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奈良県立橿原考古学研究所で学外サイエンス学習を行いました

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 9月24日(火)と10月1日(火)の午後、高校1年生を対象に「学外サイエンス学習」を行いました。今回は、両日あわせて77名の生徒が橿原市の橿原考古学研究所に出向き、講義の受講と研究所内の見学をさせていただきました。
 講義に先立ち、鈴木裕明先生から、奈良県内の遺跡の発掘・調査を担う研究所の沿革と、唐古鍵遺跡や藤ノ木古墳などの主な発掘遺跡について紹介いただきました。続いて、河﨑衣美先生から金属製遺物、中でも鉄製遺物の保存について、「保存科学」の観点からご講義をいただきました。金属結合の仕組みや腐食のメカニズムから、鉄製遺物の保存作業に至るまで詳しくお話くださいました。鉄くぎが溶液の中で腐食するようすをイオンの色で認識できるミニ化学実験を交えながらお話しいただき、金属劣化のしくみを理解しながら「保存科学」の大切さを体験することができました。
 講義後は、研究所内の施設を案内していただき、出土遺物の保管庫や整理・修復の作業、また、ポリエチレングリコール(PEG)による木製出土品の保存処理を行う装置などのバックヤードを見学させていただきました。実際にPEGで処理した桜井茶臼山古墳からの出土品である木棺も見学し、どのように科学の成果が役立てられているかを実感することができました。また、カンボジアのアンコール遺跡にあるバイヨン寺院の調査・修復についての展示も見学しました。実際の浮き彫りの修復で用いられた図面も展示されており、とくに建築学を志している生徒たちはその細かさに圧倒されていました。 考古学といえば文系の学問というイメージがありますが、歴史学や文化学にとどまらず、実際には化学や建築学などの理系の学問も広く関わっていることを実感できた有意義な機会になりました。