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ワークショップ「We School」を行いました

  • ワークショップ「We School」を行いました
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 10月27日(火)後期専門委員会が行われました。今回の内容は、各教室に中1~高2の各委員会の生徒が集まり、後期の活動方針についての話し合いと前期の引き継ぎをするものでした。
 図書委員会では、自主性・主体性を伸ばすためにワークショップ「We School」を通じて交流を深めました。この「We School」は、架空の学校を運営するシミュレーションボードゲームで、本校卒業生である荒木勇輝さんが開発しました。
 荒木さんは本校を2003年に卒業し、京都大学文学部に進学。新聞社で記者を勤めたのち、強い関心を寄せていた教育分野に携わるべく2014年にTera School(NPO法人寺子屋プロジェクト)を設立しました。現在はボードゲームデザイナーとしても活動中です。この日は、SDGs公認ファシリテーターの資格を持つ中西將之さんと、卒業生の荒木勇輝さんの二名を本校にお招きし、ワークショップと進路講演をしていただきました。
 このゲームではプレイヤー5~7人が教職員や生徒、PTA関係者や地域住民などさまざまな役割を演じます。対話を重ねて教育環境を改善するさまざまなプロジェクトを進めて、生徒の自主性や地域との絆など6つの能力を伸ばし、3年間で「より良い学校」へと導くことが目的です。生徒たちは各テーブルに分かれ、「学力と自主性はそれほど高くなく、将来を決めずに進学や就職をする生徒が多い」という「平凡高校」を舞台にゲームを始めました。最初に自分が演じる役割を決めます。キャラクターは「校長」「生徒会長」「教員」など個性豊か。最初は役に戸惑ったようですが、生徒たちは話し合いながらプロジェクトを進めていきました。プロジェクトは「電子黒板の導入」や「部活動の創設」など、こちらもさまざまです。うまく進行すればプロジェクト達成となり、学校は成長しますが、予算や実行力に制限があるため無理はできません。オーバーワークにならないよう注意しながら、生徒たちは進み具合に一喜一憂し、大教室はにぎやかな話し声で包まれました。
 ゲーム終了後、各チームの成果を振り返りました。学校はチームの選択によって「教員の自主性は高いが学力は伸び悩んだ」「生徒の自主性は高いが地域住民の共感が得られていない」など、それぞれ違った姿に成長したようです。中西さんからは「課題がたくさんあってもすべてを同時に達成することは難しい。何かを達成しようとすると、必ず別の何かが犠牲になります。こういったトレードオフの考え方は、皆さんがこれまで学んできたSDGsにも通じます。」と解説をしてくださいました。プレイした生徒のひとりは「自分は校長役でした。プロジェクトを強制的に進める権限を使ってゲームを進めたけれど、現実に置き換えるとちょっと強引だったかも...。物事を実行していくには、話し合って準備をする大切さを実感しました」と話していました。 
 その後、荒木さんから、奈良学園在学時の思い出や、大学での学び、社会人になってからのエピソードなどを伺い、交流を深めました。最後に、生徒からの熱心な質問に丁寧に答えていただき、自身のターニングポイントや、その時の思いを伝え、「学習は一生を通して続けるもの、中高生時代の勉強は助走。学習し続けながら「天職」を探そう」と締めくくられました。