スーパーサイエンスハイスクール(SSH)

学外サイエンス学習

学外サイエンス学習 「橿原考古学研究所研修」

  • 学外サイエンス学習 「橿原考古学研究所研修」
  • 学外サイエンス学習 「橿原考古学研究所研修」
  • 学外サイエンス学習 「橿原考古学研究所研修」
  • 学外サイエンス学習 「橿原考古学研究所研修」

 2月14日(火)・21日(火)の午後、高校1年生を対象とした「学外サイエンス学習」を行い、「考古学を科学する」をテーマに両日あわせて61名の生徒が橿原考古学研究所に出向き、講義の聴講と実習および施設見学をさせていただきました。
 最初に、東影悠先生から、研究所の沿革・考古学の定義・埋蔵文化財の定義・発掘調査の流れや出土遺物の保管や保存処理などについて様々な具体例を交えながらわかりやすく教えていただきました。
 続いて、小倉頌子先生から「考古学を科学する」と題してのご講義を拝聴しました。講義は,「文化財を遺す理由と意義」「文化財の保存の仕方」「文化財を取り巻く環境」の3部から成り、「考古学とは」「文化財とは」「埋蔵文化財と保存科学」「木製品の腐朽」「金属の腐食」「木製品の保存処理の仕方」「金属製品の保存処理の仕方」「文化財の保存環境」「大気汚染が文化財に及ぼす被害」などについて科学的視点から具体例を交えながらわかりやすくご説明下さいました。また、講義の中で、金属が土中で腐食するメカニズムを観察から探ることの体験として,銅板が希硝酸中でどう変化するかの実験実習も体験させていただきました。
 その後、研究所の施設見学をさせていただきました。「資料保管庫」「書庫」「整理室」「遺物収蔵庫」を案内していただき、それぞれの部屋が担う役割と作業内容についてご説明いただきました。
 最後に、付属博物館を見学し、今日の講義でお話のあった文化財の保存環境を科学的視点で確認することができました。
 今回の研修では、「考古学」の奥深さと意義、そして科学としての側面がどのようなものであるかを知ることができたとともに、考古学において科学技術が担うべき点がどこにあるのかを具体的に学ぶことができました。そして、参加した生徒達はそれぞれに興味・関心を深めることができました。

SS学外サイエンス学習「未来への風景づくり」を開催しました。

  • SS学外サイエンス学習「未来への風景づくり」を開催しました。
  • SS学外サイエンス学習「未来への風景づくり」を開催しました。
  • SS学外サイエンス学習「未来への風景づくり」を開催しました。
  • SS学外サイエンス学習「未来への風景づくり」を開催しました。

 3月14日(月)、高1理数コース生45名で奈良県川上村の白屋地区にお邪魔しました。
 川上村水源地課の加藤満先生からは「水源地の村づくり」と題して,川上村の歴史や現在に至る取り組み,村の暮らしなどについて,いろいろなお話をうかがいました。川上村は1996(平成8)年8月1日,水源地の村が果たすべき責任と使命を「川上宣言」に込めて全国に発信しました。川上村には,元々3つのダムを建設する計画がありましたが,地元の反対運動などもあり利水目的の大迫ダムと治水目的の大滝ダムの2つがつくらることになりました。特に大滝ダムについては,建設計画が持ち上がってから地元の同意を得るまでに約20年を要し,それからさらに20年をかけて,ようやく湛水(たんすい)試験にこぎ着けました。ところが,今回訪れた白屋地区で地滑りが発生したため,全戸移転を余儀なくされ,2013(平成25)年の竣工までに,実に50年もの歳月を要したのでした。
 公益財団法人吉野川紀の川源流物語・森と水の源流館の古山暁先生には,白屋地区を案内していただき,現在の景色から読み取れる,当時の暮らしぶりなどを説明していただきました。かつて住宅があった場所は基礎の痕跡を残して更地となっており,事業に協賛している多くの会社や和歌山市議会が区画ごとに植栽を施しています。紀の川の源流にあたるこの地を大切に守ろうとする和歌山市議の思いにも触れることができました。ここ白屋地区では,ふるさとに対する村民の思いをとどめるだけでなく,吉野川・紀の川の川沿いに生活するすべての人々の交流拠点として「未来への風景づくり」が行われています。

 高校1年生 学外サイエンス学習「斑鳩フィールドワーク 古代斑鳩を歩く」を開催しました

  •  高校1年生 学外サイエンス学習「斑鳩フィールドワーク 古代斑鳩を歩く」を開催しました
  •  高校1年生 学外サイエンス学習「斑鳩フィールドワーク 古代斑鳩を歩く」を開催しました
  •  高校1年生 学外サイエンス学習「斑鳩フィールドワーク 古代斑鳩を歩く」を開催しました
  •  高校1年生 学外サイエンス学習「斑鳩フィールドワーク 古代斑鳩を歩く」を開催しました

 11月16日(火)、京都大学教授の吉川真司氏を講師にお招きして、「斑鳩フィールドワーク」を実施し、高校1年生A組の37名が参加しました。
 本校からバスにて法隆寺まで移動した後、藤ノ木古墳、法隆寺、法輪寺、法起寺と徒歩で移動し、見学を行いました。吉川先生のお話を伺いながら、古代の斑鳩に思いを馳せる散策と学習の会となりました。
 藤ノ木古墳では、古墳内の様子を扉越しにのぞきながら、吉川先生から詳しい説明をいただきました。法隆寺では、一度焼け落ちた後に再建されたことや建造物の特徴、夢殿が光明皇后によって天平時代の天然痘の流行時に、聖徳太子の供養として建立されたことなどのお話を、実際の建造物を見学しながら聞かせていただきました。法輪寺では本堂内の仏像の見学、法起寺では境内での瓦の破片探しと周辺地区の条里制の地割を自分の足で歩いて感じてみるという体験もできました。
実際の斑鳩の地で、吉川先生の高校生にわかりやすいかみ砕いた説明ともに、古代の仏像や建造物、地割などを見て、歩いて学ぶ見学会は、高校生たちにとってかけがえのない貴重な経験となりました。

神戸大学素粒子論研究室研修

  • 神戸大学素粒子論研究室研修
  • 神戸大学素粒子論研究室研修
  • 神戸大学素粒子論研究室研修
  • 神戸大学素粒子論研究室研修

 中間考査終了日の翌日,10月21日(木)に高1生徒を対象にSS学外サイエンス学習が実施されました。今年度も神戸大学理学部素粒子論研究室の坂本眞人先生にお越しいただき,「相対論の不思議な世界」と「ブラックホール」の2つのテーマについてご講義いただきました。本来であれば,神戸大学にうかがうべきところ,コロナ対策のため,昨年度同様「学外」ではなく「学内」での実施となりました。相対論のお話しでは,「光速度不変の原理」から導かれる不思議な現象について分かりやすく解説していただきました。光速に近い速さで進むと時間の進みが遅くなることや,GPSシステムの精度維持には欠かせない観測事実であることを知ることができました。また,ブラックホールについてのお話しでは,ブラックホールの作り方や重力のはたらきで光が曲がることなどを学ぶことができました。重力波の検出などの最先端の話題についても解説していただき,好奇心を大いに刺激される時間となりました。

SS学外サイエンス学習で天理大学附属天理参考館へ行って来ました

  • SS学外サイエンス学習で天理大学附属天理参考館へ行って来ました

 令和2年2月27日(木)に高1E組の生徒達が天理大学附属天理参考館へ現地学習に伺いました。
 青木智史先生の案内で、館内の展示物を順に見学させていただきながら、要所要所で青木先生から直接、その展示物の年代や科学的分析で明らかになったこと、その展示物の日本の生活様式への影響や関連性・人々の世界観などの解説を受けました。天理参考館は布留遺跡(旧石器時代)の上に建つこと、奈良時代や古墳時代のこと、金の生産力やガラスの製造力とアジアの東西の違いや関連性、中国はじめアジアの出土品と当時の人々の世界観、世界のポンプの開発とネジの開発の優劣との関連性や交通・生活道具への影響、日本の先住民族であるアイヌの人々の生活や文化などについて、自然科学的見地と歴史文化を織り交ぜながらの解説で実物を目の前にしながら学ぶことができました。
 館内見学の後は実習体験でした。出土した壁画や埋葬品を当時の人々がどんな物質を用いてどのように加工したのか探るために、青木先生はじめ研究者がどんな機器分析をしているのかを先に講義で教えていただきました。その後、生徒達は、蛍光X線分析装置に自分の気になる岩石や出土品断片を入れて含まれる成分元素を調べたり、赤外線カメラでカバンや友達の顔を写して赤外線画像法によりどのように画像が見えるかを調べたり、サーモグラフィーで室内各所や友達を自由に写して温度分布の様子を調べたりと多くの貴重な体験を実習の形でさせていただきました。
 学習後の生徒の感想には、「新型コロナウィルスが話題になっている最近だが、テレビで発熱などを見分けるサーモグラフィーが紹介されていて、実際に自分で使ってみることができてとても身近に感じた」「土器や大昔の装飾品を科学の点から解説してもらったので、日本史や世界史の授業で触れられない部分がわかり、とても有意義な学習だった」「X線の装置を実際に使わせてもらって、即座に元素がわかるのがすごかった。そこから文化財の真贋や昔の人々の加工の歴史などいろいろわかることに感動した」など発見や感動が多く綴られ、貴重な実体験学習の機会となりました。青木先生、どうもありがとうございました。

橿原市昆虫館で学外サイエンス学習を行いました

  • 橿原市昆虫館で学外サイエンス学習を行いました
  • 橿原市昆虫館で学外サイエンス学習を行いました
  • 橿原市昆虫館で学外サイエンス学習を行いました
  • 橿原市昆虫館で学外サイエンス学習を行いました

 1月23日(木)の午後、高校1年生22名が橿原市昆虫館に出向き、学外サイエンス学習を行いました。
 まずはじめに、副館長の中谷康弘先生から昆虫館の展示物と温室内のさまざまなチョウについて説明をしていただきました。その中で、沖縄県以南にしか分布しないオオゴマダラについて詳しくご説明いただき、実際にそのさなぎや幼虫を見せていただくとともに、手にとって触れさせてもいただきました。一見奇抜に見える幼虫を、生徒達は最初はおそるおそる手にしていましたが、慣れてくると親しみを持ってその動きや感触を確かめていました。また、講義室内でオオゴマダラの成虫を放っても下さり、その優雅で独特な飛び方に興味を持つことができました。その他、アンモナイトの化石やオーストラリアに生息する虹色に輝くカブトムシなどもご紹介下さいました、生徒達は写真などでしか見たことのないアンモナイトの化石に興味を抱くとともに、虹色のカブトムシにはその美しさに魅了されました。また、昆虫館近隣の自然に生息する身近な昆虫たちもスライドでご説明下さり、よく目にする昆虫たちでも、改めて見てみると興味深く感じられました。
 講義後は、館内を自由見学させていただきました。様々な昆虫の標本や写真をはじめ、岩石の標本や地中生物の様子がわかるジオラマなど、実に多くのものが展示されており、生徒達は時間を惜しんで興味の赴くままに見学することができました。特に、講義でご説明下さったオオゴマダラをはじめ様々な珍しいチョウが飛び交う大温室は、花に群がるチョウ達に間近に迫って観察することができる、まるで楽園のような空間であり、生徒達は大いに楽しみながらチョウ達を観察することができました。今回の研修では、身近な昆虫から珍しい昆虫まで幅広く目にすることができたと同時に、絶滅に瀕している昆虫やそれらの保護について考えるきっかけを与えても下さり、大変有意義な時間を過ごすことができました。

高校1年生39名がSS基礎「学外サイエンス学習」を行いました。

  • 高校1年生39名がSS基礎「学外サイエンス学習」を行いました。
  • 高校1年生39名がSS基礎「学外サイエンス学習」を行いました。

 2月13日(木)の午後、今回は高度情報科学技術研究機構から講師の方々にお越しいただき、本校PC室での実施となりました。
 まず、「プログラミング はじめの一歩」と題した講習をしていただきました。プログラム言語「Python」の開発環境である「Thonny」を用いて、基本文法から、if文による条件分岐、while文によるくり返し処理、関数定義などの基本構文まで、分かりやすく解説していただきました。講習に続き、問題の解決や事象の解析に用いられる数値シミュレーションについて、その基本的な考え方のレクチャーをしていただきました。その後、問題の提起から計算結果の解析までの一連の作業を次のような手順で体験実習しました。
① 問題をモデル化し、解き方を考える。
② 考えた解き方に沿って、Pythonでプログラミングする。 
③ 実際にプログラムを走らせてみる。 
④ 計算結果を解析し、考察する。
 各自が計算した結果を統合し、その結果が意味することについて、分析を行いました。数値シミュレーションで行っているのは、モデルに基づく計算に過ぎず、その結果を鵜呑みにはできないこと、結果が正しいか否かについては別途、詳しく吟味しなければならないことなどを教えていただきました。生徒も数値シミュレーションの面白さに気付いた様子で、たいへん良い経験となりました。

神戸大学理学部で学外サイエンス学習を行いました

  • 神戸大学理学部で学外サイエンス学習を行いました
  • 神戸大学理学部で学外サイエンス学習を行いました
  • 神戸大学理学部で学外サイエンス学習を行いました

 10月24日(木)の午後、「学外サイエンス学習」のため、高校1年生22名が神戸大学理学部に出向き、数学専攻の佐藤進先生のご講義を拝聴しました。
 ご講義のテーマは「デルタ多面体」ということで、まず、「ポリドロン」とよばれる数学玩具で、正三角形のみからなる多面体(デルタ多面体)をいろいろと組み立てる実習を行いました。4、6、8、10、12、14面体など、簡単なものから難しいものまでありましたが、生徒達は楽しそうに次々とこなしていました。生徒達が多面体を組み立てている時間を利用して、先生は理学部数学科についての紹介や多面体にまつわる様々なお話をして下さいました。
 実習後、本格的な数学の講義になり、そこでは「オイラーの多面体定理」を学びました。多面体の面や辺を「国の領土」に見立てて、わかりやすく証明もして下さいました。数多くの多面体が存在する一方で、普遍的に成り立つその定理の美しさと不思議さに生徒達は大いに興味を抱いたようでした。講義では、初めて聞く専門用語にも出会いましたが、多面体の不思議さをはじめ、数学の奥深さにも触れさせていただき、大変有意義な研修になりました。この経験を普段の授業や課題研究に活かすとともに、将来の進路選択にも良い影響があることを期待します。

大阪教育大学で学外サイエンス学習を行いました。

  • 大阪教育大学で学外サイエンス学習を行いました。
  • 大阪教育大学で学外サイエンス学習を行いました。
  • 大阪教育大学で学外サイエンス学習を行いました。

 11月12日(火)の午後、高校1年生38名が大阪教育大学柏原キャンパスで学外サイエンス学習を行いました。今回は、理科教育講座 モダン物性研究室で「モダン科学館」活動を行っておられる学生スタッフのみなさんによる案内で、いろいろな実験を見学・体験しました。はじめに、「モダン科学館」活動についての説明があり、小学校・中学校・高等学校へ出張してさまざまな実験を行ったり、学園祭などでブースを開いたりして、子どもたちが理科に興味をもつことができるように活動されていることが紹介されました。今回も、6つのブースを用意していただき、クラスを5~6人のグループに分けていろいろなブースを回って見学させていただきました。
 演示実験では、大がかりな装置で放電する実験から、ヘロンの噴水、ポンポン船のしくみなど、さまざまな実験を用意していただきました。身近にも利用されている圧電素子を使った実験装置や、エレキギターのしくみなど、楽しくてためになる話もたくさんしていただきました。ガウス加速器には興味を惹かれた生徒も多く、講義後の自由時間にたくさんの生徒が集まっていました。物理の授業で学んだ内容が生活のいろいろなところに生かされており、不思議だなと思うこと、なぜそうなるのかを考えること、それを実践することが科学の原点である、という最も大切なことに生徒たちは気付くことができたのではないでしょうか。また、実験装置を手作りする、という、生徒が普段あまり意識していなかった点も、来年度の課題研究につながる新しい気付きになったのではないかと思います。

学外サイエンス学習で「斑鳩フィールドワーク」を実施しました

  • 学外サイエンス学習で「斑鳩フィールドワーク」を実施しました
  • 学外サイエンス学習で「斑鳩フィールドワーク」を実施しました
  • 学外サイエンス学習で「斑鳩フィールドワーク」を実施しました

 11月19日(火)、京都大学の吉川真司教授のご指導のもと、高校1年生40名がフィールドワークを行いました。本校は、斑鳩の里にも近く、歴史的に非常に恵まれた環境に立地しています。この地の利を活かし、実際に現地を訪れることによって「古代斑鳩の土地計画」を体感することができました。出発前に吉川教授からルート説明と現地での見どころについて解説していただきました。今回のフィールドワークでは、7世紀初頭(聖徳太子の生きた時代)、7世紀後半(法隆寺が再建された時代)、8世紀以後の三つの時代の痕跡を「道の傾き」をキーワードに訪ね歩きました。ルートは以下の通りです。

1 法隆寺
 法隆寺周辺はかつて聖徳太子一族が住んだ地域です。到着後、南大門から壁沿いに西に進み、南西の角を北向きに西大門へ向かう道を歩きました。この道は、聖徳太子の死後、聖徳太子の一族が滅亡してしまった後につくられた道で、真北に対し8度西に傾いています。7世紀後半の法隆寺再建はこの道を残す形で建立されたことが分かります。西大門をくぐり、東大門へ向かう途中、吉川教授から西院伽藍、宿坊、大宝蔵殿の解説をしていただきました。大宝蔵殿の造りは、校倉造りこそ施されていませんが、正倉院と同じであるとのご説明でした。東大門をくぐり東院伽藍周辺と斑鳩宮跡を見学して法隆寺をあとにしました。東大門前から北へ延びる道もまた、真北に対し8度西に傾いていました。

2 仏塚古墳(横穴式石室の見学)
 仏塚古墳に向かう途中にある貯水池の土手から飛鳥の方角をのぞむことができました。遠くに見える耳成山と畝傍山の間に藤原京があるはずです。聖徳太子が往き来した太子道は、真北に対し20度の傾きを持つ道で、斑鳩と飛鳥を最短で結んでいました。仏塚古墳では懐中電灯を頼りに石室内を見学しました。古代石室の築造技術を肌で感じることができました。この古墳は聖徳太子以前に斑鳩にいた有力豪族の墓と考えられています。

3 法輪寺
 法輪寺では、境内および十一面観音をはじめとする仏像が安置された講堂を見学しました。国宝であった三重塔は昭和19年に落雷で消失してしまい、現在の塔は昭和50年に再建されたものです。

4 三井の井戸見学
 三井の井戸は「塼」(せん)と呼ばれるレンガのような焼き物を積んだ珍しい構造をしており、古代技術の高さがうかがえます。

5 法起寺
 法起寺では、法起寺式の伽藍配置を見学し、古代瓦の講義もしていただきました。亙に興味を持った生徒達は、境内に落ちている瓦の破片を熱心に探していました。

6 法起寺周辺の条里
 最後に法起寺周辺の条里制のあとを歩きました。1町=109mで画される古代の条里が非常に美しく残っていて、しかもきれいに南北に沿った形をしています。古代においてはその条里1区画を5人分の土地として支給されたことを、座学ではなく、実際に歩いてその土地の広さを体感することができました。

奈良県立橿原考古学研究所で学外サイエンス学習を行いました

  • 奈良県立橿原考古学研究所で学外サイエンス学習を行いました
  • 奈良県立橿原考古学研究所で学外サイエンス学習を行いました
  • 奈良県立橿原考古学研究所で学外サイエンス学習を行いました
  • 奈良県立橿原考古学研究所で学外サイエンス学習を行いました

 9月24日(火)と10月1日(火)の午後、高校1年生を対象に「学外サイエンス学習」を行いました。今回は、両日あわせて77名の生徒が橿原市の橿原考古学研究所に出向き、講義の受講と研究所内の見学をさせていただきました。
 講義に先立ち、鈴木裕明先生から、奈良県内の遺跡の発掘・調査を担う研究所の沿革と、唐古鍵遺跡や藤ノ木古墳などの主な発掘遺跡について紹介いただきました。続いて、河﨑衣美先生から金属製遺物、中でも鉄製遺物の保存について、「保存科学」の観点からご講義をいただきました。金属結合の仕組みや腐食のメカニズムから、鉄製遺物の保存作業に至るまで詳しくお話くださいました。鉄くぎが溶液の中で腐食するようすをイオンの色で認識できるミニ化学実験を交えながらお話しいただき、金属劣化のしくみを理解しながら「保存科学」の大切さを体験することができました。
 講義後は、研究所内の施設を案内していただき、出土遺物の保管庫や整理・修復の作業、また、ポリエチレングリコール(PEG)による木製出土品の保存処理を行う装置などのバックヤードを見学させていただきました。実際にPEGで処理した桜井茶臼山古墳からの出土品である木棺も見学し、どのように科学の成果が役立てられているかを実感することができました。また、カンボジアのアンコール遺跡にあるバイヨン寺院の調査・修復についての展示も見学しました。実際の浮き彫りの修復で用いられた図面も展示されており、とくに建築学を志している生徒たちはその細かさに圧倒されていました。 考古学といえば文系の学問というイメージがありますが、歴史学や文化学にとどまらず、実際には化学や建築学などの理系の学問も広く関わっていることを実感できた有意義な機会になりました。

京都府立大学生命環境科学部附属農場で学外サイエンス学習を行いました

  • 京都府立大学生命環境科学部附属農場で学外サイエンス学習を行いました
  • 京都府立大学生命環境科学部附属農場で学外サイエンス学習を行いました
  • 京都府立大学生命環境科学部附属農場で学外サイエンス学習を行いました

 9月12日(木)、生徒39名が「SS物理・化学・生物基礎」の学外サイエンス学習で、精華町にある京都府立大学生命環境科学部附属農場を訪れました。
 寺林敏教授にお出迎えいただき、はじめにご講義をいただきました。大学の農学部が生命環境科学部と改組された理由から、現在の研究体制をご紹介いただいた後、いよいよご専門の「養液栽培」についてのお話です。私たちがよく知っている「水耕栽培」と「養液栽培」との違い、「養液栽培」の現状と、その長所短所をていねいにご説明下さいました。こうして、机上で「養液栽培」への理解を進めた後は、圃場へ出て、具体的な見学です。果樹園では、技官の方から栽培技術の簡単な説明を受け、ブドウを試食させていただいたり、私たちのために摘果を待っていただいたナシを枝から摘んでお土産にしたり、そのおいしさとみずみずしさに感動しました。最後に、養液栽培ハウスへ行き、寺林先生から日欧のハウスの構造の違いや実際の栽培の様子をお話しいただきました。果物をかじりながらという楽しい雰囲気の中で多くの質問も出て、サイエンスの成果を応用する農学系の現場を知るユニークで実りの多い学習機会となりました。

