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SS基礎「学外サイエンス学習」で神戸大学理学部 素粒子論研究室と粒子物理学研究室に行きました

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 10月10日(火)の午後、高校1年生42名がSS基礎学外サイエンス学習のために神戸大学理学部素粒子論研究室および粒子物理学研究室に出向き、それぞれ講義の受講と研究室の見学をさせて頂きました。

 大学到着後、まず素粒子論研究室の坂本眞人先生からご講義を頂きました。
 講義の前半では、「相対論の不思議な世界」と題し、「光速は最高速度であること」「動くものほど時間の進みは遅い」「未来に行くことはできる」「ブラックホールの中は見ることができない」「宇宙の果てを見ることは可能」といった日常の感覚からは信じがたい不思議な事柄が、すべて「光速度不変の原理」から導かれることなどを学びました。特に、光速の0.999999999999999999倍の速さで進む宇宙船だと230万光年離れたアンドロメダ銀河と地球間をわずか3泊4日で往復可能であることを例に、「時間の進み方は観測者の運動状態でそれぞれに異なり、全ての人に共通な時間は存在しない」という事実に、生徒たちは大変驚くと共に相対論に大いに魅せられた様子でした。また、「ブラックホールの物理」では、「ひとたび事象の地平線を越えたなら光すら脱出できないこと」「ブラックホールに向かう宇宙船があるとしたら、乗組員の経験する時間の進み方と、地球から宇宙船を見守る観測者の経験する時間の進み方が異なる」といったお話に、生徒たちは大いに魅せられた様子でした。生徒の質問も活発で、休憩時に何人かの生徒が坂本先生の所へ詰め寄って質問し、先生は黒板を用いてご説明下さるなど、生徒達の関心の高さを物語っていました。
 講義の後半は、今年のノーベル物理学賞にちなんで「重力波」についてわかりやすくご説明頂きました。一般相対論の核とも言える「物質の近くで時空は曲がり、それがすなわち重力であること」などを学び、生徒達は重力に対して高校物理を超えた新たな見方を得ることができました。そして、重力波とは何か、重力波の研究の向こうに見えてくる物理は何かなど、心躍る興味深いお話が続きました。

 講義に引き続き、粒子物理学研究室の竹内康雄先生と前田順平先生から、粒子物理学研究室を案内して頂きました。そこでは、「存在は確実視されているが未だ正体不明の暗黒物質」についてのお話を中心に、それを観測する手法の研究や測定器の開発や製作に関するお話をして頂きました。また、スーパーカミオカンデで活躍する光電子増倍管の実物展示を目の当たりに、その大きさと性能のすごさに驚かされました。生徒達は初めて見る実験装置やさまざまな器具が所狭しと置かれている研究室で先生方のお話を聞くことができ、大学の研究室の雰囲気を存分に体感することができました。今日の研修をきっかけに、生徒自らが探究心を深めてくれることを期待したいと思います。