ニュース&トピックス

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「学外サイエンス学習」で奈良県立橿原考古学研究所へ行ってきました。

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 11月13日(火)、高校1年生38名が、奈良県立橿原考古学研究所で「考古学を科学する」をテーマに、講義の受講と研究所施設及び附属博物館の見学をさせていただきました。
 講義に先立ち、鈴木裕明先生から、奈良県内の遺跡の発掘・調査を担う研究所の沿革と、唐古鍵遺跡や藤ノ木古墳などの主な発掘遺跡について紹介いただきました。続いて河﨑衣美先生から、金属製遺物、中でも鉄製遺物の保存について、「保存科学」の観点からご講義をいただきました。金属結合の仕組みや腐食のメカニズムから、鉄製遺物の保存作業に至るまで詳しくお話くださいました。遺物の現状が持つ情報を維持しながら、劣化の要因を除去する「保存科学」の役割の重要性がわかるご講義でした。また、石黒勝己先生からは、透過性の高い宇宙線ミューオンを用いて未発掘遺跡の内部構造を探る「ミューオンラジオグラフィー」の実用事例を紹介いただきました。両先生のご講義は、金属の腐食に関する実験や霧箱のリアルタイムの映像をご用意くださるなど、生徒の受講に配慮をいただいたもので、興味深く受講させていただきました。
 講義後は、研究所の先生方の解説をいただきながら、研究所施設と附属博物館の見学をさせていただきました。出土遺物の保管庫や整理・修復の作業、また、木製出土品の保存処理などを見学しました。最後には、講義や見学で学んだ「保存科学」の成果として、博物館の展示品を見せていただきました。一般的に文科系の学問というイメージのある考古学ですが、自然科学が果たす役割の大きさに気づかされた一日でした。