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高校人権講演会を行いました

  • 高校人権講演会を行いました
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 6月14日(火)、ロックバンド「FUNKIST」のヴォーカル、染谷西郷さんを講師にお迎えして高校人権講演会を行いました。

 染谷西郷さんは、南アフリカ人のバレエダンサーのお母様と日本人のフラメンコギタリストのお父様のあいだに誕生された方です。
 南アフリカでは、アパルトヘイト(人種隔離政策)が、染谷さんが中学3年生になるまで続けられていました。染谷さん自身は南アフリカの白人入植者の血をひいておられ、加害者側として、その責任を負っていると感じられているそうです。
 講演では、アパルトヘイトの成り立ちから、アパルトヘイトが廃止になって、ネルソン・マンデラが黒人初の大統領になり、南アフリカが平等な社会になるまでについて詳しく話していただきました。
 当時の南アフリカでは、異なる人種間の恋愛は法律で禁止されていました。染谷さんのご両親は隣国のモザンビークで出会われ、イギリスで婚姻届を出され、日本に住まれることになり、染谷さんは日本で誕生しました。
 日本の小学校に入学された時は、いわゆる「ハーフ」ということで酷いいじめを受けましたが、その時、現在もバンドメンバーとして共に活動する宮田泰治さんと出会ったことで、生きる勇気をもらったそうです。本校の生徒達に対しても、「落ち込んでいたり、悩みを抱えている仲間がいれば、君達にはその仲間の命を救う力がある。」とのメッセージを送っていただきました。
 そして、20歳の時に「FUNKIST」を結成。2010年に南アフリカで開催されたサッカーワールドカップでは、日本のサポーター、相手チームのサポーター、現地の人々の前でライブを行い、音楽によって人種を問わず一体感を持てたという、当時の貴重な体験もお話しいただきました。
 最後に、染谷さんから、「頑張っても報われないことがあるかもしれません。でも、自分の経験から言えることは、夢を叶えた人は最後まであきらめなかった人。あきらめないことは自分に可能性を与え続けること。応援しています!手拍子、拍手してくれたみんなに!」と、生徒達へエールが送られました。
 ギターを手にステージに上がられていた染谷さんは、「FUNKIST」の楽曲である、アニメ「FAIRY TAIL」のオープニングテーマの「Snow fairy」や、「LIFE is LOVE」、高校生の時に、「生まれた所や皮膚や目の色で、いったいこの僕の何がわかるというのだろう」という歌詞に勇気づけられた、「THE BLUE HEARTS」の「青空」などを講演とともに演奏してくださいました。

 聴講した3年F組の岩崎壮佑君は、「僕も音楽が好きなので、音楽は国境を超えて人を繋ぐことができるということに心を動かされました。今まで、リアルな差別体験を聞いたことがありませんでしたが、苦しんだり、悩んだりしている人に対して、これから自分がどう接していけばいいかを学べたと感じています。」と感想を話してくれました。