大阪府立環境農林水産総合研究所の「水産技術センター」で学外サイエンス学習を行いました

  • 大阪府立環境農林水産総合研究所の「水産技術センター」で学外サイエンス学習を行いました
  • 大阪府立環境農林水産総合研究所の「水産技術センター」で学外サイエンス学習を行いました
  • 大阪府立環境農林水産総合研究所の「水産技術センター」で学外サイエンス学習を行いました

 9月24日(火)、生徒42名が「SS物理・化学・生物基礎」の学外サイエンス学習で、大阪府岬町にある大阪府立環境農林水産総合研究所「水産技術センター」を訪れました。
 今回は、チームリーダーの佐野雅基先生に「水産技術センターの役割―環境・漁業・生物多様性―」というテーマでお話をしていただきました。
 まず、センターで取り組まれている、大阪湾の環境保全・改善や、水産資源の管理などについてのお話がありました。赤潮の説明や、温暖化による海水温上昇の影響について説明を受けました。また、行政が計画した海岸整備の現状、海底の地形と水の流れについて漁獲量の変化から分かること、シオミズツボワムシのような初期餌料を培養するご苦労などの興味深いお話がありました。
 講義の後は、栽培センターの施設見学です。まだ小さいアコウ(キジハタ)の飼育水槽と性転換のお話しなど、現場でしか見ることができない初期養殖の様子を見せていただきました。講義や現場の飼育水槽では、生徒からも多くの質問が出ましたが、佐野先生は一つ一つていねいにお答えくださり、生徒達はこのような現場にもサイエンスの先端技術が応用されていることを知り、とても楽しい充実したひと時を過ごすことができました。

神戸大学素粒子論研究室・粒子物理学研究室で 学外サイエンス学習を実施しました

  • 神戸大学素粒子論研究室・粒子物理学研究室で 学外サイエンス学習を実施しました
  • 神戸大学素粒子論研究室・粒子物理学研究室で 学外サイエンス学習を実施しました
  • 神戸大学素粒子論研究室・粒子物理学研究室で 学外サイエンス学習を実施しました
  • 神戸大学素粒子論研究室・粒子物理学研究室で 学外サイエンス学習を実施しました

 10月1日(火)の午後、高校1年生を対象に「学外サイエンス学習」が行われました。今回は、41名の生徒が神戸大学理学部素粒子論研究室および粒子物理学研究室に出向き、講義の受講と施設の見学をさせていただきました。
 大学到着後、まず素粒子論研究室の坂本眞人先生にご講義をいただきました。
前半は「相対論の不思議な世界」というテーマで、「光速度不変の原理」から導かれる「動く時計は遅れる」、「未来に行くことはできる」、「宇宙の果てを見ることができる」、「ブラックホールの中は見ることができない」などの不思議な結論について解説をしていただきました。また、日頃何気なく使っている位置情報サービス(GPS)も相対論に基づいて構築されたシステムであることを知ることができました。
 後半は「素粒子と宇宙」というテーマで、すべての物質が素粒子からなること、我々が知る「物質」は宇宙の組成のたった5%に過ぎず、残り23%の暗黒物質(ダークマター)と72%の暗黒エネルギーについては未だ謎のままであること、素粒子の世界を理解することが宇宙の謎の解明につながることなどを解説していただきました。身のまわりに存在する様々な物質がたった3種類のクォークという素粒子の組み合わせからできていることは驚きでした。難解な内容ながら、先生の優しい笑顔で、生徒にとって質問しやすい雰囲気となり、一人ひとりに丁寧にお答えいただいたおかげで理解が深まりました。
 引き続き、粒子物理学研究室の山﨑祐司先生と身内賢太郎先生のご案内で、2つのグループに分かれて見学させていただきました。山﨑祐司先生には実験室の設備や装置についてご説明いただきました。身内賢太郎先生にはスーパーカミオカンデに使われている光電子増倍管のことや素粒子の分類についてご説明いただきました。
 今回の学外学習では、宇宙と素粒子という大きさの上では極大と極小の対極にある領域の学問が密接に関係していることを知ることができました。

学外サイエンス学習で橿原市昆虫館へ行きました

  • 学外サイエンス学習で橿原市昆虫館へ行きました
  • 学外サイエンス学習で橿原市昆虫館へ行きました
  • 学外サイエンス学習で橿原市昆虫館へ行きました
  • 学外サイエンス学習で橿原市昆虫館へ行きました

 1月17日(木)の午後、高校1年生17名が橿原市昆虫館でのSS基礎「学外サイエンス学習」を行いました。
 副館長をしておられる中谷康弘先生に館内をご案内いただきながら、一つひとつの展示について説明をしていただきました。また大温室では、たくさんの蝶が飛び交う様を見ることができました。温室の天井は高く、植物はもとより小さな滝やエサ場なども工夫されていて、蝶の生活を最優先につくられていることが実感できました。いろいろな蝶について、実際に手にとって具体的に説明していただき、特に沖縄県以南にしか分布しないオオゴマダラについて詳しくお話いただきました。バックヤードの見学では、ヘラクレスオオカブトの成虫と巨大な幼虫を直接手にとって観察させていただきました。その大きさに触れ、生徒一同歓声をあげていました。
 館内見学のあと、エサ替え飼育実習を体験させていただきました。チョウの幼虫に触れるのが苦手という生徒もいましたが、中谷先生のご指導により、幼虫に親しみをもつようになると、ほとんどの生徒が幼虫に触れることができるようになりました。食草のホウライカガミという植物の葉を交換する際は、濡れている葉の表面と裏面を丁寧に拭き取る必要があることを学びました。これは、蝶が雑菌などに感染することを防ぐために必要な処理とのことでした。あらためて、生き物をあつかうことの難しさを知りました。また、幼虫の体調管理の目安が糞の状態で判ることも知りました。健康体はコロコロした糞であるのに対し、下痢状であれば要注意とのことでした。ホウライカガミは昆虫館内の温室でも栽培しているのですが、生育が不十分なこともあり、定期的に石垣島から空輸もしているとのことでした。
 普段は立ち入れないバックヤードの見学という、貴重な体験をさせていただき、大変有意義な時間を過ごすことができました。

「学外サイエンス学習」で奈良県立橿原考古学研究所へ行ってきました。

  • 「学外サイエンス学習」で奈良県立橿原考古学研究所へ行ってきました。
  • 「学外サイエンス学習」で奈良県立橿原考古学研究所へ行ってきました。
  • 「学外サイエンス学習」で奈良県立橿原考古学研究所へ行ってきました。
  • 「学外サイエンス学習」で奈良県立橿原考古学研究所へ行ってきました。

 11月13日(火)、高校1年生38名が、奈良県立橿原考古学研究所で「考古学を科学する」をテーマに、講義の受講と研究所施設及び附属博物館の見学をさせていただきました。
 講義に先立ち、鈴木裕明先生から、奈良県内の遺跡の発掘・調査を担う研究所の沿革と、唐古鍵遺跡や藤ノ木古墳などの主な発掘遺跡について紹介いただきました。続いて河﨑衣美先生から、金属製遺物、中でも鉄製遺物の保存について、「保存科学」の観点からご講義をいただきました。金属結合の仕組みや腐食のメカニズムから、鉄製遺物の保存作業に至るまで詳しくお話くださいました。遺物の現状が持つ情報を維持しながら、劣化の要因を除去する「保存科学」の役割の重要性がわかるご講義でした。また、石黒勝己先生からは、透過性の高い宇宙線ミューオンを用いて未発掘遺跡の内部構造を探る「ミューオンラジオグラフィー」の実用事例を紹介いただきました。両先生のご講義は、金属の腐食に関する実験や霧箱のリアルタイムの映像をご用意くださるなど、生徒の受講に配慮をいただいたもので、興味深く受講させていただきました。
 講義後は、研究所の先生方の解説をいただきながら、研究所施設と附属博物館の見学をさせていただきました。出土遺物の保管庫や整理・修復の作業、また、木製出土品の保存処理などを見学しました。最後には、講義や見学で学んだ「保存科学」の成果として、博物館の展示品を見せていただきました。一般的に文科系の学問というイメージのある考古学ですが、自然科学が果たす役割の大きさに気づかされた一日でした。

学外サイエンス学習で『斑鳩フィールドワーク』を実施しました

  • 学外サイエンス学習で『斑鳩フィールドワーク』を実施しました
  • 学外サイエンス学習で『斑鳩フィールドワーク』を実施しました
  • 学外サイエンス学習で『斑鳩フィールドワーク』を実施しました
  • 学外サイエンス学習で『斑鳩フィールドワーク』を実施しました

 11月20日(火)、京都大学の吉川真司教授にお越しいただき、「古代斑鳩を歩く」をテーマに高Ⅰ生徒32名がフィールドワークを行いました。本校は矢田丘陵に位置し、斑鳩にも近く、歴史的にも非常に恵まれた環境を有しています。その地の利を活かして、実際に現地を訪れながら歴史を科学的に分析することの重要性を生徒に理解してもらうことを目的としています。出発前に吉川教授からルート説明と現地での見どころについて解説していただきました。今回のフィールドワークでは、7世紀初頭(聖徳太子の生きた時代)、7世紀後半(法隆寺が再建された時代)、8世紀以後の三つの時代の痕跡を「道の傾き」をキーワードに訪ね歩きました。
 まず初めに訪ねたのは法隆寺です。法隆寺周辺はかつて聖徳太子一族が住んだ地域です。到着後、南大門から壁沿いに西に進み、南西の角を北向きに西大門へ向かう道を歩きました。この道は、聖徳太子の死後、聖徳太子の一族が滅亡してしまった後につくられた道で、真北に対し8度西に傾いています。7世紀後半の法隆寺再建はこの道を残す形で建立されたことが分かります。西大門をくぐり、東大門へ向かう途中、吉川教授から西院伽藍、宿坊、大宝蔵殿の解説をしていただきました。大宝蔵殿の造りは、校倉造りこそ施されていませんが、正倉院と同じであるとのご説明でした。東大門をくぐり東院伽藍周辺と斑鳩宮跡を見学して法隆寺をあとにしました。東大門前から北へ延びる道もまた、真北に対し8度西に傾いていました。
 次の目的地は仏塚古墳ですが、その途中にある貯水池の土手から飛鳥の方角をのぞむことができました。遠くに見える耳成山と畝傍山の間に藤原京があるはずです。聖徳太子が往き来した太子道は、真北に対し20度の傾きを持つ道で、斑鳩と飛鳥を最短で結んでいました。今でも当時の道の痕跡が所々に残っています。仏塚古墳では懐中電灯を頼りに石室内を見学しました。古代石室の築造技術を肌で感じることができました。この古墳は聖徳太子以前に斑鳩にいた有力豪族の墓と考えられています。
 次に訪れた法輪寺では、境内および十一面観音をはじめとする仏像が安置された講堂を見学しました。国宝であった三重塔は昭和19年に落雷で消失してしまい、現在の塔は昭和50年に再建されたものです。法輪寺をあとに、三井の古代井戸を経由して最終目的地の法起寺に向かいました。三井の井戸は「塼」と呼ばれるレンガのような焼き物を積んだ珍しい構造をしており、古代技術の高さがうかがえます。
 法起寺では、法起寺式の伽藍配置を見学し、古代瓦の講義もしていただきました。亙に興味を持った生徒達は、境内に落ちている瓦の破片を熱心に探していました。そして見つけるとすぐに吉川教授に鑑定をしてもらい、時間を忘れて楽しんでいる様子でした。最後に法起寺周辺の条里制のあとを歩きました。1町=109mで画される古代の条里が非常に美しく残っていて、しかもきれいに南北に沿った形をしています。古代においてはその条里1区画を5人分の土地として支給されたことを、座学ではなく、実際に歩いて体感することができました。実際見て感じると改めてその土地の広さを実感できたようです。

「学外サイエンス学習」で大阪府立環境農林水産総合研究所 水産技術センターへ行きました

  • 「学外サイエンス学習」で大阪府立環境農林水産総合研究所 水産技術センターへ行きました
  • 「学外サイエンス学習」で大阪府立環境農林水産総合研究所 水産技術センターへ行きました

 10月9日(火)、大阪府岬町の海岸沿いにある水産技術センターで、高校1年生39名が参加して、学外学習を行いました。
 今回は、センター研究員の佐野雅基先生に「水産技術センターの役割―環境・漁業・生物多様性―」というテーマでご講義をいただきました。
 まず、センターで取り組まれている、大阪湾の環境保全・改善や、水産資源の管理などについてのお話がありました。続いて、海水の分析方法の説明や、温暖化による海水温上昇の影響について説明を受けました。また、魚を識別する際にタグを使用する方法と耳石を染色する方法でのメリットとデメリットについて、興味深いお話をいただきました。センターが担う役割を地域連携や産学連携の点からも分かりやすく説明してくださり、身近な施設として感じることができたようです。
 講義の後は、栽培センターの施設見学です。まだ小さいマコガレイやオニオコゼの飼育水槽など見学し、とても楽しい充実したひと時を過ごすことができました。

学外サイエンス学習で大阪府立環境農林水産総合研究所生物多様性センターへ行きました

  • 学外サイエンス学習で大阪府立環境農林水産総合研究所生物多様性センターへ行きました
  • 学外サイエンス学習で大阪府立環境農林水産総合研究所生物多様性センターへ行きました
  • 学外サイエンス学習で大阪府立環境農林水産総合研究所生物多様性センターへ行きました
  • 学外サイエンス学習で大阪府立環境農林水産総合研究所生物多様性センターへ行きました

9月25日(火)の午後、高校1年生31名が大阪府寝屋川市の大阪府立環境農林水産総合研究所生物多様性センター(旧水生生物センター)に出向き、講義の拝聴と施設の見学をさせていただきました。
 この春にリニュアールされたばかりの同センターを訪ね、研究員の小田優花先生から同センターの業務を紹介していただきました。同センターでは、絶滅危惧種を含めた野生動植物の調査と保全、オオクチバスやブルーギルなどの外来生物の影響調査と対策、魚の病気と貝毒原因プランクトンの調査、環境教育と環境活動の支援など、大阪府内の生物多様性保全にむけた調査研究を行っていることを説明してくださいました。とくに日本では淀川水系と濃尾平野、富山平野にしか分布しないイタセンパラを淀川のシンボルフィッシュと位置づけ、その保全について、地域の方々と協力しながら活動されていることが紹介され、「生物多様性を保全する」ということを実感することができました。
 続いて、本校の卒業生でもある同研究所の幸田良介先生から、「これからの未来ある後輩たちへ」と題し、自らが研究者になった動機や、学生のころどのような研究をされていたかを語っていただきました。幸田先生はちょうど本校が共学化されたころに在籍されていた先輩で、生徒時代のようすも交えながら語っていただきました。学生のころは森林環境の保全について研究をされていたそうで、先輩の研究の手伝いで同行した屋久島の森林でシカによる食害調査が自分の将来を決める転換点だったとおっしゃっていました。将来、どのような進路に行きたいかを決めつつある生徒たちにとって、いい講話になったのではないでしょうか。
 その後、小田先生の案内でセンター内の施設を見学させていただきました。館内には淀川水系の魚が多数展示されており、先ほどの講義でうかがった魚たちが実際に泳ぐ姿を観察することができました。また、屋外の飼育池にも案内していただきました。生物多様性保存について、よい学習機会になったのではないかと思います。

「学外サイエンス学習」で神戸大学素粒子論研究室・粒子物理学研究室へ行きました

  • 「学外サイエンス学習」で神戸大学素粒子論研究室・粒子物理学研究室へ行きました
  • 「学外サイエンス学習」で神戸大学素粒子論研究室・粒子物理学研究室へ行きました
  • 「学外サイエンス学習」で神戸大学素粒子論研究室・粒子物理学研究室へ行きました

 9月25日(火)の午後、「学外サイエンス学習」が行われ、高校1年生39名が神戸大学理学部素粒子論研究室および粒子物理学研究室に出向き、それぞれ講義の受講と施設の見学をさせて頂きました。
 大学到着後、まず素粒子論研究室の坂本眞人先生からご講義を頂きました。前半は、「光速度不変の原理」から導かれる相対論の不思議な世界を学びました。光速の0.999999999999999999倍の速さで進む宇宙船だと230万光年離れたアンドロメダ銀河と地球間をわずか3泊4日で往復可能であることを例に、「時間」や「距離」は絶対的なものではなく、相対的なものであるという事実を知ることができ、生徒達は大変驚くと共に相対論に大いに魅せられた様子でした。併せて「ブラックホール」についても学ぶことができ、生徒達の興味・関心は更に深められました。後半は、「自然は単純さを好み、宇宙を知ることは素粒子を知ること、素粒子を知ることは宇宙を知ること」をテーマに、多様に見える物質も根本的にはたった数種類の素粒子で構成されていること、また、自然界を支配する力の種類やその伝わり方も素粒子で説明されること、そして質量もまたヒッグス粒子という素粒子との相互作用で説明されることなどを学びました。 
 講義の後は、粒子物理学研究室の山崎祐司先生と竹内康雄先生から、同研究室で行われている種々の研究テーマについて、ミニ講義と施設見学を通してお話し頂きました。CERNでのATLAS実験によるヒッグス粒子の発見、スーパーカミオカンデによるニュートリノの観測、暗黒物質の発見を目指すXMASS実験やNEWAGE実験に関するお話など、最先端の研究について触れていただき、生徒達も熱心に耳を傾けていました。また、実験室の見学では、様々な機器や工作物が生徒達の目を引き、実験系の研究室の雰囲気を感じ取ることができました。
 今回の研修は、普段なかなか見聞きすることのない難しいお話もありましたが、質問も活発で、大変興味深く有意義なものでした。この経験がサイエンスへの興味・関心の深化に少しでも繋がってくれることを期待したいと思います。

「学外サイエンス学習」で京都府立大学生命環境学部附属農場へ行きました

  • 「学外サイエンス学習」で京都府立大学生命環境学部附属農場へ行きました
  • 「学外サイエンス学習」で京都府立大学生命環境学部附属農場へ行きました

9月27日(木)の午後、高校1年生41名の生徒が、京都府相楽郡精華町の京都府立大学生命環境学部附属農場に出向き、農学生命科学科植物生産科学コース野菜花卉園芸学研究室の寺林敏教授のご講義を拝聴し、その後、農場を見学させていただきました。
 寺林先生には「養液栽培と植物工場」という内容でご講義いただき、はじめに日本の養液栽培の歴史にふれ、養液栽培の先進国であるオランダの農業事情や、省力化や軽作業化において日本の農業でも近年イチゴやトマトの栽培などに利用されていることなどを学びました。また、養液栽培には長所が多い反面、初期投資の負担の大きさや作物の病気が蔓延しやすいことなど、注意をしなければならない点もあるという説明も受けました。植物工場については、これまで農業とは直接関わりの無かった企業が参入していることや、腎臓に疾患をもつ人でも負担が少なく口にできる低カリウムのメロンが社会で歓迎されている話や、レストランなどでも安心して提供できる異物が混入しない作物を作れることなど、従来の農業では対応できなかった需要にも応えることができると学びました。
 ご講義のあと、果樹圃場や温室などを見学させていただきました。果樹圃場では技官の方から栽培技術に関する説明を受け、ナシ狩りをさせていただきました。また、温室では、トマトを栽培している様子を見学させていただき、その後マスカットを枝からもいで実際に試食させていただきました。マスカットの試食の後、「食べるのは一瞬だけど、1つ1つの作物に人の手が加わっており、長い時間の苦労がかけられている。」というお話は、生徒たちにとって心に残ったようです。
 講義や見学だけでなく、味覚も使うというこれまでになかった学外研修となり、農学に興味をもったという生徒もおり、寺林先生に最後まで質問していたのが印象的でした。非常に有意義な学習機会を得ることができました。

神戸大学素粒子論研究室・粒子物理学研究室で 学外サイエンス学習を実施しました

  • 神戸大学素粒子論研究室・粒子物理学研究室で 学外サイエンス学習を実施しました
  • 神戸大学素粒子論研究室・粒子物理学研究室で 学外サイエンス学習を実施しました
  • 神戸大学素粒子論研究室・粒子物理学研究室で 学外サイエンス学習を実施しました
  • 神戸大学素粒子論研究室・粒子物理学研究室で 学外サイエンス学習を実施しました

 6月26日(火)の午後、高校1年生「SS基礎」の「学外サイエンス学習」が行われました。この日は、31名の生徒が神戸大学理学部素粒子論研究室および粒子物理学研究室に出向き、講義の受講と施設の見学をさせていただきました。
 大学到着後、まず素粒子論研究室の坂本眞人先生からご講義をいただきました。
前半は「素粒子と宇宙」という演題で、物質が素粒子からなること、宇宙の組成として「物質」はたった5%で、それ以外に暗黒物質(ダークマター)と暗黒エネルギーで満たされていることなどを紹介していただきました。後半は「相対論の不思議な世界」という演題で、光速度不変の原理から導かれる相対性理論についてのご講義でした。ブラックホールやタイムマシンなど、生徒たちの興味をそそる話題を交えてわかりやすく説明していただきました。ヒッグス粒子などの素粒子や相対論という言葉だけは知っていた生徒も少なからずいたようですが、今回の講義を受講して理解を深めることができ、より深く宇宙のことを学んでみたいと後日語っていた生徒もいました。
 引き続き、粒子物理学研究室の藏重久弥先生より同研究室で研究されているテーマについてご説明いただき、鈴木州先生とともに、クラスを2つのグループに分けて実際の実験室のようすを見せていただきました。暗黒物質の検出を目指すXMASS実験や、スイスにあるCERNでのATLAS実験、スーパーカミオカンデでのニュートリノの研究など、宇宙の根源を研究しようと素粒子を追い求めるさまざまな実験を紹介していただきました。生徒も、実験のスケールの大きさに圧倒されていたようで、実際にスイスや岐阜県の実験装置を見に行きたいという感想もありました。
 生徒は、今回の学外学習で、科学には「理論」と「実証(実験)」の両輪が必要であることを実感できたと思います。学校での座学だけでは味わえない貴重な体験として、これから続く学外研修を通し、さらに科学に対する興味をもって学習に取り組んでもらいたいと思います。

学外サイエンス学習を実施(神戸大学素粒子論研究室・粒子物理学研究室)

  • 学外サイエンス学習を実施(神戸大学素粒子論研究室・粒子物理学研究室)
  • 学外サイエンス学習を実施(神戸大学素粒子論研究室・粒子物理学研究室)
  • 学外サイエンス学習を実施(神戸大学素粒子論研究室・粒子物理学研究室)

