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矢田丘陵の風(校長より)

稲刈り ― 「つなぐ」ことの大切さ ―

  • 稲刈り ― 「つなぐ」ことの大切さ ―
  • 稲刈り ― 「つなぐ」ことの大切さ ―

 10月16日(金)に本校の敷地内にある棚田で、高校1年の生徒諸君によって、環境科学実習の一環としての稲刈りを行いました。
 この稲は今年6月26日に田植えをしたもので、山あいの棚田において、農薬や化学肥料もいっさい使用することなく育ちました。この稲の品種は、現在日本で作られる多くの米の品種の起源となる「農林22号」といい、10数年前に本校で田植えを始めるときに農業試験場からわずか種籾「2粒」だけを分けていただいたものです。病虫害に強い品種のようですが、昨年・一昨年の2年連続で稲刈りを目前にしてイノシシに荒らされ収穫することができませんでした。今年田植えをした種籾は3年前に収穫されたもので、種をつなげていく、系統保存していくラストチャンスだったのです。
 本校では、校内にある「里山」の豊かな自然環境を活用して様々な環境教育を展開しています。このような教育活動をとおして、絶滅危惧種と言われる貴重な生き物・植物などの自然環境保全に取り組んでいます。この日も「種の保全」という貴重な一日となりました。今後も奈良学園中学校高等学校において、こうした意義ある活動をしっかりとつなげていってくれることを期待しています。