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令和3年度奈良学園中学校・高等学校SSH研究発表会を開催しました

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 2月19日(土)、なら100年会館中ホールにおいて「令和3年度奈良学園中学校・高等学校SSH研究発表会」を開催しました。この発表会は文部科学省から平成24年度よりSSH(スーパーサイエンスハイスクール)に指定されている本校生徒が、日頃の研究活動の成果を発表するものです。本来であれば他校の先生や保護者を招いて行いますが、感染症拡大防止のため、中学3年生のみが参加して開催しました。

 開催にあたって、兵庫県立大学大学院理学研究科の後藤忠徳教授より、「身近な地下世界の調べ方~災害・環境・遺跡を探る~」を演題に基調講演をいただきました。後藤忠徳教授は本校卒業生であり、地下探査を専門にされています。微弱電流を使った非破壊探査を行うことによって、古墳などの遺跡を発掘することによって起こりうる環境破壊を避け、古墳自体を現状のまま後世に残すことができることや、地すべり地域の土壌に含まれる水分量などを測定し、地すべりを早い時期に検出し、災害対策につなげられること、また、奈良学園内の里山に生息している絶滅危惧種のエンシュウムヨウランの生息域の特徴を地下構造の面から調査した結果について、わかりやすくご講演いただきました。

 生徒研究発表では高校2年生による優秀研究発表が行われました。研究テーマは「チョコレートガナッシュの乳化安定性に油脂の違いは生じるか」、「湿度が及ぼす静止摩擦係数への影響」、「サギソウの蜜の再吸収は起こるのか」、「水酸化鉄(Ⅲ)コロイドによるヘドロの分解」の4件の理系課題研究がチームごとに行われました。発表を受けて、会場の生徒からも内容に深く切り込んだ質問があり、専門家の先生方からも、さらに研究を進めるためのご指摘をいただきました。

 続いて、SS発展コースの生徒達による活動報告が行われました。女性が今よりもっと活躍できる環境づくりを応援する「日経ウーマノミクス・プロジェクト」に参加し、「産休・育休の認識を広める~私たちができること~」のプレゼンテーションで高校生の部で優秀賞を受賞したことや、放置された竹林による森林への侵食を防ぐため、竹の有効利用を考えた「竹・柿渋のミツロウラップの防カビ効果」の研究成果を発表したこと、吉野郡川上村での研修の報告、本校に他校の生徒達を招いて行われた「近畿SSH環境報告フォーラム」の活動報告などを発表しました。

 また、本校の卒業生による生徒支援組織「矢田の丘里山支援チーム」からの活動報告があり、その中でメンバーからは「私たちの自然保全活動を、持続可能な循環型の人的支援システムにしていきたい」と話がありました。

 最後に、本校SSH運営指導委員長をしていただいている京都大学大学院地球環境学堂の柴田昌三教授からは「たいへん良くなってきています。よりわかりやすく、自分たちの得た研究成果を外に発信する能力をさらにみがいてほしいと思います。今後も頑張ってください。」と全体講評をいただきました。