 本年度最初の学外サイエンス学習で神戸大学素粒子論研究室・粒子物理学研究室を訪れました

 6月21日(木)の午後、高校1年生の本年度最初の「学外サイエンス学習」が行われました。この日は、1年生41名が神戸大学理学部素粒子論研究室および粒子物理学研究室に出向き、それぞれ講義の受講と施設の見学をさせて頂きました。

 大学到着後、まず素粒子論研究室の坂本眞人先生からからご講義を頂きました。
講義の前半は、「自然は単純さを好み、宇宙を知ることは素粒子を知ること、素粒子を知ることは宇宙を知ること」をテーマに、多様に見える物質も根本的にはたった数種類の素粒子で構成されていること、また、自然界を支配する力の種類やその伝わり方も素粒子で説明されること、そして質量もまたヒッグス粒子という素粒子との相互作用で説明されることなどを学びました。講義の後半は、光速度不変の原理から導かれる相対論の不思議な世界を概観しました。光速の0.999999999999999999倍の速さで進む宇宙船だと230万光年離れたアンドロメダ銀河と地球間をわずか3泊4日で往復可能であることを例に、「時間の進み方は観測者の運動状態でそれぞれに異なる」という事実を知ることができ、生徒達は大変驚くとともに相対論に大いに魅せられた様子でした。そして最後には「ブラックホール」についても学びました。
 
 講義の後は、粒子物理学研究室の身内賢太朗先生と前田順平先生から、同研究室で行われている種々の研究テーマについてお話し頂きました。CERNでのATLAS実験によるヒッグス粒子の発見、スーパーカミオカンデによるニュートリノの観測、暗黒物質の発見を目指すXMASS実験やNEWAGE実験に関するお話など、最先端の研究について触れていただき、生徒達も熱心に耳を傾けていました。また、実験室だけでなく大学院生の部屋や先生ご自身の部屋なども見学させて頂くことができ、大学の理系研究室の雰囲気を垣間見ることもできました。
 
 今回の研修は、普段なかなか見聞きすることのない難しいお話もありましたが、大変興味深く有意義なものでした。この経験がサイエンスへの興味・関心の深化に少しでも繋がってくれることを期待したいと思います。

学外サイエンス学習 橿原市昆虫館実習の実施

  • 学外サイエンス学習 橿原市昆虫館実習の実施
  • 学外サイエンス学習 橿原市昆虫館実習の実施
  • 学外サイエンス学習 橿原市昆虫館実習の実施

 2月13日(火)の午後、高校1年生33名が橿原市昆虫館でのSS基礎「学外サイエンス学習」を行いました。
 はじめに、中谷康弘先生から昆虫館の説明をしていただきながら、昆虫館を見学しました。次いで、沖縄県以南にしか分布しないタテハチョウ科のオオゴマダラの幼虫のエサ替え飼育実習を体験させていただきました。
 チョウの幼虫に触れるのは初めてという生徒が多かったのですが、中谷先生のご指導がすすみ、幼虫に親しみをもつようになると、ほとんどの生徒が幼虫に触ることができるようになり、食草のホウライカガミという植物の交換を無事に終えることができました。
 飼育実習の後、昆虫館のバックヤードと生態展示室の見学をさせていただきました。昆虫の世話に関する説明をいただきながら、一般の人が立ち入ることのできない場所に入り、昆虫飼育の様子を見て回り、たくさんの幼虫にも触らせていただきました。昆虫が出すフェロモンを嗅いだり、虫の鳴き声を聞いたり、実際に飛び回るチョウに触れてみたり、五感で昆虫や植物を感じることができた時間でした。昆虫に対して戸惑いを見せていた生徒達も、さまざまな昆虫の種類や生態に興味を示すようになり、大変有意義な学習をさせていただきました。

 質問タイムでは、展示に関して活発に質問が出て盛り上がり、生きている昆虫を展示する目的は何かという質問に対し、中谷先生から、「子どもたちは生きているものに触れたがる。幼い子どもからおじいさんおばあさんまで喜んでいただける生きた生物の展示がしたかった」というお言葉を伺い、プロフェッショナル精神の神髄に触れた気がしました。

京都大学桂キャンパスで 学外サイエンス学習を実施

  • 京都大学桂キャンパスで 学外サイエンス学習を実施
  • 京都大学桂キャンパスで 学外サイエンス学習を実施
  • 京都大学桂キャンパスで 学外サイエンス学習を実施

 京都大学桂キャンパスで 学外サイエンス学習を実施しました。
 2月1日(木)の午後、高校1年生39名の生徒が京都大学の桂キャンパスに出向き、工学研究科都市社会工学専攻地殻環境工学講座の後藤忠徳先生によるご講義をCクラスタで拝聴し、その後、Bクラスタの無響室と船井記念講堂を見学させていただきました。現地ではキャンパスの広大さと建物の大きさに圧倒されながら講義室に入り、後藤忠徳先生より、工学部地球工学科についてご説明いただきました。桂キャンパスと他のキャンパスのロケーションのお話から始まり、どのような研究部門があるかに加え、学生数に比して教員の数が圧倒的に多く、きめ細やかな研究指導が可能になっていることなどをご説明下さいました。
 後藤先生のお話の後、Bクラスタへ移動し、無響室と船井記念講堂を見学させて頂きました。まず、無響室は何のためにあるのかを質問されて、生徒たちは大いに戸惑いましたが、先生の解説には興味津々の様子でした。また、船井記念講堂では、京都大学でノーベル賞と数学のフィールズ賞を受賞された方々の業績と論文が展示されてあり、その展示に見入りました。
 最後に、再び後藤先生からまとめのお話を頂きました。電気探査の仕組みわかりやすく説明して下さった他、「見えないものを見ることの重要性と意義」、「学習と研究の違い」、「研究には普段学校で学んでいるどの科目もきっと役に立つこと」、「今の勉強にベストを尽くすことの大切さ」など、生徒たちに熱く語りかけて下さいました。生徒たちも、休憩や移動の合間に後藤先生に活発に質問をし、疑問点を解決していました。高校ではなかなかできない体験を、学部を飛び越えて研究科で経験させていただき、進路を考える上でも非常に役に立つ、有意義な研修となりました。

天理大学附属天理参考館で文化財の科学分析に関する学外サイエンス学習を行いました。

  • 天理大学附属天理参考館で文化財の科学分析に関する学外サイエンス学習を行いました。
  • 天理大学附属天理参考館で文化財の科学分析に関する学外サイエンス学習を行いました。
  • 天理大学附属天理参考館で文化財の科学分析に関する学外サイエンス学習を行いました。
  • 天理大学附属天理参考館で文化財の科学分析に関する学外サイエンス学習を行いました。

 2月1日(木)の午後、高校1年生42名が天理大学附属天理参考館へ伺い、学芸員の青木智史先生にお世話になって、考古資料の見学と、文化財の保存科学に関する講義の受講および実習をさせていただきました。
 最初に、日本、朝鮮半島、中国、オリエントにまたがる参考館所蔵の考古資料、及びアジアを中心とした民俗資料を見学しました。青木先生の解説をいただき、資料の成分分析から制作地域の推定や資料の復元が可能になることなどのお話を伺いました。 その後、講義室に場所を移し、青木先生による文化財科学についてのご講義を拝聴しました。文化財研究における自然科学的分析手法の有用性についてご講義をいただき、X線照射により放出される蛍光X線の分析に基づいて成分材料分析を行う「蛍光X線分析法」や、赤外線の反射と吸収を利用して肉眼で見えない画像や文様を観察する「赤外線画像法」などについて、文化財保存における非破壊検査の仕組みと意義について解説をいただきました。
 講義に続いて、携帯型蛍光X線分析器を用いた成分分析と、赤外線カメラなどを使った実習を体験させていただきました。機器の操作を間近で見せていただき、また自らも操作させていただくことで、文化財の科学分析に直接触れることのできる実習でした。出土遺物や鉱石類など、様々な資料も手に取らせていただき、生徒達には貴重な体験となりました。
 自然科学が文化財研究に大きな役割を果たしているというお話は、生徒たちにとって新鮮な驚きだったように思われます。実際に研究に使用される機器を用いた実習によって、生徒たちの文化財科学に対する関心が高まったご講義・実習でした。

学外サイエンス学習を実施(奈良県立橿原考古学研究所)

  • 学外サイエンス学習を実施(奈良県立橿原考古学研究所)
  • 学外サイエンス学習を実施(奈良県立橿原考古学研究所)
  • 学外サイエンス学習を実施(奈良県立橿原考古学研究所)
  • 学外サイエンス学習を実施(奈良県立橿原考古学研究所)

 1月23日(火)と1月25日(木)の2日で、高校1年生2クラスが奈良県立橿原考古学研究所に学外サイエンス学習に出かけました。
 まずはじめに、鈴木先生から橿原考古学研究所の役割と考古学について説明があり、その後河崎先生から「考古学を科学する」というテーマでご講義をいただきました。考古学、文化財とは何かというところから始まり、文化財を探る・文化財保存というところへ深めていただきました。文化財に使われている繊維や顔料についての歴史や種類の紹介、文化財を保存していくためにはどのような材料でできているかを知る必要があり、そのための科学的な分析方法の紹介がありました。また、木製品と金属の保存方法の注意点についても説明がありました。
 後半は、研究施設と博物館の見学でした。職員の方々の遺物の整理をしている姿、保存処理をするための施設、保管するための倉庫やそこでの管理など、実際の現場を間近で見せていただきました。また、博物館では、「保存処理をされた遺物」という、これまでとは違った目で展示品を見ることができました。今回の講座で、文化的なことと科学的ことにはつながりがあるということを、しっかりと理解することができたようです

神戸大学理学部で学外サイエンス学習を行いました。

  • 神戸大学理学部で学外サイエンス学習を行いました。

 11月28日(火)の午後、高校1年生36名が神戸大学理学部で「SS基礎」学外サイエンス学習を行いました。
 理学部の紹介に続いて、数学専攻のラスマン・ウェイン教授から「音楽の数理」と題した模擬講義をしていただきました。楽器は基本音の他に「倍音」と呼ばれる音を出すことによって特有の音色を奏でますが、楽器以外にもこの「倍音」の仕組みで説明できる色々な現象があります。講義の中では、次のような具体例をとりあげて詳しく解説していただき、生徒達は興味を持って音楽と数学のつながりを学習することができました。
 (1) 弦の振動は基本振動しか見えないが,実は2倍振動や3倍振動が含まれている。
 (2) クラリネットとフルートでは長さがほぼ同じだが,クラリネットが閉管であるのに対し,フルートは開管であるため,基本音の振動数はフルートの方が高い。
 (3) トランペットはバルブ操作で管の長さを変えて様々な音階を出せる仕組みを持っているが,一本の管だけからなるビューグル(bugle軍用ラッパ)でも倍音のみの限られた音階であるが演奏することができる。
 (4) スマートフォンなどの小さなスピーカーでは男性の低い声は再生されていないはずであるが,低い声に対応する倍音のパターンから,脳が男性の低い声を認識することによって,男女の聞き分けができている。
 (5) パイプオルガンが奏でる超低音を実現するにはとても長いパイプが必要になるが,(4)とおなじ原理で超低音に対する倍音を2つ鳴らすことにより,超低音を認識させている。

大阪教育大学で「SS基礎」学外サイエンス学習を行いました。

  • 大阪教育大学で「SS基礎」学外サイエンス学習を行いました。
  • 大阪教育大学で「SS基礎」学外サイエンス学習を行いました。
  • 大阪教育大学で「SS基礎」学外サイエンス学習を行いました。
  • 大阪教育大学で「SS基礎」学外サイエンス学習を行いました。

 11月14日(火)の午後、高校1年生78名が大阪教育大学柏原キャンパスへ出向き、物理・モダン物性研究室で科学館活動を行っておられる学生スタッフの皆さんに案内していただき、いろいろな実験を見学・体験しました。
 はじめに、清水崚太さんから科学館活動を行う意義や活動内容などを説明していただきました。身近に科学館を体験してもらおうというコンセプトで、大学内に科学館を再現したり、小・中・高校へ出張して様々な実験を行う「出張科学館」といった活動をされておられるとのことでした。見学では、一班20名程で4班に分かれて4つのブースをローテーションしながら体験させていただきました。各ブースの内容は次のとおりです。
 ①力学ブース クントの実験や固有振動の実験および力のモーメント
 ②磁石ブース 渦電流を利用した金銭仕分け箱や金属の違いによる効果の違い
 ③光ブース  LEDを使った光通信や光発電
 ④電気ブース 放電実験やファラデーケージの体験
 高1生ではまだ習っていない物理現象もありましたが、すべて手作りの実験装置でしかも体験もさせてもらうことができ、生徒達は終始楽しそうに過ごしていました。最後に粉塵爆発の演示実験を見せてもらい歓声を上げていました。今回の研修は、身近ではあるが、なかなか体験できない諸現象を楽しく学ぶことのできる大変有意義なものでした。高2で取り組む課題研究のヒントもたくさん見つけることが出来たのではないでしょうか。

京都大学桂キャンパスで 学外サイエンス学習を実施しました。

  • 京都大学桂キャンパスで 学外サイエンス学習を実施しました。
  • 京都大学桂キャンパスで 学外サイエンス学習を実施しました。
  • 京都大学桂キャンパスで 学外サイエンス学習を実施しました。
  • 京都大学桂キャンパスで 学外サイエンス学習を実施しました。

 10月26日(木)の午後、高校1年生37名の生徒が京都大学の桂キャンパスに出向き、工学研究科都市社会工学専攻地殻環境工学講座の後藤忠徳先生によるご講義を拝聴し、その後、実験室や研究のようすを見学させていただきました。
 後藤先生は本校の卒業生ということもあり、気さくにいろいろなお話をしてくださいました。京都大学の桂キャンパスは大学院の研究室のみが設置されているため、大学院とはどういうところか、高校でしている「学習」と大学や大学院でしている「研究」は何が異なるのかを尋ねられました。「研究」とは教科書に載っていないこと、教科書に新しく載ることを追究することだ、という解答例が示され、生徒たちも刺激を受けていたようです。その後、工学部地球工学科の紹介、実際に研究されている内容の紹介と実演、なぜこの道に進んだのかというお話をしてくださいました。
 後藤先生の研究テーマは「電気探査」で、実際には確かめることができない地面の下がどのようになっているのかを電磁波を使って調べることだそうです。そのきっかけになったのは、高校時代に理科を教えてもらっていた先生に質問をしたとき、専門家である大学の先生に手紙を送って聞いてみたらどうかと提案されたことだそうで、その質問に丁寧に答えてくれた大学の先生のもとで研究がしたいと、理学部の地学系への進学を決められたそうです。今は電子メールなどでも質問ができるので、積極的に行動してみてはどうか、とおっしゃられていました。
 その後は2班に分かれ、後藤先生による電気探査の実習と、地球資源学講座の見学をさせていただきました。電気探査では、実際にキャンパス内に電極を設置して、地下の比抵抗の分布を調べました。代表生徒は機器の設定も任され、実験装置を扱う体験もさせてもらいました。5分ほどですぐに結果を画像で見ることができ、後でそのデータを見ながら考察もしていただきました。
 地球資源学講座の見学では、研究室の先生や大学院生の方から研究内容と高価な実験装置について説明を受けました。走査型電子顕微鏡で岩石に含まれる元素を分析したり、X線を照射することで岩石にどのような鉱物が含まれているかを調べたり、地下水の成分を調べることで何が分かるのかなど、「研究」というものがどういうものか、その一端を垣間見ることができたのではないかと思います。生徒たちも、休憩や移動の合間に後藤先生や研究室の方々に活発に質問をし、疑問点を解決していました。高校ではなかなかできない体験を一足早く経験させていただき、進路を考える上でも非常に役に立つ、有意義な研修となりました。

SS基礎「学外サイエンス学習」で京都府立大学生命環境学部附属農場へ行きました

  • SS基礎「学外サイエンス学習」で京都府立大学生命環境学部附属農場へ行きました
  • SS基礎「学外サイエンス学習」で京都府立大学生命環境学部附属農場へ行きました
  • SS基礎「学外サイエンス学習」で京都府立大学生命環境学部附属農場へ行きました
  • SS基礎「学外サイエンス学習」で京都府立大学生命環境学部附属農場へ行きました

 11月9日(木)の午後、高校1年生35名の生徒が、京都府相楽郡精華町の京都府立大学生命環境学部附属農場に出向き、農学生命科学科植物生産科学コース野菜花卉園芸学研究室の寺林敏教授のご講義を拝聴し、その後、農場を見学させていただきました。
 寺林先生には「養液栽培と植物工場」という内容でご講義いただき、養液栽培の先進国であるオランダの農業事情や、省力化や軽作業化において日本の農業でもイチゴやトマトの栽培などに利用されていることなどを学びました。また、長所が多い反面、初期投資の負担の大きさや作物の病気が蔓延しやすいことなど、注意をしなければならない点もあるという説明も受けました。また、植物工場については、これまで農業とは直接関わりの無かった企業が参入していることや、腎臓に疾患をもつ人でも負担が少なく口にできる低カリウムの作物や、レストランなどでも安心して提供できる異物が混入しない作物を作れることなど、従来の農業では対応できなかった需要にも応えることができると学びました。
 ご講義のあと、果樹圃場や温室などを見学させていただきました。果樹圃場では技官の方から栽培技術に関する説明を受け、リンゴやブドウを枝からもいで実際に試食させていただきました。温室では、講義の中でも触れられたロックウール温室にも入らせていただき、どのような施設で作物が育てられているのかを間近に見学することができました。講義や見学だけでなく、味覚も使うというこれまでになかった学外研修となり、農学に興味をもったという生徒の声も出ました。非常に有意義な機会を得ることができました。

SS基礎「学外サイエンス学習」で神戸大学理学部 素粒子論研究室と粒子物理学研究室に行きました

  • SS基礎「学外サイエンス学習」で神戸大学理学部 素粒子論研究室と粒子物理学研究室に行きました
  • SS基礎「学外サイエンス学習」で神戸大学理学部 素粒子論研究室と粒子物理学研究室に行きました
  • SS基礎「学外サイエンス学習」で神戸大学理学部 素粒子論研究室と粒子物理学研究室に行きました
  • SS基礎「学外サイエンス学習」で神戸大学理学部 素粒子論研究室と粒子物理学研究室に行きました

 10月10日(火)の午後、高校1年生42名がSS基礎学外サイエンス学習のために神戸大学理学部素粒子論研究室および粒子物理学研究室に出向き、それぞれ講義の受講と研究室の見学をさせて頂きました。

 大学到着後、まず素粒子論研究室の坂本眞人先生からご講義を頂きました。
 講義の前半では、「相対論の不思議な世界」と題し、「光速は最高速度であること」「動くものほど時間の進みは遅い」「未来に行くことはできる」「ブラックホールの中は見ることができない」「宇宙の果てを見ることは可能」といった日常の感覚からは信じがたい不思議な事柄が、すべて「光速度不変の原理」から導かれることなどを学びました。特に、光速の0.999999999999999999倍の速さで進む宇宙船だと230万光年離れたアンドロメダ銀河と地球間をわずか3泊4日で往復可能であることを例に、「時間の進み方は観測者の運動状態でそれぞれに異なり、全ての人に共通な時間は存在しない」という事実に、生徒たちは大変驚くと共に相対論に大いに魅せられた様子でした。また、「ブラックホールの物理」では、「ひとたび事象の地平線を越えたなら光すら脱出できないこと」「ブラックホールに向かう宇宙船があるとしたら、乗組員の経験する時間の進み方と、地球から宇宙船を見守る観測者の経験する時間の進み方が異なる」といったお話に、生徒たちは大いに魅せられた様子でした。生徒の質問も活発で、休憩時に何人かの生徒が坂本先生の所へ詰め寄って質問し、先生は黒板を用いてご説明下さるなど、生徒達の関心の高さを物語っていました。
 講義の後半は、今年のノーベル物理学賞にちなんで「重力波」についてわかりやすくご説明頂きました。一般相対論の核とも言える「物質の近くで時空は曲がり、それがすなわち重力であること」などを学び、生徒達は重力に対して高校物理を超えた新たな見方を得ることができました。そして、重力波とは何か、重力波の研究の向こうに見えてくる物理は何かなど、心躍る興味深いお話が続きました。

 講義に引き続き、粒子物理学研究室の竹内康雄先生と前田順平先生から、粒子物理学研究室を案内して頂きました。そこでは、「存在は確実視されているが未だ正体不明の暗黒物質」についてのお話を中心に、それを観測する手法の研究や測定器の開発や製作に関するお話をして頂きました。また、スーパーカミオカンデで活躍する光電子増倍管の実物展示を目の当たりに、その大きさと性能のすごさに驚かされました。生徒達は初めて見る実験装置やさまざまな器具が所狭しと置かれている研究室で先生方のお話を聞くことができ、大学の研究室の雰囲気を存分に体感することができました。今日の研修をきっかけに、生徒自らが探究心を深めてくれることを期待したいと思います。

SS基礎「学外サイエンス学習」で大阪府立環境農林水産総合研究所 水産技術センターへ行きました

  • SS基礎「学外サイエンス学習」で大阪府立環境農林水産総合研究所 水産技術センターへ行きました
  • SS基礎「学外サイエンス学習」で大阪府立環境農林水産総合研究所 水産技術センターへ行きました

 9月26日(火)、大阪府岬町の海岸沿いにある水産技術センターで、高校1年生35名が参加して、学外学習を行いました。
 今回は、センター研究員の佐野雅基先生に「水産技術センターの役割―環境・漁業・生物多様性―」というテーマでご講義をいただきました。
 まず、センターで取り組まれている、大阪湾の環境保全・改善や、水産資源の管理などについてのお話がありました。続いて、海水の分析方法や、温暖化による海水温上昇の影響について説明を受けました。また、魚を識別する際にタグを使用する方法と耳石を染色する方法とのメリットとデメリットについて、興味深いお話をいただきました。
 講義の後は、栽培センターの施設見学です。まだ小さいマコガレイやオニオコゼの飼育水槽など、現場での有用魚類の初期養殖(栽培)の様子を見せていただき、とても楽しい充実したひと時を過ごすことができました。

神戸大学素粒子論研究室・粒子物理学研究室で 学外サイエンス学習を実施しました

  • 神戸大学素粒子論研究室・粒子物理学研究室で 学外サイエンス学習を実施しました
  • 神戸大学素粒子論研究室・粒子物理学研究室で 学外サイエンス学習を実施しました
  • 神戸大学素粒子論研究室・粒子物理学研究室で 学外サイエンス学習を実施しました
  • 神戸大学素粒子論研究室・粒子物理学研究室で 学外サイエンス学習を実施しました

9月21日(木)の午後、高校1年生対象の学校設定科目「SS基礎」における「学外サイエンス学習」が行われました。この日は、38名の生徒が神戸大学理学部素粒子論研究室および粒子物理学研究室に出向き、それぞれご講義の拝聴と施設の見学をさせて頂きました。
 大学到着後、まず素粒子論研究室の坂本眞人先生からご講義を頂きました。
 前半は「相対論の不思議な世界」という演題で、光速度不変の原理から導かれる相対性理論についてのご講義でした。ブラックホールやタイムマシンなど、生徒たちの興味をそそる話題を交えてわかりやすく説明していただき、生徒たちは物理学の世界に魅了されていきました。後半は「素粒子と宇宙」という演題で、物質が素粒子からなること、宇宙の組成として「物質」はたった5%で、それ以外は暗黒物質(ダークマター)と暗黒エネルギーで満たされていることなどを紹介していただきました。質疑応答の時間にも生徒たちは非常に活発に質問をしており、中には休憩時間にも坂本先生に質問をしに行く生徒の姿も見られました。
 ご講義の後は、クラスを2つに分割し、粒子物理学研究室の藏重久弥先生と越智敦彦先生に、同研究室で研究されているテーマについてご説明いただき、実際の実験室のようすを見せていただきました。暗黒物質の検出を目指すXMASS実験やスイスにあるCERNでのATLAS実験、スーパーカミオカンデでのニュートリノの研究など、宇宙の根源を研究しようと素粒子を追い求めるさまざまな実験を紹介していただきました。また実際に実験を行っている研究生の方も質問に気さくに答えていただき、生徒達は大学での研究というものを垣間見ることができたのではないでしょうか。
 生徒は、今回の学外学習で、科学には「理論」と「実践」の両輪が必要であることを実感できたと思います。学校での座学だけでは味わえない貴重な体験として、今後さらに科学に対する興味をもって学習に取り組んでもらいたいと思います。

近畿大学原子力研究所へ学外サイエンス学習に行きました!

