の振動数はフルートの方が高い。
 (3) トランペットはバルブ操作で管の長さを変えて様々な音階を出せる仕組みを持っているが,一本の管だけからなるビューグル(bugle軍用ラッパ)でも倍音のみの限られた音階であるが演奏することができる。
 (4) スマートフォンなどの小さなスピーカーでは男性の低い声は再生されていないはずであるが,低い声に対応する倍音のパターンから,脳が男性の低い声を認識することによって,男女の聞き分けができている。
 (5) パイプオルガンが奏でる超低音を実現するにはとても長いパイプが必要になるが,(4)とおなじ原理で超低音に対する倍音を2つ鳴らすことにより,超低音を認識させている。