  • 近畿大学原子力研究所へ学外サイエンス学習に行きました!
  • 近畿大学原子力研究所へ学外サイエンス学習に行きました!

去る2月16日(木)に高校1年生38名が近畿大学原子力研究所へ学外サイエンス学習に行きました。

原子力研究所では、生徒達は2班に分かれて、「放射線の基礎知識に関わる学習と実習」と「原子炉の実際の見学」の2つのプログラムを2班とも体験させていただきました。
まず、研究所の若林源一郎先生による講義では、放射線の基礎知識や2種類の線量計の使い方などについて学びました。そして実際に、クリスタルガラス・御影石・乾燥コンブ・湯の花・肥料といった身近な試料のβ線計数率の測定と講義室内でのγ線線量率(空間線量率)の測定を行いました。生徒達は、身近な物や自分の体からも放射線が出ていること、普段の生活環境内でも自然放射線にさらされていることなど、計測実習を通して実感することができました。
     
この計測実習の後は、原子力に関する研究・教育を目的とする近畿大学原子炉「UTR-KINKI」を見学させていただきました。厳しいセキュリティチェックを経て、生徒達は緊張した面持ちで原子炉が設置されている建屋へと入りました。そこでは研究所の堀口哲男先生が、核分裂反応のしくみ、UTR-KINKIの構造、燃料棒のしくみ、制御棒のしくみなど、パネルや模型を用いてわかりやすく説明して下さいました。また、実際に原子炉の上にまで上がらせていただくという貴重な体験もさせていただきました。全国の大学が共同研究利用でこの近大の原子炉で生物への放射線の影響を調べたり、また企業も、開発した線量計の特性を調べるために利用したり、貴重な研究拠点になっていることも知りました。生徒達は、初めて目にする原子炉に驚きながら、堀口先生のお話に熱心に耳を傾けていました。
今回の研修で、生徒達は放射線や原子力に関する知識や理解を深めるとともに、原子炉を実際に見るという貴重で有意義な体験をすることができました。

学外サイエンス学習『斑鳩フィールドワーク』を実施

  • 学外サイエンス学習『斑鳩フィールドワーク』を実施
  • 学外サイエンス学習『斑鳩フィールドワーク』を実施
  • 学外サイエンス学習『斑鳩フィールドワーク』を実施

11月22日(火)に昨年度と同様、京都大学の吉川教授にお来しいただき、「古代斑鳩の土地計画を体感する」をテーマに生徒14名がフィールドワークを行いました。

本校は矢田丘陵に位置し、斑鳩にも近く、歴史的にも非常に恵まれた場所に位置しています。今回もその地の利を活かして、実際に現地を訪れて歴史を科学的に分析することの重要性を理解することを主眼としました。ルートは以下の通りです。1法隆寺 2斑鳩宮跡 3仏塚古墳(横穴式石室の見学) 4法輪寺 5三井の井戸見学  6法起寺 7法起寺周辺条里

まずは吉川教授に10分ほど事前講義をしていただいた後、出発しました。聖徳太子の時期の土地区画と、それ以後の土地区画の違いは、残っている道の角度によるという話をしていただき、生徒の中でのイメージが明確になったと思います。法隆寺周辺はかつて聖徳太子一族が住んだ地域です。この地域では、北で20度西に振れる道、北で8度西に振れる遺跡が混在することが分かっています。北で20度西に振れる遺跡は、飛鳥と斑鳩を直線でつなぐ道と同じ角度です。さらに、発掘の結果、聖徳太子の時代の、やはり北に20度ふれる建物跡が見つかっています。これらを勘案すると、飛鳥から斑鳩を含む壮大な土地計画のもと、聖徳太子一族が斑鳩の拠点作りを行ったことが想定されます。
そして、聖徳太子の死後、聖徳太子の一族が滅亡してしまった後につくられた道は北で8度西に振れることも分かっています。現在私たちが見ることのできる法隆寺は、その北に8度西に振れる角度で建立されています。これは斑鳩の土地のあり方に沿ったためと言われていますが、文献だけでは理解することができないことを、以上のような歴史的な背景をふまえて、現地に赴いて実際に歩き、目にすることで体感することができました。20度西に振れた道、8度西に振れた道はそれぞれ今でも残っています。古代から使われている道を歩くことで、より身近に歴史を感じられたのではないでしょうか。

また、その後訪れた仏塚古墳の石室では、古代石室の築造技術を肌で感じることができました。この古墳は聖徳太子以前に斑鳩にいた有力豪族の墓と考えられています。次の法輪寺では仏像を見学しました。法隆寺にある仏像と形式的に似た同時代のものを見て、その関係性を理解し、さらに授業で学習したばかりの平安時代の仏像の彫刻様式にも話題は広がりました。また、寺の伽藍配置の話にも触れられました。これらは日本史の授業でも扱います。授業で習ったこととリンクすることで、普段の日本史の授業の理解にも役だったと思います。さらに三井の井戸で古代井戸のレンガを見て、古代技術の高さを知りました。その後法起寺に行き、法起寺式の伽藍配置を見学し、古代瓦の講義もしていただき、生徒たちはたいへん興味を持ったようです。最後に法起寺周辺の条里制のあとを歩きました。1町=109mで画される古代の条里が非常に美しく残っていて、しかもきれいに南北に沿った形をしています。古代においてはその条里1区画あたり5人分の土地が支給されたことを、座学ではなく、実際に歩いて実感することができました。

 今年はやや汗ばむほどの陽気で天候も良く、非常に有意義なフィールドワークとなりました。

第2回 橿原市昆虫館でのSS基礎学外サイエンス学習を実施

  • 第2回 橿原市昆虫館でのSS基礎学外サイエンス学習を実施
  • 第2回 橿原市昆虫館でのSS基礎学外サイエンス学習を実施
  • 第2回 橿原市昆虫館でのSS基礎学外サイエンス学習を実施
  • 第2回 橿原市昆虫館でのSS基礎学外サイエンス学習を実施

 11月22日(火)の午後、高校1年生27名が第2回目の橿原市昆虫館でのSS基礎学外サイエンス学習を行いました。
 はじめは、副館長の中谷康弘先生から昆虫館の説明をしていただき、次いで、沖縄県以南にしか分布しないタテハチョウ科のオオゴマダラの幼虫のエサ替え飼育実習を体験させていただきました。
 前回と同じく、チョウの幼虫に触れるのは初めてという生徒が多かったのですが、中谷先生のご指導がすすみ、幼虫に親しみをもつようになると、ほとんどの生徒が幼虫に触ることができるようになり、食草のホウライカガミという植物の交換を無事に終えることができました。また、金色に輝くさなぎも見せていただき、なぜ自然界でこんな色で存在できるのか、わかりやすく解説をいただきました。
 飼育実習の後、昆虫館のバックヤードと生態展示室の見学をさせていただきました。昆虫の世話に関する説明をいただきながら、一般の人が立ち入ることのできない場所に入り、昆虫飼育の様子を見て回り、たくさんの幼虫にも触らせていただきました。昆虫が出すフェロモンを嗅いだり、虫の鳴き声を聞いたり、実際に飛び回るチョウに触れてみたり、アトラスオオカブトと記念写真を撮ったりと、五感で昆虫や植物を感じることができた時間でした。昆虫に対して戸惑いを見せていた生徒達も、さまざまな昆虫の種類や生態に興味を示すようになり、大変有意義な学習をさせていただきました。

 質問タイムでは、展示に関して活発に質問が出て盛り上がり、最後に「苦労することは分かっているのに、なぜチョウの生態展示に踏み切ったのか」という質問に対して、中谷先生から、「一部のマニアだけが喜ぶ標本展示ではなく、幼い子どもからおじいちゃんおばあちゃんにまで喜んでいただける生きた生物の展示がしたかった」というお言葉を伺い、プロフェッショナル精神の神髄に触れた気がしました。

天理大学附属天理参考館で文化財の科学分析に関する学外サイエンス研修を行いました。

  • 天理大学附属天理参考館で文化財の科学分析に関する学外サイエンス研修を行いました。
  • 天理大学附属天理参考館で文化財の科学分析に関する学外サイエンス研修を行いました。
  • 天理大学附属天理参考館で文化財の科学分析に関する学外サイエンス研修を行いました。

 11月10日(木)の午後、高校1年生38名が天理大学附属天理参考館へ伺い、考古資料の見学と、文化財の保存科学に関する講義の受講および実習をさせていただきました。
 まずは、学芸員の青木智史先生の解説のもと、日本、朝鮮半島、中国、オリエントにわたる参考館所蔵の考古資料を見学させていただきました。資料の成分分析から制作地域の推定が可能になることなどをお話いただきました。
 その後、講義室に場所を移し、青木先生による文化財科学についてのご講義を拝聴しました。蛍光X線分析法や赤外線カメラでの観察など、文化財保存における非破壊検査の仕組みとその意義などについてお話を伺いました。
 講義に続いて、文化財科学の実践例として、携帯型蛍光X線分析器を用いた成分分析と、赤外線カメラを使った実習を行わせていただきました。自らの手で機器を操作するなどで、文化財の科学分析に直接触れることのできる実習でした。また、出土遺物や鉱石類など、様々な資料も手に取り、生徒達には貴重な体験となりました。
 自然科学が文化財研究において重要な役割を果たしていることは、生徒たちにとって新鮮な驚きだったように思われます。実際に研究に使用される機器を用いた実習によって、生徒たちの文化財科学に対する関心が高まった研修でした。

大阪教育大学でSS基礎学外サイエンス学習を行いました。

  • 大阪教育大学でSS基礎学外サイエンス学習を行いました。
  • 大阪教育大学でSS基礎学外サイエンス学習を行いました。
  • 大阪教育大学でSS基礎学外サイエンス学習を行いました。
  • 大阪教育大学でSS基礎学外サイエンス学習を行いました。

 11月15日(火)の午後、高校1年生41名が大阪教育大学でSS基礎学外サイエンス学習を行いました。
 今回は、理科教育講座 物理・モダン物性研究室で科学館活動を行っている学生スタッフの方々による、いろいろな実験を見学・体験させていただきました。
 はじめに、清水崚太さんから科学館活動を行う意義や活動内容などを説明していただきました。身近に科学館を体験してもらおうというコンセプトで、大学内に科学館を再現したり、小・中・高校へ出張して様々な実験を行う「出張科学館」といった活動をされています。
 実験では、電磁力、静電遮蔽、力のモーメント、固有振動、ジャイロ効果、偏光板、ガウス加速器・・・などなどまだ高1生では習っていない物理現象もありましたが、すべて手作りの実験装置でしかも体験もさせてもらうことができ、生徒達は普段の授業中では見せないような笑顔で過ごしていました。また、粉塵爆発の演示実験を見せてもらい生徒達はたいへん感動していました。
 最後に本校卒業生の玉本武さんから後輩達に科学だけでなくいろいろな事に興味を持って頑張るよう激励を頂きました。
 今回の研修は、身近ではあるが、なかなか体験できない諸現象を楽しく学ぶことのできる大変有意義なものでした。これでまた、生徒達の科学に対する興味・関心は一層深まったことでしょう。

橿原昆虫館でSS基礎学外サイエンス学習を行いました。

  • 橿原昆虫館でSS基礎学外サイエンス学習を行いました。
  • 橿原昆虫館でSS基礎学外サイエンス学習を行いました。
  • 橿原昆虫館でSS基礎学外サイエンス学習を行いました。
  • 橿原昆虫館でSS基礎学外サイエンス学習を行いました。

 11月15日(火)の午後、高校1年生26名が橿原昆虫館でSS基礎学外サイエンス学習を行いました。
 はじめに、副館長の中谷康弘先生から昆虫館の説明をしていただき、その後オオゴマダラの幼虫の飼育実習を体験させていただきました。チョウの幼虫を触るのは初めてという生徒が多かったのですが、幼虫の手触り、形、色、性別の有無などについて中谷先生にいろいろな質問をして、わかりやすく解説をいただきました。
 飼育の体験後、施設のバックヤードの見学をさせていただきました。昆虫の世話に関する説明をいただきながら、チョウをはじめ、珍しい昆虫などを見て回りました。昆虫が出すフェロモンを嗅いだり、虫の鳴き声を聞いたりと、五感を使って生物に触れる体験に、生徒達は昆虫に対して関心が深まったようです。
 昆虫に対して戸惑いを見せていた生徒もさまざまな昆虫の種類や生態を知ることで興味を示すようになり、大変有意義な学習をさせていただきました。

神戸大学素粒子論研究室・粒子物理学研究室で 学外サイエンス学習を実施しました

  • 神戸大学素粒子論研究室・粒子物理学研究室で 学外サイエンス学習を実施しました
  • 神戸大学素粒子論研究室・粒子物理学研究室で 学外サイエンス学習を実施しました

 11月1日(火)の午後、高校1年生44名の生徒が神戸大学理学部素粒子論研究室および粒子物理学研究室に出向き、それぞれ講義の受講と施設の見学をさせていただきました。
まず素粒子論研究室の坂本先生からご講義をいただきました。
 前半は、光速度不変の原理やブラックホールの物理についての講義がありました。光速に近い速さで進む宇宙船だと230万光年離れたアンドロメダ銀河と地球間をわずか3泊4日で往復可能であることや、事象の地平線より内側に入ったら光ですら外に出られないというお話に、生徒たちも熱心に聞き入っていました。後半は、素粒子についての講義でした。物質と力の根源は素粒子であることや、ヒックス粒子が存在することなどについてお話を伺いました。
 また、矢野先生からは、実際に行われている実験について紹介がありました。ニュートリノに関わる実験や、暗黒物質を調べるためのXMASS実験、NEWAGE実験などに触れていただきました。その後、実際に研究室の見学をさせていただき、そこで実験中であった学生の皆さんからも機器の説明や現在進めている実験の現状などを教えていただきました。生徒たちにとって普段あまり触れることのない内容もありましたが、熱心に聞くことができ有意義な時間を過ごせたようです。

橿原考古学研究所で「保存科学」について研修を実施しました

  • 橿原考古学研究所で「保存科学」について研修を実施しました
  • 橿原考古学研究所で「保存科学」について研修を実施しました
  • 橿原考古学研究所で「保存科学」について研修を実施しました
  • 橿原考古学研究所で「保存科学」について研修を実施しました

 11月1日(火)の午後、高校1年生28名が奈良県立橿原考古学研究所に伺い、「保存科学」に関する講義の聴講と研究所及び附属博物館の見学をさせていただきました。
 この学外学習は、「学外サイエンス学習Ⅱ」と呼んでおり、文化財や史跡を科学的な視点から探究するという、奈良の地域性を生かしたカリキュラムで、郷土に対する科学的理解を深めることを目的としています。
 はじめに主任研究員の奥山誠義先生から「考古学を科学する」というテーマでご講義をいただきました。考古学、文化財とは何かというお話に始まり、埋蔵遺物をはじめとする文化財の調査・保存・修復において自然科学的な手法が欠かせないことを、出土繊維製品と壁画の顔料の分析作業についての解説を通してお示しいただきました。このご講義で、人文科学系に属する印象の強い考古学において、自然科学の成果が大きな役割を果たしていることを知ることができました。
 続いて、企画係長の水野敏典先生をはじめ、研究所の先生方のお世話で、研究所内の施設を案内していただきました。出土遺物の整理・修復を行う作業、遺物の計測・分析機器や保存処理を施す施設、また、遺物の収蔵庫や発掘に関わる様々なデータの保存の様子などを見学しました。そして、最後に、附属博物館で保存科学の成果である出土遺物の展示品を見せていただきました。
 保存科学の現場である研究所のバックヤードや、その成果である博物館展示を見学させていただくことで、ご講義いただいた内容をより実感の伴う形で理解することができました。

大阪府立環境農林水産総合研究所 水生生物センターへ学外サイエンス学習に行きました。

  • 大阪府立環境農林水産総合研究所 水生生物センターへ学外サイエンス学習に行きました。
  • 大阪府立環境農林水産総合研究所 水生生物センターへ学外サイエンス学習に行きました。
  • 大阪府立環境農林水産総合研究所 水生生物センターへ学外サイエンス学習に行きました。
  • 大阪府立環境農林水産総合研究所 水生生物センターへ学外サイエンス学習に行きました。

10月6日(木)に、高校1年生計41名が大阪府立環境農林水産総合研究所 水生生物センターへ伺いました。
大阪府寝屋川市木屋元町の淀川堤防道路にバスを停車し、天候に恵まれた淀川の景観を眺めながら、太間排水機場まで歩きました。最初に、主幹研究員 上原一彦 先生の「生物多様性の保全とセンターの業務」に関するご講義を拝聴しました。この淀川のワンドに生息するコイ科の天然記念物魚類、イタセンパラの生態について学び、ご講義の終わりにはこの魚を保護するために、先生が設立された市民ネット、イタセンネットの活動紹介がありました。
後半は、同センター研究員の小田優花先生の案内でセンター本館の展示水槽に移動しました。ここでは、数十匹のイタセンパラをはじめ、淀川水系に生息している多くの淡水魚に対面しました。また、婚姻色を発現しているイタセンパラのオスの美しい姿を実際に見ながら、生徒達は産卵行動のビデオを鑑賞し、その不思議な生態に驚いていました。
最後は、屋外へ出て飼育池を案内していただき、植物についてもお話しいただきました。琵琶湖淀川水系の生物多様性保全には多くの研究者や市民が関わっていることを学び、センターを後にしました。

神戸大学素粒子論研究室・粒子物理学研究室で 学外サイエンス学習を実施

  • 神戸大学素粒子論研究室・粒子物理学研究室で 学外サイエンス学習を実施
  • 神戸大学素粒子論研究室・粒子物理学研究室で 学外サイエンス学習を実施
  • 神戸大学素粒子論研究室・粒子物理学研究室で 学外サイエンス学習を実施

神戸大学素粒子論研究室・粒子物理学研究室で 学外サイエンス学習を実施しました

9月27日(火)の午後,高校1年生対象の学校設定科目「SS基礎」における「学外サイエンス学習」が行われました。この日は,同1年生28名の生徒が神戸大学理学部素粒子論研究室および粒子物理学研究室に出向き,それぞれ講義の拝聴と施設の見学をさせて頂きました。

大学到着後,まず素粒子論研究室の坂本眞人先生からからご講義を頂きました。先生のご講義は、高校1年生全員が受講しますが、今回は3クラス目の受講になります。先生には毎回内容を一部変えてご講義いただいており、今回の前半は「自然界における左と右」について学びました。

植物のツルの巻き方から始まり,人体の臓器配置や顔の非対称性,そして光学異性体の左旋光と右旋光といった物理学以外の身近な例を概観した後,素粒子には「粒子」と「反粒子」のペアが存在し,両者が出会うと光になって消滅するが,粒子・反粒子の対称性がわずかに破れていたために私たちの宇宙は「物質」で構成されるに至ったという大変興味深いお話をしていただきました。

後半は「相対論の不思議な世界」について学びました。光の速度は観測者や光源の運動状態によらず常に一定である事実「光速度不変の原理」とそれから導かれる「時間の進み方は観測者の運動状態でそれぞれに異なる」という事実を,最先端技術の一つ「カーナビ」を例にしてわかりやすくご説明下さいました。これらの事実を応用すれば,光速の0.999999999999999999倍の速さで進む宇宙船だと230万光年離れたアンドロメダ銀河と地球間をわずか3泊4日で往復可能であることやローレンツ収縮について学び,生徒達は大変驚いていました。「誰もが同じ時間を共有していない」という相対論に基づいた話に大いに魅せられた様子でした。
講義の後,粒子物理学研究室の藏重先生と山崎先生から,暗黒物質の直接検出を目指すXMASS実験とNEWAGE実験に関する研究の他,CERNでのATLAS実験によるヒッグス粒子の発見,ニュートリノ振動に関わる実験,素粒子実験に必須の測定器開発など,同研究室で研究されているテーマについてご説明頂いた後,実際に実験室を案内して頂きました。様々な道具や機器が置かれている実験室に初めて足を踏み入れた生徒達は,目に映るすべてが新鮮であり,興味津々な面持ちで先生のお話に耳を傾けていました。

今回の研修では,大学での授業や研究の現場を直に体感することができ,サイエンスへの興味関心が一層深まったことを期待したいと思います。

神戸大学理学部で校外サイエンス学習を実施

  • 神戸大学理学部で校外サイエンス学習を実施
  • 神戸大学理学部で校外サイエンス学習を実施
  • 神戸大学理学部で校外サイエンス学習を実施

神戸大学理学部へ学外サイエンス学習に行きました。

9月27日(木)、高校1年生48名が「分子の結合と反応」という演題で、化学科の和田昭英先生のご講義を受講しました。
参加生徒の感想を通して和田先生のご講義を振り返ってみます。

「最初に、理解するということには、暗黙知と形式知があり、暗黙知のようなイメージをつかむことが科学を楽しむうえで大切であるという話をしていただきました。また、科学の精神は原因と結果が普遍的な法則で結びついていると信じる心だと教わりました。その後、水が氷になるときや、逆に氷が水になるときに、熱を放出させたり吸収したりする現象が、ゴムを伸ばしたり縮めたりすることでも起こることを、実際に輪ゴムを下唇に当ててみんなで実験をして確かめました。
全く関係の無いように思える二つの現象ですが、そこには普遍的な法則が潜んでいることがわかり、科学にとても興味をもちました。また、電子の軌道は円軌道だけだと思っていましたが、実際は様々なものがあることや、化学反応が光によって制御できることなど知らなかったことが学べてとても楽しかったです。難しくて理解できない内容もありましたが、学校で習っている化学の延長線上にあることなので、今習っている内容をしっかりと理解しておいて大学に入ってからまた学びたいと思いました。」

大学に入学し、大学生として講義を受けた気分になった後、100年記念館に立ち寄り、みんなで神戸港を遠望しました。ご講義とすばらしい環境にも感動した学外サイエンス学習でした。

神戸大学素粒子論研究室・粒子物理学研究室で 学外サイエンス学習を実施しました

  • 神戸大学素粒子論研究室・粒子物理学研究室で 学外サイエンス学習を実施しました
  • 神戸大学素粒子論研究室・粒子物理学研究室で 学外サイエンス学習を実施しました
  • 神戸大学素粒子論研究室・粒子物理学研究室で 学外サイエンス学習を実施しました

9月15日(木)の午後、高校1年生の「SS基礎」で「学外サイエンス学習」が行われました。

この日は、1クラス42名の生徒が神戸大学理学部素粒子論研究室および粒子物理学研究室に出向き、それぞれ講義の受講と施設の見学をさせて頂きました。

大学到着後、まず素粒子論研究室の坂本眞人先生からご講義を頂きました。前半では、物質を合成する基本的粒子の話と宇宙の組成の話から始まりました。物質は素粒子から成り、力の伝搬についても素粒子で説明できることや、力の大きさが距離の逆2乗則に従う事を学びました。また、大統一理論や万物の理論として有力視されている超弦理論にまで触れて頂きました。

後半では、光速度不変の原理から導かれる相対性理論について講義をしていただきました。光速に近い速さで進む宇宙船だと230万光年離れたアンドロメダ銀河と地球間をわずか3泊4日で往復可能であることを例に、「時間の進み方は観測者の運動状態でそれぞれに異なる」という事実を知ることができ、生徒達は大変驚くとともに相対論に大いに魅せられた様子でした。そして最後に「重力波」について説明して下さいました。生徒達は熱心に耳を傾け、講義の途中であっても先生に積極的に質問し、活発な講義になりました。

講義後は、粒子物理学研究室の竹内先生と鈴木先生から、同研究室で行われている種々の研究テーマについてご紹介頂きました。CERNでのATLAS実験によるヒッグス粒子の発見、スーパーカミオカンデ実験によるニュートリノ振動の検証、暗黒物質の発見を目指すXMASS実験やNEWAGE実験に関するお話など、最先端の研究について触れていただきました。

生徒たちは、「理論(仮説)の構築」と「実験による実証」という、科学検証の表裏をなすご講義と研究室見学を経験することができました。大学の研究環境に触れながら、自分が大学生になったときの姿を想像したり、 専門分野を探究していくことの意味を考えたりと、 いつもと違った刺激を受けた1日でした。

SS基礎学外サイエンス学習を実施(神戸大学素粒子論研究室・粒子物理学研究室)

  • SS基礎学外サイエンス学習を実施(神戸大学素粒子論研究室・粒子物理学研究室)
  • SS基礎学外サイエンス学習を実施(神戸大学素粒子論研究室・粒子物理学研究室)
  • SS基礎学外サイエンス学習を実施(神戸大学素粒子論研究室・粒子物理学研究室)

神戸大学素粒子論研究室・粒子物理学研究室で 学外サイエンス学習を実施しました

6月14日(火)の午後,高校1年生の学校設定科目「SS基礎」で、本年度最初の「学外サイエンス学習」が行われました。
この日は,1年生36名の生徒が神戸大学理学部素粒子論研究室および粒子物理学研究室に出向き,それぞれ講義の受講と施設の見学をさせて頂きました。

大学到着後,まず素粒子論研究室の坂本眞人先生からからご講義を頂きました。
講義の前半では,まず,昨年ノーベル物理学賞を受賞された梶田隆章先生の受賞研究テーマである「ニュートリノ振動」とはどのような現象であり,さらにそのことによって「ニュートリノが質量を持たなければならない理由」について学びました。そして,物質は素粒子から成るが,力の伝搬も素粒子で説明されることから,力の大きさが距離の逆2乗則に従うことを学びました。また,大統一理論や万物の理論として有力視されている超弦理論にまで触れて頂きました。

講義の後半では,光速度不変の原理から導かれる相対論の不思議な世界を概観しました。光速の0.999999999999999999倍の速さで進む宇宙船だと230万光年離れたアンドロメダ銀河と地球間をわずか3泊4日で往復可能であることを例に,「時間の進み方は観測者の運動状態でそれぞれに異なる」という事実を知ることができ,生徒達は大変驚くと共に相対論に大いに魅せられた様子でした。そして最後には最近の話題である「重力波」について,動画を交えながらわかりやすく説明して下さいました。

研修の後半は,粒子物理学研究室の蔵重久弥先生と矢野孝臣先生から,同研究室で行われている種々の研究テーマについてご紹介頂きました。CERNでのATLAS実験によるヒッグス粒子の発見,スーパーカミオカンデ実験によるニュートリノ振動の検証,暗黒物質の発見を目指すXMASS実験やNEWAGE実験に関するお話など,最先端の研究について触れていただき,生徒達も熱心に耳を傾け,質問を投げかけていました。実際に研究室を見学させていただき,初めて見る実験機器や測定機器や道具などを目の当たりにして,生徒達は興味津々の様子でした。

生徒達にとって,今回の研修は難しい内容であったにもかかわらず,素粒子物理学や宇宙といったものに大きな魅力を感じることができ,大変有意義なものとなったようです。

SS基礎学外サイエンス学習を実施(大阪府立環境農林水産総合研究所水産技術センター)

  • SS基礎学外サイエンス学習を実施(大阪府立環境農林水産総合研究所水産技術センター)
  • SS基礎学外サイエンス学習を実施(大阪府立環境農林水産総合研究所水産技術センター)
  • SS基礎学外サイエンス学習を実施(大阪府立環境農林水産総合研究所水産技術センター)

6月14日(火)
本年度も、高校1年生の「SS基礎 学外サイエンス学習」が始まりました。
第1回の学外サイエンス学習を、高校1年生55名が参加して、大阪府岬町の海岸沿いにある大阪府立環境農林水産総合研究所 水産技術センターで実施しました。
4時限目終了後バスで学校を出発し、現地到着後、14:30からセンター研究員の鍋島靖信先生に「水産技術センターの役割―環境・漁業・生物多様性―」というテーマでご講義をいただきました。
現在センターで取り組まれている大阪湾の環境保全や環境改善、水産資源管理などのお話や、赤潮や青潮そして温暖化による海水温上昇の影響について説明を受けました。
また、海岸整備が、実際には魚などの生き物にとって役に立っていない現状、アナゴの漁獲量の減少対策と工夫、魚類の外部形態から分かる食性や習性などの興味深いお話が続きました。
ご講義の後、センターの展示施設と隣接している栽培漁業センターを見学しました。
ここでは、クロダイやヒラメ、そして商品価値の高いキジハタなどの展示水槽を見学し、成長に伴う性転換のお話などを伺いました。続いて、大水槽でのキジハタとヒラメ、トラフグの放流前の初期養殖の様子を見せていただきました。最後に、マナマコ、ヒトデ、マダコ、イセエビなど、海の生き物に実際に触れさせていただき、充実したひと時を過ごしました。

「大学構内の遺跡と文化財の科学分析」講座(奈教大)

  • 「大学構内の遺跡と文化財の科学分析」講座(奈教大)
  • 「大学構内の遺跡と文化財の科学分析」講座(奈教大)
  • 「大学構内の遺跡と文化財の科学分析」講座(奈教大)

2月18日(木)の午後、高校1年生36名が奈良教育大学へ伺い、大学構内の遺跡見学と、文化財科学に関する講義の受講および実習をさせていただきました。

奈良教育大学特任准教授の青木智史先生のお世話になり、はじめに、構内にある吉備塚古墳と、旧陸軍の煉瓦造り建築を見学させていただきました。
大学の敷地が東大寺から春日大社を経た開けた場所にあり、古代から奈良における重要な地域で、新薬師寺の旧境内でもあったことなどについて解説をいただきました。

引き続き教室に移り、青木先生による文化財科学についてのご講義を受講しました。X線撮影などの科学的手法の紹介を交えながら、吉備塚古墳から出土した鏡や太刀について解説をいただきました。また、今回は工事中のため見学できなかった新薬師寺旧境内遺跡についても、東大寺に匹敵した規模を示す礎石や瓦などの出土遺構・遺物についてお話を伺いました。

講義に続いて、文化財科学の実用例として、携帯型蛍光X線分析器を用いた成分分析と、赤外線カメラを使った赤外線画像法の実習を行わせていただきました。
自分たちの手で機器を操作して成分分析や画像撮影をさせていただき、生徒たちは大変興味深げに取り組んでいました。

文化財研究に自然科学が果たす重要な役割は、生徒たちにとって新鮮な驚きだったようです。また、見学した遺跡からの出土品を題材にした講義に加え、実際に研究に使用される機器を使った実習によって、生徒たちは文化財科学の働きを実感していました。

「養液栽培」を研修(京都府大農場)

  • 「養液栽培」を研修(京都府大農場)
  • 「養液栽培」を研修(京都府大農場)

11月26日(木)、生徒40名がSS基礎の学外サイエンス学習で京都府立大学附属精華町農場を訪れ、研修を行いました。

農場長の寺林敏教授にお出迎えいただき、はじめにご講義をいただきました。大学の農学部が生命環境科学部と改組された理由から、現在の研究体制をご紹介いただいた後、いよいよご専門の「養液栽培」についてのお話です。
私たちがよく知っている「水耕栽培」と「養液栽培」との違い、「養液栽培」の現状と、その長所短所をていねいにご説明下さいました。

こうして、「養液栽培」への理解を進めた後は、圃場へ出て、具体的な見学です。果樹園では、技官の方から栽培技術の簡単な説明を受け、ブドウを試食させていただいたり、私たちのために摘果を待っていただいたリンゴを枝から採ってみんなでかじりついたりして、そのおいしさに感動しました。

また、渋柿の渋さは話に聞いていても、ほとんどの生徒は体験した経験がないので、急遽渋柿の試食も準備していただき、何人かの生徒が「渋味」を体験しました。

最後に、養液栽培場へ行き、寺林先生からハウスの構造の違いや実際の栽培の様子をお話しいただきましたが、果物をかじりながらという楽しい雰囲気の中で多くの質問も出て、今までにないユニークで実りの多い学習機会となりました。

「斑鳩フィールドワーク」を実施(京大 吉川教授)

  • 「斑鳩フィールドワーク」を実施(京大 吉川教授)
  • 「斑鳩フィールドワーク」を実施(京大 吉川教授)

11月24日(火)に昨年度同様、京都大学の吉川教授にお来しいただき、「古代斑鳩の土地計画を体感する」をテーマに生徒23名がフィールドワークを行いました。

本校は矢田丘陵に位置し、斑鳩にも近く、歴史的にも非常に恵まれた場所に位置しています。今回もその地の利を存分に活かし、実際に現地を訪れながら歴史を科学的に分析することの重要性を理解することを主眼としました。ルートは以下の通りです。
1 法隆寺  2 斑鳩宮跡  3 仏塚古墳(横穴式石室の見学)    4 法輪寺 
5 三井の井戸見学   6 法起寺  7 法起寺周辺条里

まずは吉川教授に15分ほど事前講義をしていただいた後、バスで学校を出発しました。聖徳太子の時期の土地区画と、それ以後の土地区画の違いが、残っている道の角度で分かるという話をしていただき、生徒の中でのイメージが明確になったと思います。

法隆寺周辺はかつて聖徳太子一族が住んだ地域です。そこで、北で20度西に振れる道、北で8度西に振れる道が混在することが分かっています。

北で20度西に振れる道は、飛鳥と斑鳩をつなぐ道と同じ角度です。さらに、発掘の結果、聖徳太子の時代の、やはり北に20度ふれる建物跡が見つかっています。

これらを勘案すると、飛鳥から斑鳩を含む壮大な土地計画のもと、聖徳太子一族が斑鳩の拠点作りを行ったことが想定されます。そして、聖徳太子の死後、聖徳太子の一族が滅亡してしまった後につくられた道は北で8度西に振れることも分かっています。現在私たちが見ることのできる法隆寺は、その北に8度西に振れる角度で建立されています。

なぜ角度が変わったのか、詳しいことは分かっていませんが、文献だけでは理解することができないことを、以上のような歴史的な背景をふまえて、現地に赴いて実際に歩き、目にすることで体感することができました。20度西に振れた道、8度西に振れた道はそれぞれ今でも残っています。古代から使われている道を歩くことで、より身近に歴史を感じられたのではないでしょうか。

また、その後訪れた仏塚古墳の石室では、古代石室の築造技術を肌で感じることができました。
この古墳は聖徳太子以前に斑鳩にいた有力豪族の墓と考えられています。

次の法輪寺では仏像を拝観しました。法隆寺にある仏像と形式的に似た同時代のものを見て、その関係性を理解し、仏像の彫刻様式にも話題は広がりました。

また、寺の伽藍配置の話にも触れられました。仏像の彫刻様式や伽藍配置などは日本史の授業でも扱います。授業で習ったことと実際をリンクすることができ、普段の日本史の授業の理解にも役だったと思います。

さらに三井の井戸で古代井戸のレンガを見て、古代技術の高さを知りました。

その後法起寺に行き、法起寺式の伽藍配置を見学し、古代瓦の講義もしていただきました。生徒たちは興味を持ったようです。

最後に法起寺周辺の条里制のあとを歩きました。1町=108mで画される古代の条里が非常に美しく残っていて、しかもきれいに南北に沿った形をしています。古代においてはその条里1区画あたり5人分の土地が支給されたことを、座学ではなく、実際に歩いて体感することができました。このことも授業では習うのですが、実際見て感じると改めてその土地の広さを実感できたようです。
 以上のように、例年通り、生徒にとって非常に有意義なフィールドワークとなりました。
  

素粒子論研究室・粒子物理学研究室で研修(神大その3)

  • 素粒子論研究室・粒子物理学研究室で研修(神大その3)
  • 素粒子論研究室・粒子物理学研究室で研修(神大その3)

11月19日(木)の午後,高校1年生の生徒41名が神戸大学理学部素粒子論研究室および粒子物理学研究室に出向き,こちらで5回目のSS基礎学外サイエンス学習を行いました。

前半は,素粒子論研究室の坂本眞人先生のご講義を拝聴しました。その中で先生が生徒達に投げかけられたミッションは3つありました。

1つめは,今年ノーベル物理学賞を受賞された梶田隆章先生の受賞研究テーマである「ニュートリノ振動」とはどのような現象であり,さらにそのことによって「ニュートリノが質量を持たなければならない理由」を理解すること。

2つめは,「ファインマン図」を描く簡単な演習を通して「自然界の4つの力はいずれも素粒子のやりとりによって説明できる」ことを知り,「電磁気力や重力の強さが距離の2乗に反比例する理由」を理解すること。

そして3つめが,自然界における「左右対称性」を概観し,「パリティ対称性」や「粒子・反粒子対称性」から宇宙創成の謎へと興味を深める,というものでした。

特に,ニュートリノ振動については,テレビや新聞ではわかりにくい本質的な部分を高校生にわかりやすい形で教えていただき,生徒達は大いに納得した様子でした。

そして後半,粒子物理学研究室の山崎祐司先生と身内賢太朗先生から、同研究室で行われている種々の研究テーマについてご紹介頂きました。CERNでのATLAS実験によるヒッグス粒子の発見,スーパーカミオカンデ実験によるニュートリノ振動の検証,暗黒物質の発見を目指すXMASS実験やNEWAGE実験に関するお話など,最先端の研究について触れていただき,生徒達も熱心に耳を傾け,質問を投げかけていました。実際に研究室を見学させていただき,初めて見る実験機器や測定機器や道具などを目の当たりにして,生徒達は興味津々の様子でした。

生徒達にとって,今回の研修は難しい内容であったにもかかわらず,素粒子物理学や宇宙といったものに大きな魅力を感じることができ,大変有意義なものとなったようです。

大阪教育大学で学外サイエンス学習

  • 大阪教育大学で学外サイエンス学習
  • 大阪教育大学で学外サイエンス学習

11月16日(月)の午後、高校1年生68名が大阪教育大学でSS基礎学外サイエンス学習を行いました。今回は、理科教育講座 物理・モダン物性研究室で科学館活動を行っておられる学生スタッフの方々による、いろいろな実験を見学・体験させていただきました。

はじめに、スタッフ代表の西口拓矢さんから科学館活動を行う意義や活動内容などを説明していただきました。身近に科学館を体験してもらおうというコンセプトで、「大学内に科学館を再現」や、小・中・高校へ出張して様々な実験を行う「出張科学館」といった活動をされています。そのあと、奈良学園の先輩である玉本剛さんから大阪教育大学を選んだ理由や大阪教育大学についての説明がありました。

さて、いよいよ実験の始まり。教室には数多くの実験ブースが用意され、まさに「科学館」!生徒達は5グループに分かれ、順次各ブースを回りました。ジャイロ効果、電磁石、太陽電池、共振、静電遮蔽、光、音・・・など、一見難しそうな内容を面白い実験を通して生徒たちは体験させていただきました。

生徒たちは普段の座学とは全く違う表情で、楽しそうに科学の不思議さ,面白さに魅了されていました。それは、それらの実験装置のほとんどすべてが工夫を重ねた手作りで、楽しく科学を体験して欲しいとのスタッフさん達の熱い思いが詰まったものだったからです。
最後に、フィルムケースに入浴剤と水を入れ爆発させる実験や粉塵爆発を見せていただきました。

教科書ですでに学び、知識としてはあるが、実感のなかった諸現象を、身近な材料を使って、体験できたことは大変有意義でした。これでまた、生徒たちの科学に対する興味・関心は一層深まったと思います。

素粒子論研究室・粒子物理学研究室で研修(神戸大その2)

  • 素粒子論研究室・粒子物理学研究室で研修(神戸大その2)
  • 素粒子論研究室・粒子物理学研究室で研修(神戸大その2)

11月12日(木)の午後,高校1年生37名の生徒が神戸大学理学部素粒子論研究室および粒子物理学研究室に出向き,それぞれ講義の拝聴と研究室の見学をさせて頂きました。
今回で,高校1年生5クラスのうち,4クラス目の訪問となります。

大学到着後,まず素粒子論研究室の坂本眞人先生から「ノーベル物理学賞」というテーマで,先日,梶田隆章先生が受賞されたノーベル賞の研究テーマであるニュートリノ振動についてご講義をいただきました。

重力や電磁気力なども素粒子のはたらきによるものであり,それらが距離の2乗に反比例する理由を教えていただきました。また,4つの力のファインマン図を考える演習などもあり,難しい内容でした生徒たちは集中して講義に参加していました。

生徒たちは,休み時間も先生のまわりに集まり,積極的に質問をしていました。後半は「左右対称性」について,生物,人体,結晶・分子についての対称性の大変興味深いお話をしていただき,前半同様とても楽しく学ぶことができました。 

そして,講義の後,粒子物理学研究室の身内賢太朗先生から暗黒物質の直接検出を目指すXMASS実験とNEWAGE実験に関する研究の他,CERNでのATLAS実験によるヒッグス粒子の発見,ニュートリノ振動に関わる実験,素粒子実験に必須の測定器開発など,同研究室で研究されているテーマについて,とてもわかりやすく,とても面白く,生徒たちの興味を引き出すお話をしていただきました。

今回の研修には物理選択者だけでなく生物選択者も多くいたため,「素粒子」の講義は大丈夫かと心配していましたが,坂本先生や身内先生がいろいろな工夫をしていただき,生物選択者も興味を持てる講義になっていました。

そのおかげで生徒たちは,「未知の事を知る喜び」を感じることができた,とても有意義な研修になりました。また工夫次第で難しい内容でもこんなに興味を持たせることができるということを教師も学ぶことができました。

素粒子論研究室・粒子物理学研究室で研修(神戸大)

  • 素粒子論研究室・粒子物理学研究室で研修(神戸大)
  • 素粒子論研究室・粒子物理学研究室で研修(神戸大)

11月10日(火)の午後,高校1年生37名の生徒が神戸大学理学部素粒子論研究室および粒子物理学研究室に出向き,それぞれ講義を受ける都共に施設の見学をさせて頂きました。

大学到着後,まず素粒子論研究室の坂本眞人先生から「ノーベル物理学賞」というテーマで,先日,梶田隆章先生が受賞されたノーベル賞の研究テーマであるニュートリノ振動についてご講義をいただきました。

重力や電磁気力なども素粒子のはたらきによるものであり,それらが距離の2乗に反比例する理由を教えていただきました。

また,4つの力のファインマン図を考える演習などもあり,難しい内容でしたが、生徒たちは集中して講義に参加していました。

後半は生徒たちのリクエストで「相対論の不思議な世界」の中で「ブラックホール」についての講義をしていただきました。

光の速度は観測者や光源の運動状態によらず常に一定である事実「光速度不変の原理」とそれから導かれる「時間の進み方は観測者の運動状態でそれぞれに異なる」という事実など,生徒達は相対論の不思議な世界に大いに魅せられた様子でした。 

そして,講義の後,粒子物理学研究室の鈴木州先生と矢野孝臣先生から暗黒物質の直接検出を目指すXMASS実験とNEWAGE実験に関する研究の他,CERNでのATLAS実験によるヒッグス粒子の発見,ニュートリノ振動に関わる実験,素粒子実験に必須の測定器開発など,同研究室で研究されているテーマについてご説明頂いた後,実際に実験室を案内して頂きました。
生徒たちは,「この実験器具は何に使っているのか」など興味津々の面持ちで研究室を見ていました。

今回の研修では,最先端の現代物理学を学ぶことができ,また,大学での研究の壮大さもわかり,大学,研究などへの興味を深める有意義な機会になりました。

「小惑星の起源」を研修(神戸大)

  • 「小惑星の起源」を研修(神戸大)
  • 「小惑星の起源」を研修(神戸大)

10月26日(月)、高校1年の38名が神戸大学理学部に学外サイエンス学習に行きました。

「惑星探査から明らかにされる小惑星の起源」という演題で、惑星学がご専門の荒川政彦先生の講義を受講しました。以下は参加生徒の感想です。

・学校では地学の授業がないので不安でしたが、大変わかりやすく授業をしてくださり、だんだん興味を持って講義が聞けました。小惑星を研究することで惑星の形成過程が解明されることに驚きました。

・はやぶさ2での実験の中で、惑星の形成過程を読み解くという、理学部としての研究をする上で衝突実験の装置の開発や分離カメラの開発など工学部のような事もしていることがわかりました。これからの進路選択を考える上で貴重な時間になりました。

・小惑星から取った試料から、惑星の形成過程や地球の水の起源などがわかることに驚き、未知のことを知るためにいろいろな工夫を考えて研究されていることもよくわかりました。自分もこのような研究に携わりたいと思いました。

「極低温の世界」を研修(神戸大)

  • 「極低温の世界」を研修(神戸大)
  • 「極低温の世界」を研修(神戸大)

10月22日(木)、高校1年の36名が神戸大学理学部に学外サイエンス学習に行きました。
「液体窒素を使って極低温の世界を遊んでみよう」という演題で、物理学科の菅原 仁先生の超伝導の講義を受講しました。

絶対温度、オームの法則など学校で習った内容なども丁寧に復習していただきながら、最終的には超伝導の理論(BCS理論)という大学院生レベルのお話もわかりやすくしていただきました。

また、目の前で液体窒素を使った実験を見せていただき、超伝導の不思議な世界を体感することができました。

超伝導を応用した技術はすでに私たちの生活で使われており、今後ますます発展していくが、まだまだ未知の部分もあり、新超伝導物質の開発と研究が必要であることを教えていただきました。

研究を重ね新たなものを発見することの面白さや研究することで社会貢献ができることを生徒たちは感じていたようです。

講義が終わってから、液体窒素を使った実験を生徒たち自身でさせていただきました。超伝導という不思議な現象を実際に体験でき、生徒たちは大喜びでした。大学の講義も経験でき、生徒たちにとって大変有意義な研修になりました。

京都大学工学研究科で研修

  • 京都大学工学研究科で研修
  • 京都大学工学研究科で研修

10月5日(月)午後,高校1年生38名はSS基礎の授業として,京都大学桂キャンパスの工学研究科で学外サイエンス学習を行いました。9月8日の学外サイエンス学習と同様に3つの研究室を見学させていただきました。

高橋良和先生の研究室では、日本一大きい実験施設を見学させていただきました。また、土木の研究において、今習っている物理や数学を駆使してモデルを作っていることを教わりました。

肥後陽介先生の研究室では、液状化ハザードマップを作成する研究のお話とメタンハイドレードを取り出したときの地盤の影響についての研究の話を聞かせていただきました。ここでも、物理や数学を駆使してモデルを作っていることを教わりました。

後藤先生の研究室では、X線を使って岩石試料の元素を測定する実験を見せていただきました。また後藤先生のご専門の電気で地下構造を見る地下探査や海底熱水鉱床などのお話も聞かせていただきました。また、走査型電子顕微鏡で岩石の表面を見せていただきました。

生徒達は、次々と手を上げ、素朴な質問、するどい質問をしていました。先生方は、それらに丁寧に答えていただき、疑問に思うことの大切さを教えていただきました。

生徒の感想には、「楽しかった。」「工学や研究に興味を持った。」「日頃の勉強の大切がわかった。」など、同じような感想がたくさんあり、多くのことを学んだ有意義な研修となりました。

神戸大 海事科学部で研修

  • 神戸大 海事科学部で研修
  • 神戸大 海事科学部で研修

9月29日(火)の午後、高校1年生69名が神戸大学海事科学部へ「SS基礎学外サイエンス学習」に行きました。

まず、宋先生から海事学部の説明を聞かせていただきました。日本に1つしかない海に関する総合的な研究をしている学部であり、卒業生は文系から理系まで幅広く社会で活躍していると聞かせていただきました。

そのあと、海洋安全システム科学科の橋本先生が「海事科学研究の社会的貢献」と題して模擬講義をしていただきました。資源に乏しい日本では、海上郵輸送が欠かせないことや、自然エネルギーなどの新たな海洋利用、海底資源の採掘など、これからの海事産業はますます発展していき、海事科学部で行われている研究がその発展に大きく貢献していることを学びました。

次に、卒業生の武田先輩から学生生活について説明してもらいました。研究、アルバイト、旅行、サークルなど充実した学生生活をお話しいただきました。また、受験勉強については定期テストの勉強の大切さを教えていただきました。

次に海事科学部で学んでいる3人のTAの方々の誘導で、3グループに分かれて「練習船深江丸の見学」「海事博物館の見学」「学生との懇談会」と3つの会場を回りました。そこでは多くの先生方やTAの方々が私たちを温かく迎えて下さいました。
懇談会では、「海事学部を希望した理由は何ですか?」、「大学でどのような研究してますか?」、「どのような大学生活ですか?」といった質問にていねいに答えて下さいました。

練習船「深江丸」では、TAの方々がまるで船内を探検するかのように私たちを案内して下さいました。そこではエンジンや燃料、機器類の説明、浸水や揺れに対する対策の他、寝室、食堂、トイレといった船内生活に必要な設備も見せていただきました。また、船内での生活について楽しい話を聞かせていただきました。

そして「海事博物館」では、海事に関する貴重な資料が数多く展示されていて、それらについて先生は私たちにていねいにわかりやすく説明して下さいました。江戸時代の菱垣廻船や樽廻船など船の構造やその歴史的な背景なども教わりました。海事の歴史、そして海事の未来について知見を広めることができました。

普段海を見ることはほとんどないので、とても楽しい研修でした。進路選択の中で、このような分野は意識していなかったので、とても良い経験になりました。いろいろな分野で社会貢献ができることがわかり、進路についてもっと研究してみようと思いました。

素粒子論研究室・粒子物理学研究室(神大)で研修

  • 素粒子論研究室・粒子物理学研究室(神大)で研修
  • 素粒子論研究室・粒子物理学研究室(神大)で研修

9月14日(月)の午後,高校1年生37名の生徒が神戸大学理学部素粒子論研究室および粒子物理学研究室に出向き,それぞれ講義の拝聴と施設の見学をさせて頂きました。

大学到着後,まず素粒子論研究室の坂本眞人先生からからご講義を頂きました。
前半は「素粒子と宇宙」というテーマで、極小の世界でも極大の世界で支配する法則が同じであることや私たちがわかっている物質は、たったの4.6%で残りは暗黒物質や暗黒エネルギーなど宇宙はまだまだ謎だらけであることを学びました。

また、高校の授業で習った重力や電磁気力なども素粒子のはたらきによるものであることも教えていただきました。

生徒達は、高校の授業で少し習っている内容でも、極小の世界から見ることで新鮮な感覚を持って講義に引き込まれていました。

後半は「相対論の不思議な世界」について学びました。光の速度は観測者や光源の運動状態によらず常に一定である事実「光速度不変の原理」とそれから導かれる「時間の進み方は観測者の運動状態でそれぞれに異なる」という事実を,最先端技術の一つ「カーナビ」を例にしてわかりやすくご説明下さいました。

これらの事実を応用すれば,光速の0.999999999999999999倍の速さで進む宇宙船だと230万光年離れたアンドロメダ銀河と地球間をわずか3泊4日で往復可能であることを知り,生徒達は大変驚くと共に相対論に大いに魅せられた様子でした。 

そして,講義の後,粒子物理学研究室の竹内康雄と山崎祐司先生に,暗黒物質の直接検出を目指すXMASS実験とNEWAGE実験に関する研究の他,CERNでのATLAS実験によるヒッグス粒子の発見,ニュートリノ振動に関わる実験,素粒子実験に必須の測定器開発など,同研究室で研究されているテーマについてご説明頂いた後,実際に実験室を案内して頂きました。

様々な道具や機器が置かれている実験室に初めて足を踏み入れた生徒達は,目に映るすべてが新鮮であり,興味津々な面持ちで先生のお話に耳を傾けていました。

今回の研修では,大学での授業や研究の現場を直に体感することができ,サイエンスへの興味関心が一層深まったことを期待したいと思います。

府立環境農林水産総合研究所で研修

  • 府立環境農林水産総合研究所で研修
  • 府立環境農林水産総合研究所で研修

9月10日(木)、大阪府岬町の海岸沿いにある大阪府立環境農林水産総合研究所の水産技術センターで、高校1年生41名が参加して、学外学習を行いました。

14:30から、まず栽培センターの施設を見学しました。
クロダイやマコガレイ、そして商品価値の高いキジハタなどの飼育水槽を見学し、成長に伴う性転換のお話などを伺いました。

続いて、大水槽でのキジハタとヒラメの放流前の初期養殖の様子を見せていただきました。
最後に、マナマコ、ヒトデ、イトマキヒトデ、キメンガニなど海の生き物にも実際に触れさせていただき、充実したひと時を過ごしました。

後半は、センター研究員の鍋島靖信先生に「水産技術センターの役割―環境・漁業・生物多様性―」というテーマでお話をしていただきました。

導入は、センターで取り組まれている、大阪湾の環境保全や環境改善、水産資源管理などのお話でした。

次いで、赤潮や青潮の説明と、温暖化による海水温上昇の影響について説明を受けました。

また、行政が計画した海岸整備が、実際には魚などの生き物にとって役に立っていない現状、海底の地形と水の流れについて、アナゴの漁獲量の変化から分かること、魚類の外部形態から分かる食性や習性などの興味深いお話があり、一人一つずつツノガイの殻をいただいてセンターを後にしました。

京大 工学研究科で研修

  • 京大 工学研究科で研修
  • 京大 工学研究科で研修

9月8日(火)午後,高校1年生39名はSS基礎の授業として,京都大学桂キャンパスの工学研究科で学外サイエンス学習を行いました。

講師の先生は本校の卒業生でもある後藤忠徳先生です。先生は地中レーダーなどを利用した地下探査がご専門で,地盤の構造解析,地下水や地下資源の探査,防災の観点からの活断層探査など,多角的に探査技術の研究・開発を行っておられます。

はじめに,工学部地球工学科についてご説明いただきました。桂キャンパスは,大学院生が研究に専念するための環境が整えられており,学部生も卒業研究を始める4回生からはこちらのキャンパスで生活するとのことでした。

学生の在籍数は学部規模に匹敵するほどですが,その指導にあたるスタッフが200名近くおられるとのことで,きめ細かい指導がなされているようすでした。

また,卒業後は95%の学生が大学院に進学するとのことで,企業就職した後も大学と連携した研究の道が拓けていることがわかりました。生徒にとっては,進路選択の具体例を垣間見ることができたようです。

後藤先生のお話の後,実験室の見学をさせていただきました。お邪魔したのは,風洞実験室と地盤系実験室と後藤先生の研究室です。

風洞実験室にはエッフェル型呼ばれる矩形断面の大型風洞が設置されています。実際に稼働させてくださりました。実際に起る問題を数理モデルに表し、現象を再現する実験手法を教えていただきました。

地盤系実験室では、液状化について、種々の作用に対する地盤材料の力学的応答を記述する数学モデルを作り、液状化ハザードマップを作成するというお話を聞かせていただきました。また、種々の実験事実から理論を構築する「現象論」という考え方を教えていただきました。

次に,後藤先生の研究室では、X線を使って岩石試料の元素を測定する実験を見せていただきました。

また後藤先生のご専門の電気で地下構造を見る地下探査や海底熱水鉱床などのお話は、生徒たちにとって大変わかりやすく興味深いものでした。

最後に、地球工学の研究は資源、防災、環境の分野で社会貢献をしており、それは今生徒たちが勉強している物理、化学、数学、英語などが直接役に立っていると教えていただきました。生徒たちにとって、勉強をする本当の意味がわかりやすく実感できた大変有意義な研修でした。

橿考研で「保存科学」の研修

  • 橿考研で「保存科学」の研修
  • 橿考研で「保存科学」の研修

9月8日(火)の午後、高1生29人が奈良県立橿原考古学研究所に伺い、「保存科学」に関する講義の聴講と研究所及び附属博物館の見学をさせていただきました。

はじめに奥山誠義先生から「文化財と保存科学 ~過去を探り遺すための科学~」というテーマでご講義をいただきました。

埋蔵遺物をはじめとする文化財の調査・保存・修復において自然科学的な手法が欠かせないことを、出土木製品と出土金属製品の保存処理作業についての解説を通してお示しいただきました。

人文科学系に属する印象の強い考古学において、自然科学の成果が大きな役割を果たしていることを知ることができました。

続いて、吉村和昭先生をはじめ研究所の先生方のお世話になり、研究所内の施設を案内いただきました。
出土遺物の整理・修復を行う作業、遺物の計測・分析機器や保存処理を施す施設、また、遺物の収蔵庫や発掘に関わる様々なデータの保存の様子などを見学しました。
そして、最後に、附属博物館で保存科学の成果である出土遺物の展示品を見せていただきました。

保存科学の現場である研究所内の施設や、その成果である博物館展示を見学させていただくことで、講義でお聞きした内容をより実感の伴う形で理解することができました。

素粒子論研究室・粒子物理学研究室(神戸大)で研修

  • 素粒子論研究室・粒子物理学研究室(神戸大)で研修
  • 素粒子論研究室・粒子物理学研究室(神戸大)で研修

本年度第1回の学外サイエンス学習を神戸大学素粒子論研究室・粒子物理学研究室で実施しました

6月23日(火)の午後,高校1年生対象の学校設定科目「SS基礎」における本年度最初の「学外サイエンス学習」が行われました。
この日は,同1年生32名の生徒が神戸大学理学部素粒子論研究室および粒子物理学研究室に出向き,それぞれ講義の受講と施設の見学をさせて頂きました。

大学到着後,まず素粒子論研究室の坂本眞人先生からからご講義を頂きました。
前半は「自然界における左と右」について学びました。

植物のツルの巻き方から始まり,人体の臓器配置や顔の非対称性,そして光学異性体の左旋光と右旋光といった物理学以外の身近な例を概観した後,素粒子には「粒子」と「反粒子」のペアが存在し,両者が出会うと光になって消滅するが,粒子・反粒子の対称性がわずかに破れていたために私たちの宇宙は「物質」で構成されるに至ったという大変興味深いお話をしていただきました。

後半は「相対論の不思議な世界」について学びました。光の速度は観測者や光源の運動状態によらず常に一定である事実「光速度不変の原理」とそれから導かれる「時間の進み方は観測者の運動状態でそれぞれに異なる」という事実を,最先端技術の一つ「カーナビ」を例にしてわかりやすくご説明下さいました。

これらの事実を応用すれば,光速の0.999999999999999999倍の速さで進む宇宙船だと230万光年離れたアンドロメダ銀河と地球間をわずか3泊4日で往復可能であることを知り,生徒達は大変驚くと共に相対論に大いに魅せられた様子でした。 

そして,講義の後,粒子物理学研究室の越智敦彦先生と鈴木州先生から,暗黒物質の直接検出を目指すXMASS実験とNEWAGE実験に関する研究の他,CERNでのATLAS実験によるヒッグス粒子の発見,ニュートリノ振動に関わる実験,素粒子実験に必須の測定器開発など,同研究室で研究されているテーマについてご説明頂いた後,実際に実験室を案内して頂きました。

様々な道具や機器が置かれている実験室に初めて足を踏み入れた生徒達は,目に映るすべてが新鮮であり,興味津々な面持ちで先生のお話に耳を傾けていました。

今回の研修では,大学での授業や研究の現場を直に体感することができ,サイエンスへの興味関心が一層深まったと思います。

近大原子力研究所で研修

  • 近大原子力研究所で研修
  • 近大原子力研究所で研修


2月19日(木)午後,高校1年生37名が近畿大学原子力研究所へ学外サイエンス学習に行きました。

研究所に到着すると,まず生徒証明書による人物確認と入構許可証の交付を受けました。

研究施設の立ち入りは厳重に管理されているようです。研修は,放射線計測の体験実習と原子炉の見学を,2班に分かれて交代で行いました。

放射線計測は,若林源一郎先生による放射線の基礎知識や線量計の使い方などの講義の後,実際に計測器を用いた体験実習をさせていただきました。

β線計測は講義室内でクリスタルガラス・御影石・乾燥コンブ・湯の花・肥料といった身近な試料について調べ,γ線計測は大学構内の各所で測定を行いました。

身近な物からも放射線が出ていること,普段の生活環境内でも自然放射線にさらされていることなど,計測実習を通して実感することができました。     

研究用原子炉「UTR-KINKI」の見学は堀口哲男先生にご案内いただきました。
放射線管理区域に立ち入るにあたり,厳しいセキュリティチェックを経て,原子炉が設置されている部屋へと入りました。

堀口先生から核分裂反応の原理,UTR-KINKIや燃料棒の構造,制御棒のしくみなど,パネルや模型を用いてわかりやすく説明していただきました。

また,実際に原子炉の上にまで上がらせていただくという貴重な体験もさせていただきました。生徒達は,初めて目にする原子炉に驚きながら,先生のお話に熱心に耳を傾けていました。

今回の研修で,生徒達は放射線や原子力に関する知識や理解を深めるとともに,原子炉を実際に見るという貴重で有意義な体験をすることができました。

素粒子論研究室・粒子物理学研究室で研修(神戸大)

  • 素粒子論研究室・粒子物理学研究室で研修(神戸大)
  • 素粒子論研究室・粒子物理学研究室で研修(神戸大)

1月27日(火)の午後,高校1年生41名が神戸大学理学部の素粒子論研究室と粒子物理学研究室でSS基礎学外サイエンス学習を行いました。

まず,素粒子論研究室では坂本眞人先生からご講義をいただきました。前半は「自然界における左と右」について学びました。

植物のツルや巻き貝の左巻きと右巻き,人体の臓器配置や顔の形が左右で異なること,光学異性体の左旋光と右旋光といった物理学以外の身近な例から始まり,素粒子には「粒子」と「反粒子」のペアが存在し,両者が出会うと光になって消滅するが,粒子と反粒子の対称性がわずかに破れていたために私たちの宇宙が創られたとする大変興味深いお話をしていただきました。

後半は「相対論の不思議な世界」について学びました。光の速度は観測者によらず常に不変であるとする事実「光速度不変の原理」を出発点とすれば,光速に近い速度で進む宇宙船内で同時に観測される現象が地球上からは同時ではないこと,また,光速に近い速度で進む宇宙船内の時計は地球上の時計よりも遅れるといった日常感覚からは奇妙に感じられる事実をわかりやすい例とともに説明して下さいました。

特に,光速の0.999999999999999999倍の速さで進む宇宙船に乗れば,乗客は230万光年離れたアンドロメダ銀河と地球間をわずか3泊4日で往復可能であるという事実に生徒たちは大変驚くとともに相対論に魅せられました。

そして,講義の後,粒子物理学研究室の越智敦彦先生と身内賢太朗先生から研究室を案内していただきました。
研究室では,ニュートリノの正確な質量を見いだすための方法や観測機器の開発,また「暗黒物質」を見つけるための最先端の研究とそのために必要な装置の開発や試作機の製作などについてご説明下さいました。

様々な道具や機器が置かれている研究室に初めて足を踏み入れた生徒達は,目に映るすべてが新鮮で興味津々な面持ちで先生のお話に耳を傾けていました。
今回の研修では,大学での授業や研究の現場を直に体感することができ,サイエンスへの興味関心が一層深まったことを期待したいと思います。

関西光科学研究所で研修

  • 関西光科学研究所で研修
  • 関西光科学研究所で研修

1月27日火曜日,高校1年生37名が学外サイエンス学習で木津地区にある関西光科学研究所を訪問しました。

初めに,関西光科学研究所の播磨地区と木津地区の施設と研究分野の紹介があり,今回訪問した木津地区では,高強度レーザーの開発やレーザーを使って発生させた軟X線を用いた顕微鏡の開発が行われていることを知りました。

施設紹介に続き,研究員の桐山博光先生に「光とレーザーについて」と題した特別講義をしていただきました。
光についての研究の歴史的な変遷や,粒子性と波動性を併せ持つという先進的な話題までもわかりやすく解説していただきました。

生徒達は,講義の後半の本研究所で開発されたJ-KARENレーザーという、高強度レーザーの医療分野での応用について特に興味をひかれたようすでした。

新たながん治療法として期待されている重粒子線ですが,その発生装置(粒子加速器)は巨大であるため,治療が受けられる施設が限られています。

この高強度レーザーを使って重粒子線を発生する方法の開発で,粒子加速器に比べて小型化が可能になりました。
そう遠くない将来には,普通の病院に設置できるような重粒子線発生装置が開発されるのではないかと期待されています。

このように,今後の課題についても解説していただき,開発現場の空気を直接感じることの出来るご講義でした。

講義終了後,所内の施設を見学をさせていただきました。
見学用の窓から実験装置の様子を観察し,研究員の方から展示パネルに解説されている内容について補足説明をしていただきました。

実験室の温度管理やほこり対策といった,生徒にとって目新しい知見もいただき,基本的な内容から難しい内容まで要点を順序よく解説していただいたので,装置の原理や仕組みについても理解が深まった様子でした。
また,課題の解決や装置開発の具体的な取り組み方(方法論)についても学ぶいい機会になったと思います。

「文化財科学」の研修(奈良教育大)

  • 「文化財科学」の研修(奈良教育大)
  • 「文化財科学」の研修(奈良教育大)

1月22日(木)に、高校1年生33名が奈良教育大学で「文化財科学」について学習しました。

奈良教育大学の青木智史先生に講師をお願いし、大学構内の遺跡を見学した後、文化財科学に関する講義と実習をご実施いただきました。

遺跡見学では、貴重な環頭太刀や銅鏡が出土した吉備塚古墳と、現在も大学施設として使用されている旧陸軍のレンガ建築について解説いただきました。

また、奈良教育大学の敷地と新薬師寺の旧境内との関係などについてもお話しいただきました。

ご講義では、文化財研究における3次元(3D)測定技術の利用についてお話を伺いました。

遺物との接触を伴わない3Dスキャナーによる測定の文化財保存における有用性、また、データのデジタル化による情報保存における優位性など、さらに3D測定法の諸方式とその原理について解説いただきました。

また、3Dプリンタでの遺物複製など、3D測定技術に基づく様々な取り組みの可能性を紹介いただきました。

実習では、3D測定で得られたデータに基づく拡張現実感(AR)を利用して、考古学の調査報告書からタブレットPCを用いて立体映像を浮かび上がらせる体験や、新薬師寺旧境内遺跡から出土した瓦の3D測定をストラクチャライト方式によって行う実習をさせていただきました。

文化財保存において科学技術が果たす役割の重要性、その中でも現在注目を集める3D技術との関係を具体的に知ることができて、科学研究の応用分野の射程の広さとその身近さを感じることのできる講義・実習でした。

神戸大学理学部で研修

  • 神戸大学理学部で研修
  • 神戸大学理学部で研修

11月27日(火)の午後に、高校1年生生徒74名が、SS基礎学外サイエンス学習で神戸理学部を訪問しました。

この日は、理学部の先生方から1時間ずつ2つのご講義をしていただきました。

まずはじめに、地球惑星科学科の瀬戸雄介先生が、「ダイアモンドで地球内部をのぞく-超高温・高圧の世界-」と題して、目で見ることのできない地球の内部構造を、いかにして理解してきたのかを、ご自分の研究生活のお話しと共にわかりやすく解説してくださいました。

2つ目は、物理学科の河本敏郎先生による、「色の起源と光の科学」と題したご講義でした。電磁波の解説から可視光線を定義された後に、虹や海の色や夕焼けなどの日常見られる諸現象の説明と、緑色レーザー光を用いた光がもつ諸性質の演示実験も行ってくださり、光について楽しく学ぶことができました。

生徒達は、ご講義の内容と学校の授業で学ぶ内容とをオーバーラップさせながら、理論的な裏打ちができたことに満足し、帰途につきました。

京都大学桂キャンパス 工学研究科で研修

  • 京都大学桂キャンパス 工学研究科で研修
  • 京都大学桂キャンパス 工学研究科で研修

11月25日(火)午後,先週とは別のクラスの高校1年生40名がSS基礎の授業として,京都大学桂キャンパスの工学研究科で学外サイエンス学習を行いました。
講師の先生は同じく本校の卒業生でもある後藤忠徳先生です。先生は地中レーダーなどを利用した地下探査がご専門で,地盤の構造解析,地下水や地下資源の探査,防災の観点からの活断層探査など,多角的に探査技術の研究・開発を行っておられます。

はじめに,工学部地球工学科についてご説明いただきました。桂キャンパスは,大学院生が研究に専念するための環境が整えられており,学部生も卒業研究を始める4回生からはこちらのキャンパスで生活するとのことでした。

学生の在籍数は学部規模に匹敵するほどですが,その指導にあたるスタッフが200名近くおられるとのことで,きめ細かい指導がなされているようすでした。また,卒業後は95%の学生が大学院に進学するとのことで,企業就職した後も大学と連携した研究の道が拓けていることがわかりました。
生徒にとっては,進路選択の具体例を垣間見ることができたようです。

後藤先生のお話の後,実験室の見学をさせていただきました。今回お邪魔したのは,水理実験室とドライビングシミュレーターです。
水理実験室には大きな実験用の水路が設置され,流速の三次元解析や河床保護の研究をされています。水害の被害予想や対策,防災といった環境保護の視点に立った研究が求められているというご説明でした。

ドライビングシミュレーターでは被験者の反応を脳内の血流を計測することによって分析し,交差点や合流地点での安全性の向上や道路設計の手がかりを研究なされているようです。

次に,後藤先生のご専門であるレーダー探査のデモンストレーションを見学させていただきました。
通路でレーダーを動かすと,モニターに波形が表示され,その変化から通路下のコンクリート内部のようすがわかります。地下構造を目の前で具体的に読み解いていただき,大変わかりやすいデモンストレーションでした。

見学終了後,後藤先生がこれまで手がけた具体的な事例を題材に物理探査についての詳しい講義をしていただきました。現場での調査から結果の解析まで生徒にとって興味深い内容ばかりでした。

神戸大学海事科学部で第2回研修

  • 神戸大学海事科学部で第2回研修
  • 神戸大学海事科学部で第2回研修

11月25日(火)の午後,高校1年生67名が先週に引き続き神戸大学海事科学部へ「SS基礎学外サイエンス学習」に行きました。

今回は前回と異なり,施設見学と実習が中心でした。海事科学部で学んでいる3人の4回生の学生の誘導で見学・実習場所へ行くと,そこでは多くの先生方やTAの方々が私たちを温かく迎えて下さいました。

大学の練習船「深江丸」では,TAの方々がまるで船内を探検するかのように私たちを案内して下さいました。そこではエンジンや燃料,機器類の説明,浸水や揺れに対する対策の他,寝室,食堂,トイレといった船内生活に必要な設備も見せていただきました。また,船内での生活について楽しい話を聞かせていただきました。

一方,船の運航技術を学ぶ「ナビゲーションシミュレーター」では明石大橋をくぐり,大阪湾に向けて,晴天,嵐など天候を変えながら,実際に舵をとらせてもらい運航の練習をさせてもらいました。

船のエンジンの動かし方やトラブルの対処法などを学ぶ「機関シミュレーター」の実習では,先生方やTAの方々の専門的な説明を受けながら,実際に操作盤に触れたり,舵をとらせていただいたりしました。

専門用語が飛び交い,まるで実際の船内にいるかのような臨場感あふれる感覚に生徒達は緊張しつつも楽しく学ぶことができました。

そして「海事博物館」では,海事に関する貴重な資料が数多く展示されていて,それらについて先生は私たちにていねいにわかりやすく説明して下さいました。そこで生徒達は海事の歴史,そして海事の未来について知見を広めることができました。

各見学場所や実習場所では,普段見ることができないものを見せていただいたり,貴重な体験をさせていただいて,生徒達は船や海事への科学的および歴史的な興味・関心を深めることができました。

最後に,大学の先生にも加わっていただいて,私たちを誘導してくれた4回生の学生との懇談会に臨みました。生徒からの「大学でどのような研究してますか?」,「どのような大学生活ですか?」,「将来の目標は?」といった質問にていねいに答えて下さいました。

前回と今回のサイエンス学習で,生徒達は海事科学という,日頃あまり接することのない分野への興味・関心を深化させることができただけでなく,知らないことを知ることの楽しさを学んだサイエンス学習になったようです。

『斑鳩フィールドワーク』を実施(SS基礎)

  • 『斑鳩フィールドワーク』を実施(SS基礎)
  • 『斑鳩フィールドワーク』を実施(SS基礎)

11月25日(火)に、SS基礎 学外サイエンス学習として、昨年度同様、京都大学の吉川教授にお来しいただき、「古代斑鳩の土地計画を体感する」をテーマに選択生徒20名がフィールドワークを行いました。

本校は矢田丘陵に位置し、斑鳩にも近く、歴史的にも非常に恵まれた場所に位置しています。今回も。その地の利を存分に活かし、実際に現地を訪れながら歴史を科学的に分析することの重要性を理解することを主眼としました。

 ルートは以下の通りです。
1 法隆寺(南大門~西大門~西院伽藍) 2 斑鳩宮跡  
3 仏塚古墳(横穴式石室の見学)    4 法輪寺  
5 三井の井戸見学      6 法起寺周辺条里

まずは吉川教授に15分ほど事前講義をしていただいた後、出発しました。
今回の講義では、時期を、聖徳太子以前・聖徳太子の時期・それ以後と分けて説明をしていただき、見に行く場所の位置づけが生徒の中でより明確になったと思います。

法隆寺周辺はかつて聖徳太子一族が住んだ地域です。そこで、北で20度西に振れる道、北で8度西に振れる道が混在することが分かっています。

北で20度西に振れる道は、飛鳥と斑鳩をつなぐ道と同じ角度です。また、その飛鳥で推古天皇を補佐したのが聖徳太子です。

さらに、発掘の結果、聖徳太子の時代の、やはり北に20度ふれる建物跡が見つかっています。
これらを勘案すると、飛鳥から斑鳩を含む壮大な土地計画のもと、聖徳太子一族が斑鳩の拠点作りを行ったことが想定されます。

そして、聖徳太子の死後、聖徳太子の一族が滅亡してしまった後につくられた道は北で8度西に振れることも分かっています。

現在私たちが見ることのできる法隆寺は、その北に8度西に振れる角度で建立されています。なぜ角度が変わったのか、詳しいことは分かっていませんが、文献だけでは理解することができないことを、以上のような歴史的な背景をふまえて、現地に赴いて実際に歩き、目にすることで体感することができました。

20度西に振れた道、8度西に振れた道はそれぞれ今でも残っています。古代から使われている道を歩くことで、より身近に歴史を感じられたのではないでしょうか。

また、その後訪れた仏塚古墳の石室では、古代石室の築造技術を肌で感じることができました。
この古墳は聖徳太子以前に斑鳩にいた有力豪族の墓と考えられています。

次の法輪寺では仏像を見学しました。法隆寺にある仏像と形式的に似た同時代のものを見て、その関係性を理解し、仏像の彫刻様式にも話題は広がりました。また、寺の伽藍配置の話にも触れられました。

仏像の彫刻様式や伽藍配置などは日本史の授業でも扱います。授業で習ったこととリンクすることができ、普段の日本史の授業の理解にも役だったと思います。

さらに三井の井戸で古代井戸のレンガを見て、古代技術の高さを知りました。
その後法起寺に行き、法起寺式の伽藍配置を見学し、さらに古代瓦の講義もしていただきました。

さらに法起寺には、塔の心礎跡が残っており、寺における塔の持つ意味なども教えていただきました。最後に法起寺周辺の条里制のあとを歩きました。1町=108mで画される古代の条里が非常に美しく残っていて、しかもきれいに南北に沿った形をしています。

古代においてはその条里1区画あたり5人分の土地が支給されたことを、座学ではなく、実際に歩いて体感することができました。
このことも授業では習うのですが、実際見て感じると改めてその土地の広さを実感でき、生徒達にとっては、非常に有意義なフィールドワークとなりました。

京都大学工学研究科で研修

  • 京都大学工学研究科で研修
  • 京都大学工学研究科で研修

11月20日(木)午後,高校1年生38名はSS基礎の授業として,京都大学桂キャンパスの工学研究科で学外サイエンス学習を行いました。

講師の先生は,本校の卒業生でもある後藤忠徳先生です。
先生は地中レーダーなどを利用した地下探査がご専門で,地盤の構造解析,地下水や地下資源の探査,防災の観点からの活断層探査など,多角的に探査技術の研究・開発を行っておられます。

はじめに,工学部地球工学科についてご説明いただきました。
桂キャンパスは,大学院生が研究に専念するための環境が整えられており,学部生も卒業研究を始める4回生からはこちらのキャンパスで生活するとのことでした。

学生の在籍数は学部規模に匹敵するほどですが,その指導にあたるスタッフが200名近くおられるとのことで,きめ細かい指導がなされているようすでした。また,卒業後は95%の学生が大学院に進学するとのことで,企業就職した後も大学と連携した研究の道が拓けていることがわかりました。
生徒にとっては,進路選択の具体例を垣間見ることができたようです。

後藤先生のお話の後,実験室の見学をさせていただきました。
見学したのは,風洞実験室とドライビングシミュレーターです。

風洞実験室にはエッフェル型呼ばれる矩形断面の大型風洞が設置されています。実際に稼働させてくださり,模型周辺に起こる乱流のようすも観察できました。
ドライビングシミュレーターでは被験者の反応を分析し,運転者に伝えるべき情報の最適化(内容やタイミング)をはかる研究がなされているようです。

次に,後藤先生のご専門であるレーダー探査のデモンストレーションを見学させていただきました。
通路でレーダーを動かすと,モニターに波形が表示され,その変化から通路下のコンクリート内部のようすがわかります。地下構造を目の前で具体的に読み解いていただいたので,生徒たちにとって大変わかりやすく興味深い見学となりました。

素粒子論研究室・粒子物理学研究室(神戸大)で研修

  • 素粒子論研究室・粒子物理学研究室(神戸大)で研修
  • 素粒子論研究室・粒子物理学研究室(神戸大)で研修

11月18日(火)午後,高校1年生41名が神戸大学理学部の素粒子論研究室と粒子物理学研究室でSS基礎学外サイエンス学習を行いました。

このプログラムは,全6クラスが受講を予定しており,今回が5クラス目になります。まず,講師の坂本眞人先生から「素粒子と宇宙」についてご講義をいただき,講義終了後,粒子物理学研究室の竹内先生と山崎先生に粒子物理学研究室を案内していただきました。

坂本先生の光と質量に関する理論物理の世界のお話しと,現実にヒッグス粒子や暗黒エネルギーを捕らえようとする実験物理学のお二人の先生方のお話しの対比がおもしろく,生徒達は今回も、素粒子のことをもっと知りたいという気持ちになっていたようです。科学への興味や学習意欲を,一層かき立てることができました。

神戸大海事科学部で研修

  • 神戸大海事科学部で研修
  • 神戸大海事科学部で研修

11月18日(火)の午後,高校1年生67名が神戸大学海事科学部で「SS基礎学外サイエンス学習」を行いました。

はじめに,海事科学部の平山勝敏先生から「海事科学部の概要」についてお話をいただきました。海事科学部で扱われる研究分野や研究テーマをはじめ,海事科学部ならではの「船舶実習」について知ることができました。
 
次ぎに,海事科学部4年生の濱浦隆昌さんから「キャンパスライフin海事科学部」と題して,お話をいただきました。
船舶実習の体験談をはじめ,自由時間の使い方など,学生の視点から見た海事科学部についてお話しいただくとともに,「高校時代は何事も一生懸命に頑張れ」という激励の言葉もいただきました。

そして後半は,海事科学研究科の酒井裕規先生から「身近な事例から経営学・経済学を学ぶ―経営の経済学入門―」と題する模擬授業を受講させていただきました。

前半は,対象と方法論の観点から,「経営学と経済学の違い」をわかりやすく教えて下さいました。
後半では,企業戦略の一つである「価格戦略」について学びました。テレビ業界,ショッピングモール業界や携帯電話業界あるいは家電量販店業界といった身近な事例をもとに「ツーサイド・プラットフォーム戦略」や「最低価格保証戦略」について,大変興味深く学ぶことができました。
海事科学部での研修は2部構成で,次週は「見学・体験」をさせていただくことになっています。

大阪府水生生物センターで研修

  • 大阪府水生生物センターで研修
  • 大阪府水生生物センターで研修

11月6日(木)と11月11日(火)の午後に,高校1年生40名と41名の合計81名が、大阪府環境農林水産総合研究所の水生生物センターでSS基礎学外サイエンス学習を行いました。

寝屋川市の淀川畔にある同センターでは、国の天然記念物に指定されたコイ科魚類のイタセンパラの増殖や研究を中心に、主に琵琶湖淀川水系の淡水魚の研究と保全活動をされています。

主幹研究員の上原 一彦先生による「センターの業務とイタセンパラの保全活動」のご講義を拝聴した後に、1時間程かけてセンター内を見学しました。

淀川で見られるほとんど全ての淡水魚が飼育水槽で見られる他、繁殖期を迎えているイタセンパラも展示されていました。

生徒達は、事前学習で学んだ興味深い生活史を持つイタセンパラや他の淡水魚に歓声を上げながら、かつては淀川と繋がっていた奈良県下の大和川についても思いを新たにし、生物多様性の保全活動の意義を学ぶことができました。

モダン物生研究室で研修(大教大)

  • モダン物生研究室で研修(大教大)
  • モダン物生研究室で研修(大教大)

11月11日(火)の午後、高校1年生62名が大阪教育大学でSS基礎学外サイエンス学習を行いました。

今回は、理科教育講座 物理・モダン物性研究室で科学館活動を行っておられる学生スタッフの方々による、いろいろな実験を見学・体験させていただきました。

はじめに、スタッフ代表の宮崎充正さんから科学館活動を行う意義や活動内容などを説明していただきました。身近に科学館を体験してもらおうというコンセプトで、大学内に科学館を再現したり、小・中・高校へ出張して様々な実験を行う「出張科学館」といった活動をされています。

さて、いよいよ実験の始まり。
教室には数多くの実験ブースが用意され、まさに「科学館」です。

生徒達は5グループに分かれ、順次各ブースを回りました。偏光板を用いたトリッキーなもの、光の三原色、ジャイロ効果、空気砲のゲーム、浮力の原理、電磁石、ベルヌーイの定理など、数多くの実験を見学・体験させていただきました。

そして驚いたのが、それら実験装置のほとんどすべてが手作りで、親しみを覚えるものばかりでした。また、スタッフの方々は気軽に生徒達に話しかけて下さり、生徒達も楽しく質問することができました。最後に、フィルムケースに入浴剤と水を入れ爆発させる実験や気化したアルコールを燃焼させてペットボトルを飛ばす実験で最高潮に達した後、「科学館」は幕を閉じました。

今回の研修は、身近ではあるが、なかなか体験できない諸現象を楽しく学ぶことのできる大変有意義なものでした。これでまた、生徒達の科学的知識と科学に対する興味・関心は一層深まったことでしょう。

「世界史を変えた化学物質」の研修(神戸大)

  • 「世界史を変えた化学物質」の研修(神戸大)
  • 「世界史を変えた化学物質」の研修(神戸大)

11月11日(火)午後、高校1年生39名が 神戸大学理学部で、SS基礎学外サイエンス学習をおこないました。講師の有機反応化学研究室の林 昌彦 先生による講義「世界史を変えた化学物質」を拝聴した後、校内各所を見学させていただきました。

理学部と学科の紹介の後、林先生の模擬講義を聴講させていただきました。世界史を変えた化学物質と題し,「スパイス」がもたらした大航海時代を中心に化学物質にまつわるいろいろなお話しをしていただき,生徒も興味深く耳を傾けていました。

ヨーロッパの人々が危険を冒してまでスパイスを欲した理由は,肉の保存や香り付けのためというのが定説です。しかし,林先生の仮説によれば,スパイスがもつ化学的な構造が,脳内の快楽物質に似た作用を生じ,その習慣性からスパイスを強く欲したのではないか,とのことでした。

その根拠として,香辛料全般にみられる化学構造の共通性や麻薬物質との類似性について解説していただきました。
歴史の見方として,従来とは違う切り口を教えていただき、一面的な見方では理解が及ばないことも,視点を変えることによって新たな地平が拓けることを実感できたのではないでしょうか。

また,ノーベル賞受賞者の系譜についてもお話しいただき,物理学賞でも化学的な成果が使われていたり,化学賞であっても物理的なアイデアが活かされていることを解説していただきました。

講義終了後,学生さんに校内各所を案内していただきました。敷地は山の斜面に配置されており,うりボーロードと名付けられたウッドデッキを通り,各学部の研究棟や山口誓子記念館などを巡って帰路につきました。
 

素粒子論研究室・粒子物理学研究室(神戸大)で研修(その3)

  • 素粒子論研究室・粒子物理学研究室(神戸大)で研修(その3)
  • 素粒子論研究室・粒子物理学研究室(神戸大)で研修(その3)

10月23日(木)午後,高校1年生40名が神戸大学理学部の素粒子論研究室と粒子物理学研究室でSS基礎学外サイエンス学習を行いました。

このプログラムは,全6クラスが受講を予定しており,今回が3クラス目になります。まず,講師の坂本眞人先生から「素粒子と宇宙」についてご講義をいただき,講義終了後,粒子物理学研究室の蔵重先生と原先生に研究室を案内していただきました。

坂本先生の「230万光年離れたアンドロメダ星雲への『3泊4日宇宙旅行』」などの理論物理の世界のお話しと,現実に素粒子を捕らえようとする実験物理学のお二人の先生方のお話しの対比がおもしろく,生徒達は前回と同じくもっと知りたいという気持ちになっていたようです。
これからの学外学習への興味や学習意欲を,一層かき立てるものでした。

「文化財科学」について研修(奈教大)

  • 「文化財科学」について研修(奈教大)
  • 「文化財科学」について研修(奈教大)

9月30日(火)に、高校1年生40名が奈良教育大学で「文化財科学」について学習しました。

奈良教育大学の青木智史先生に講師をお願いし、大学構内の遺跡を見学した後、文化財科学に関する講義と実習をご実施いただきました。

遺跡見学では、貴重な環頭太刀が出土した吉備塚古墳と新薬師寺の旧境内遺跡をご案内いただきました。かつて東大寺と並ぶ大規模寺院であった新薬師寺の寺域を明らかにする大型基壇建造物跡の出土について、現地でお話を聞くことができ、歴史を現代とつながるものとして興味深いでした。

講義では、文化財研究における科学分析の意義とその手法についてお話を伺いました。
遺物を損なうことなく情報を得る科学的な方法として、赤外線画像法と蛍光X線分析法を取り上げ、その原理を解説いただきました。

遺物の成分分析から製作地を推定したり、汚れで不鮮明な絵柄を赤外線によって明らかにし、さらには蛍光X線を用いて顔料・染料の成分を特定して色彩の推定・復元まで行うといった試みなど、具体的な研究成果を通してわかりやすくご講義くださいました。

 実習では、携帯型の蛍光X線分析器で資料の成分分析を行ったり、赤外線カメラを操作したりと、自分の手で機器に触れさせていただき、生徒たちは興味津々で取り組んでいました。また、奈良時代の瓦など、出土遺物の実物にも触れることができ、生徒にとっては貴重な経験でした。

 文化財の現場や実物に触れ、その上で理論的な側面を扱う講義とそれに関わる実習を体験できた今回の研修は、生徒にとって、文化財科学の一端を体感できる学習になりました。
 

府立環境農林水産総合研究所 水産技術センターで研修

  • 府立環境農林水産総合研究所 水産技術センターで研修
  • 府立環境農林水産総合研究所 水産技術センターで研修


9月30日(火)に大阪府岬町の海岸沿いにある水産技術センターで、高校1年生57名が参加して、学外学習を行いました。

今回は、センター研究員の鍋島靖信先生に「水産技術センターの役割―環境・漁業・生物多様性―」というテーマでお話をしていただきました。

まず、センターで取り組まれている、大阪湾の環境保全・改善や、水産資源の管理などについてのお話がありました。
赤潮や青潮の説明や、温暖化による海水温上昇の影響について説明を受けました。

また、行政が計画した海岸整備が、実際には魚などの生き物にとって役に立っていない現状、海底の地形と水の流れについて、アナゴの漁獲量の変化から分かること、などの興味深いお話がありました。
さらに、今年撮影されたマダコの孵化の様子も見せていただきました。

講義の後は、栽培センターの施設見学です。まだ小さいマコガレイやオニオコゼの飼育水槽など、現場での初期養殖の様子を見せていただきました。
また、クロアナゴ、マナマコ、イトマキヒトデ、クサフグなどの海の生き物にも実際に触れさせていただき、とても充実した研修をすることができました。

素粒子論研究室・粒子物理学研究室(神戸大)で研修(その2)

  • 素粒子論研究室・粒子物理学研究室(神戸大)で研修(その2)
  • 素粒子論研究室・粒子物理学研究室(神戸大)で研修(その2)

9月30日(火)午後,26名の高校1年生が神戸大学理学部の素粒子論研究室と粒子物理学研究室でSS基礎学外サイエンス学習を行いました。

9月9日(火)と同じプログラムで,坂本眞人先生から「素粒子と宇宙」についてご講義をいただき,講義終了後,粒子物理学研究室の鈴木州先生と身内堅太郎先生に研究室を案内していただきました。

「自然は単純さを好む!」というキーワードのもと、素粒子のようなとても小さな世界でも宇宙のような大きな世界でも共通の物理法則が成り立つことに生徒たちはとても興味を持ち,もっと知りたいという気持ちになっていたようです。

生徒達は、貴重な体験ができ,物理学への興味や学習意欲を一層深めることができました。

素粒子論研究室・粒子物理学研究室(神戸大)で研修

  • 素粒子論研究室・粒子物理学研究室(神戸大)で研修
  • 素粒子論研究室・粒子物理学研究室(神戸大)で研修

9月9日(火)午後,40名の高校1年生が神戸大学理学部の素粒子論研究室と粒子物理学研究室でSS基礎学外サイエンス学習を行いました。

まず,坂本眞人先生から「素粒子と宇宙」についてご講義をいただきました。
我々が認識している物質は,宇宙の組成に対したったの4.6%であり,23%がダークマター,72%が暗黒エネルギーであるということに驚かされました。

ダークマターは未知の素粒子と考えられ,神岡鉱山跡の地下1000mにおいて行われているXMASS実験で検出が試みられています。

また,スーパーカミオカンデ実験では,大統一理論の鍵とされるニュートリノの検出および理論の検証が行われ,CERNにおいてはATLASグループが宇宙誕生の初期に迫る実験を行うなど,素粒子についての多角的な研究が行われていることを知りました。

極微世界の素粒子を知ることが,極大世界である宇宙を知ることにつながるということがわかりました。

講義終了後,粒子物理学研究室の越智敦彦先生と竹内康雄先生に研究室を案内していただきました。
研究棟のロビーにはカミオカンデで実際に使われていた大型の光電子増倍管が展示されており,その前で神戸大学が取り組んでいる研究内容やその成果について説明していただきました。

研究室では,「暗黒物質」を見つけるための装置の開発・製作などについて教えていただきました。素粒子の検出器は,完成品が売っているというものではなく,検出するためのアイデアから始まり,設計,製作,試験といった幾つものハードルを越えていく必要があるということがよくわかりました。

大変な作業であることは当然のことながら,それ以上にやりがいのある研究であることが,先生方のお話から知ることができ、生徒たちにとって貴重な学習となりました。

県立橿原考古学研究所で研修

  • 県立橿原考古学研究所で研修
  • 県立橿原考古学研究所で研修

9月9日(火)と11日(木)の2日間、高校1年生生徒79名が2学期最初の学外サイエンス学習に臨みました。

橿原市にある県立橿原考古学研修所を訪れ、文化財の保存科学に関する講義「考古学を科学する」を主任研究員の奥山誠義先生から受けました。

その後、総括研究員の吉村和昭先生による研究所見学を行い、最後はお二人の先生と共に附属博物館に移動し、実際の展示物を前にしてお話を伺いました。

生徒達は、県内の池から出土した1,000年以上前の木材(スギ)を実際に触らせていただいて、そのプヨプヨになった様子を観察したり、最新の科学研究の成果が文化財の保存に役立っていることに驚き、普段は入ることのできない研究所内の施設を見せていただく
こともできて、大変勉強になった様子でした。

最後は博物館に展示された遺物を前にして、保存科学の成果を確認しながら、先生方を質問攻めにしていました。

一般的には人文科学に属する考古学ですが、そこにはサイエンスの成果がふんだんに盛り込まれており、文理の境界を越えた現場のコラボレーションを知ることができました。

高校2年次の文理コース選択を控え、いずれのコースを選択しても、幅広い知識の積み重ねが必要なことに生徒達は気づいたのではないかと思います。

SS基礎 学外サイエンス学習がはじまりました -京都大学理学部研修-

  • SS基礎 学外サイエンス学習がはじまりました -京都大学理学部研修-
  • SS基礎 学外サイエンス学習がはじまりました -京都大学理学部研修-
  • SS基礎 学外サイエンス学習がはじまりました -京都大学理学部研修-
  • SS基礎 学外サイエンス学習がはじまりました -京都大学理学部研修-

 6月24日(火)の午後,高校1年生対象の学校設定科目「SS基礎」における本年度最初の「学外サイエンス学習」が行われました。この日は,同1年生52名の生徒が京都大学理学部に出向き,講義の聴講と施設の見学を行いました。

【京都大学理学部ならびに基礎物理学研究所湯川記念室見学】
 前半は,3人の先生方から順次ご講義をいただきました。
 最初に,坂東昌子先生から『高校生に望むこと―女性研究者として―』と題してご講義をいただきました。「湯川スピリット」と「コペンハーゲン精神」,人間のための科学を目指した「マリー・キュリー」,ナチ占領下におけるフランスで反戦活動に尽力した「ジュリオ・キュリー」そして国境を越えた科学者間の対等で平等な共同研究を目指した「ニールス・ボーア」についてお話し下さった後,先生ご自身が主宰されているNPO法人『あいんしゅたいん』の活動についてもご紹介下さいました。最後にお示し下さった『勉強することは自由になること(赤毛のアン)』というお言葉は,生徒にとって大変印象深く,研究者としてあるべき姿について考える良いきっかけとなりました。

 続いて,田中耕一郎先生から『光の物理学』と題してご講義をいただきました。ご講義の前半は「物理学を勉強するとどんなメリットがあるか」について,物理学者を目指す者達へ,生物や化学の研究をしたい者達へ,そして文系志望の者達へと,場合を分けて,それぞれ物理学を学ぶメリットについてわかりやすい例を交えてお話し下さいました。後半は『「光=電磁波」で見えない世界を視る』をテーマにして,「光の粒子性と波動性」,「γ線は霧箱で見ることができること」,「可視光は半導体で見ることができること」,「宇宙背景放射と宇宙の晴れ上がり」などについて学びました。また,ご講義では,黒いビニール袋は可視光に対しては不透明で中に何が入っているか分からないが,赤外線に対しては透明で袋の中が見えることや,可視光ではシリコン板は不透明であるが,赤外線に対しては透明であることなど,大変興味深い演示実験も見せて下さいました。そして「物理学は楽しい」というお言葉でしめくくられ,物理学への興味や学習意欲を一層深めることができました。

 最後に,早川尚男先生から『「15分で分かる湯川秀樹と基礎物理学研究所』と題してご講義をいただきました。まず,湯川秀樹博士の生い立ちから始まり,ノーベル賞受賞,そして基礎物理学研究所設立までの道のりを,設立精神とともにご説明下さいました。また,ご講義では,湯川博士は自然界の4つの相互作用のうちの1つである「強い相互作用」を発見されたこと,相互作用には粒子のキャッチボールが必要だということを明らかにされ素粒子物理学を切り開かれたことなど,湯川博士のご研究の意義について学びました。締めくくりにお示し下さった湯川博士のお言葉『一日生きることは一歩進むことでありたい』には大変深い感銘を受けました。 

 研修の後半は,ご講義でご紹介下さった「湯川記念館―湯川記念室」を見学させていただきました。そこは湯川博士が在籍時代にお使いになっていた所長室を湯川記念室として公開されている部屋であり,ご研究に関する専門書や資料などが所狭しと展示されていました。湯川博士直筆の論文も展示されており,貴重な経験をすることができました。

学外サイエンス学習『斑鳩フィールドワーク』を実施

  • 学外サイエンス学習『斑鳩フィールドワーク』を実施
  • 学外サイエンス学習『斑鳩フィールドワーク』を実施
  • 学外サイエンス学習『斑鳩フィールドワーク』を実施
  • 学外サイエンス学習『斑鳩フィールドワーク』を実施

 2月21日(金)に京都大学の吉川教授にお来しいただき、「古代斑鳩の土地計画を体感する」をテーマに生徒18名がフィールドワークを行いました。本校は矢田丘陵に位置し、斑鳩にも近く、歴史的にも非常に恵まれた場所に位置しています。その地の利を存分に活かし、実際に現地を訪れながら歴史を科学的に分析することの重要性を理解することを主眼としました。

 ルートは以下の通りです。

1 法隆寺(南大門~西大門~西院伽藍)   2 斑鳩宮跡
3 仏塚古墳(横穴式石室の見学) 4 法輪寺
5 三井の井戸見学 6 法起寺周辺条里


 まずは吉川教授に事前講義をしていただいた後、出発しました。法隆寺周辺はかつて聖徳太子一族が住んだ地域です。そこで、北で20度西に振れる道、北で8度西に振れる道が混在することが分かっています。北で20度西に振れる道は、飛鳥と斑鳩をつなぐ道と同じ角度です。また、その飛鳥で推古天皇を補佐したのが聖徳太子です。さらに、発掘の結果、聖徳太子の時代の、やはり北に20度ふれる建物跡が見つかっています。これらを勘案すると、飛鳥から斑鳩を含む壮大な土地計画のもと、聖徳太子一族が斑鳩の拠点作りを行ったことが想定されます。以上のような歴史的な背景を、現地に赴いて実際に歩き、目にすることで体感することができました。

 また、その後訪れた仏塚古墳の石室では、古代石室の築造技術を肌で感じることができました。次の法輪寺では仏像を見学しました。法隆寺にある仏像と形式的に似た同時代のものを見て、その関係性を理解し、仏像の彫刻様式にも話題は広がりました。さらに三井の井戸で古代井戸のレンガを見て、古代技術の高さを知りました。最後に法起寺周辺の条里制のあとを歩きました。1町=108mで画される古代の条里が非常に美しく残っていて、しかもきれいに南北に沿った形をしています。古代においてはその条里1区画あたり5人分の土地が支給されたことを、座学ではなく、実際に歩いて体感することができました。

学外サイエンス学習『文化財の科学分析に関する講義・ 実習(奈良教育大学訪問)』を実施

  • 学外サイエンス学習『文化財の科学分析に関する講義・ 実習(奈良教育大学訪問)』を実施
  • 学外サイエンス学習『文化財の科学分析に関する講義・ 実習(奈良教育大学訪問)』を実施
  • 学外サイエンス学習『文化財の科学分析に関する講義・ 実習(奈良教育大学訪問)』を実施
  • 学外サイエンス学習『文化財の科学分析に関する講義・ 実習(奈良教育大学訪問)』を実施

 2月20日(木)に、高校1年生37名が奈良教育大学へ学外サイエンス学習に出かけました。

 まずは奈良教育大学の青木先生にご案内いただき、大学構内の遺跡を見学しました。吉備真備の墓との伝承をもつ吉備塚や、当時東大寺をしのぐ規模であった新薬師寺の遺跡についてお話をうかがいました。

 見学の後は、青木先生から文化財の科学的な解析の手法と成果についてご講義をいただき、さらに出土遺物などを用いた観察と分析の実習を行いました。蛍光X線分析装置を用いた実習を行い、赤外線撮影装置の紹介もしていただきました。

 生徒達は出土遺物の実物に触れ、分析装置の操作を行うことで、考古学に果たす自然科学の役割を実感をもって知ることができたと思います。考古学研究において自然科学が大きな役割を担っていることを知り、文理のいずれの分野に進むにしても、幅広い学習と知識が必要なことを認識してくれたのではないかと思います。

SS基礎 学外サイエンス学習 大和ハウス工業総合技術研究所での研修

6_koriyamaSSH_20140217.jpg

 2月17日(月)の午後、高校1年生選択生徒21名が、奈良市の大和ハウス工業 総合技術研究所へ学外サイエンス学習に出かけました。

 奈良市左京には「ならやま研究パーク」と呼ばれる、企業の研究施設が隣接する地区があり、同研究所もその一角に立地しています。

 D'ミュージアムの1階にはコミュニティホールと呼ばれるビデオシアターがあり、ここでまずビデオガイダンスを受けました。創業者石橋信夫氏の人となり、起業に至る経緯や創業時から現在に至るまで受け継がれている理念について紹介され、その理念は今日、同社が掲げる「アスフカケツノ技術」というテーマに受け継がれていることを学びました。

 続いて、D'ミュージアムの3階の見学に入りました。ここには、世界各国の住居の模型が展示されており、その土地の自然環境と共生していく知恵を学ぶことができました。また、モンゴルのパオ(ゲル)や茅葺きの日本家屋の実物展示もあり、実際に入ることもできました。2階は、同社の創業から現在までの歴史を紹介する展示となっており、「パイプハウス」や「ミゼットハウス」といった開発当時の最先端の工業製品の実物展示の他、時代とともに変化していくようすを多数の模型によって、わかりやすく紹介されていました。

 テクノギャラリーは、本館1階にある見学者向けの展示スペースで、内部は同社で開発された最新技術の展示ゾーンや体感ゾーンなど、テーマ別に7つのゾーンに分けられており、単なるショールームとは一線を画す斬新な内容でした。特に生徒の興味をひいたのは、免震システムの体感ブースで、このブースでは、兵庫県南部地震の実際の地震データに基づく揺れを再現し、免震システムの効果を確かめることができました。また、フレンドリーデザインのゾーンでも、その巧みなつくりを見極めようとする生徒の姿が印象的でした。

 普段目に触れることのない建物の内部構造に関心を持ったり、普段目にするものにも様々な工夫が施されていることに気づくことができ、生徒にとって得るものの多い研修となりました。

SS基礎 学外サイエンス学習(環境実習Ⅰ) 大和川支流の水質調査

  • SS基礎 学外サイエンス学習(環境実習Ⅰ) 大和川支流の水質調査
  • SS基礎 学外サイエンス学習(環境実習Ⅰ) 大和川支流の水質調査
  • SS基礎 学外サイエンス学習(環境実習Ⅰ) 大和川支流の水質調査
  • SS基礎 学外サイエンス学習(環境実習Ⅰ) 大和川支流の水質調査

 2月17日(月)の午後、高校1年生選択生徒20名がSS基礎の環境実習Ⅰとして、県内の大和川支流に出かけて水質調査を実施しました。今までの環境実習Ⅰは、校内の学校林や棚田で行ってきましたが、この日はバスで5カ所の大和川本流と支流を回りました。4名で一つの班を作り、各班で協力して5カ所の川の水を採水し、パックテストを行いました。

 採水ポイントは、大和川本流(JR王寺駅付近),竜田川(竜田大橋付近),蘇我川(第2浄化センター付近),飛鳥川(第一浄化センター付近),富雄川(法隆寺国際高校付近)の5カ所です。生徒達は採水ポイントまで往復30分もかかる川もあり、苦労をして採水しては検査を繰り返しましたが、毎日親しんでいる校内の沢と比べ、その水質の検査結果や景観の違いに驚いていました。

 大和川は現在、汚染度国内ワーストワンは免れています。とはいえ、山里海のつながりの中で、里から中流域の川の汚染度やゴミの多い景観から、どのように川の再生と保全を果たしていけばよいのか、多くの課題をもらうことのできた実習でした。

SS基礎学外サイエンス学習 関西光科学研究所

  • SS基礎学外サイエンス学習 関西光科学研究所
  • SS基礎学外サイエンス学習 関西光科学研究所
  • SS基礎学外サイエンス学習 関西光科学研究所
  • SS基礎学外サイエンス学習 関西光科学研究所

 2月13日(木)の午後,高校1年生78名が,独立行政法人 日本原子力開発機構 関西光科学研究所(木津地区)でSS基礎学外サイエンス学習を行いました。

 まず,DVDの視聴を通して関西光科学研究所の木津地区と播磨地区の施設と研究分野の概要について学習しました。DVDでは,レーザーとは何か,その特徴や性質についても学ぶことができました。

 その後,研究員の加道雅孝先生に実験棟の見学をさせて頂き,木津地区にはどのような実験装置があり,どのような研究が行われているのかをDVDよりもさらに詳しく学ぶことができました。生徒達は,見学用の窓を通して見える実験装置群に興味津々の表情を示していました。そして,加道先生から,30フェムト秒(100兆分の3秒)という非常に短い時間に300兆ワットもの大出力を誇る「高強度レーザー装置」や,X線レーザーを用いた顕微鏡の開発・研究,がんの治療に有効な「重粒子線治療機器」のコンパクト化に向けた研究などについて説明を受け,生徒達はレーザー技術の応用面や有用性に興味・関心を深めることができました。

 見学の後,生徒達は不要になったCDを用いた「分光器」の製作をしました。研究所オリジナルの設計で,手軽に光を分光できることに感動しました。蛍光灯の光は,実はいろいろな色の光の集まりであることを体験的に学ぶことができました。

 最後に,研究所に併設されている科学館「きっづ光科学館ふぉとん」を自由見学させて頂きました。そこでは,光の基本的な性質から最先端の光利用技術まで,光の不思議さに触れながら楽しく学ぶことができました。

学外サイエンス学習 京都大学桂キャンパス 工学研究科

  • 学外サイエンス学習 京都大学桂キャンパス 工学研究科
  • 学外サイエンス学習 京都大学桂キャンパス 工学研究科

 3学期の学外サイエンス学習がはじまりました。1月27日(月)高校1年の選択生徒21名で,京都大学桂キャンパスの工学研究科にお伺いしました。講師の先生は本校の卒業生でもある後藤忠徳先生です。先生は地中レーダーなどを利用した地下探査がご専門で,地盤の構造解析,地下水や地下資源の探査,防災の観点からの活断層探査など,多角的に探査技術の研究・開発を行っておられます。

 まずはじめに,工学部地球工学科についてご説明いただきました。桂キャンパスは,大学院生が研究に専念するための環境が整えられており,学部生も卒業研究を始める4回生からはこちらのキャンパスで生活するとのことでした。学生は1学年あたり200名あまりと学部規模の在籍数ですが,その指導にあたるスタッフもほぼ同数おられるとのことで,きめ細かい指導がなされているようすでした。また,卒業後の進路についてもご説明いただきました。9割以上の学生が大学院に進学するとのことで,企業就職した後も大学と連携した研究の道が拓けていることがわかりました。生徒にとっては,進路選択の具体例を垣間見ることができたようです。

 後藤先生のお話の後,館内施設を見学させていただきました。まず,お邪魔したのは,水理乱流力学がご専門の岡本隆明先生の研究室です。この時期,学部生は卒論,院生は企業説明会などで忙しいとのことで,岡本先生直々にご説明いただきました。研究室内には大きな実験用の水路が設置され,流速の三次元解析や河床保護の研究をされているとのことでした。水害の被害予想や対策,防災といった環境保護の視点に立った研究が求められているというご説明が印象に残りました。

 次に,後藤先生のご専門であるレーダー探査のデモンストレーションを見学させていただきました。通路でレーダーを動かすと,モニターに波形が表示され,その変化から通路下のコンクリート内部のようすがわかります。地下構造を目の前で具体的に読み解いていただいたので,生徒たちにとって大変わかりやすく興味深い見学となりました。

 見学の後,後藤先生からご講義をいただきました。地底を探る「物理探査」とは,実際に穴を掘ったりせず,電波や音波などを用いて行うものです。その必要性について,「人の身体を調べるときと同じ」というご説明が印象的でした。身体を調べるとき,いきなり手術せずCTやMRIで調べるように,地下を調べるときも闇雲に掘ったりしないで,まずは物理探査というわけです。しかも掘れる深さにも限界があり,深深度の地下探査や海洋底の探査には,物理探査が欠かせないということがよく解りました。

学外サイエンス学習 京都府立大学

  • 学外サイエンス学習 京都府立大学
  • 学外サイエンス学習 京都府立大学
  • 学外サイエンス学習 京都府立大学
  • 学外サイエンス学習 京都府立大学

 12月2日(月)に、高校1年生61名が京都府立大学生命環境学部付属農場へ学外サイエンス学習に出かけました。人数が多いので、2グループに分けて、同大学のお二人の教授の先生方から交互に講義と実習をしていただきました。

 まず一グループは、花卉園芸学がご専門の寺林先生より水耕栽培についてのお話をいただきました。水耕栽培は、植物の育成に必要な養分を培養液として与えるので、養液栽培と言われているそうです。養液栽培は、作業姿勢が楽になることや、与える肥料の配合によって必要な用途の野菜(例えば病気の人のための低カリウムトマトなど)が作られることなど、いい面もたくさんありますが、初期投資が大きいことや、技術者、研究者が少ないことなど問題点もあるそうです。そして、植物工場では土を一切使わないので、無菌、無農薬で生産でき、人工光を使えば季節、天候にも左右されずに野菜を供給できるそうです。また、トマトや葉菜類だけでなく、ニンジンなどの根菜類も養液栽培で作れることに驚きました。お話の後は、農場にあるハウスを見学させていただきました。

 そしてもう一グループは、果樹園芸学がご専門の本杉先生による柿についてのお話と実習からスタートしました。果実の成熟と味についてや、果実と動物との関わりについて教えていただきました。ヒトは野生植物を品種改良することで、様々な摂食阻害物質の濃度を減らしてきました。さらに、あく抜きをするなど、食べるための工夫もしています。一つの例として柿について取り上げていただきました。野生に近い種類を含め6種類の柿を用意していただき、その渋の量や、味を確認しました。生徒たちは実際に渋柿を食べてみたり、渋の成分による薬品の色の変化を確認できたので印象に残った実習となったようです。

 寺林先生と本杉先生には、生徒のために各々2回ずつ研修をしていただき、感謝いたします。

SS基礎学外サイエンス学習 奈良教育大学

  • SS基礎学外サイエンス学習 奈良教育大学
  • SS基礎学外サイエンス学習 奈良教育大学
  • SS基礎学外サイエンス学習 奈良教育大学
  • SS基礎学外サイエンス学習 奈良教育大学

 11月28日(木)に、高校1年生40名が奈良教育大学へ学外サイエンス学習に出かけました。

 最初に、奈良教育大学の青木先生にご案内いただき、大学構内の吉備塚古墳や新薬師寺旧境内遺跡などを見学しました。吉備塚から見つかった珍しい環頭太刀や、新薬師寺遺跡が「幻の寺院」の当時の姿を明らかにする大発見であったことなどについて、お話をうかがいました。

 見学の後は、まず、文化財科学を専攻する大学生の方から、卒業研究に関わる文化財の3次元計測についてお話をうかがいました。続いて、青木先生から文化財の科学的な解析の手法と成果についてご講義をいただき、さらに出土遺物を用いた観察と分析の実習を行いました。分析実習では、可搬型蛍光X線分析装置を用いて瓦や磁器などの出土遺物の成分分析を行い、赤外線撮影装置による江戸時代の絵馬の観察も行いました。

 青木先生には、11月21日(木)に本校で、「第5回SS出前講義」の講師として文化財科学についてご講義を行っていただきました。今回の実習では、生徒達は出土遺物の実物に触れ、分析装置も自ら操作させていただき、ご講義でうかがった考古学における自然科学の役割を実感できたことと思います。

 考古学研究において自然科学が大きな役割を担っていることは、生徒たちには新鮮な驚きであったと思います。文理のコース選択を控えて、いずれのコースを選択しても幅広い学問が必要なことを認識してくれたのではないかと思います。

学外サイエンス学習 京都大学桂キャンパス 工学研究科

  • 学外サイエンス学習 京都大学桂キャンパス 工学研究科
  • 学外サイエンス学習 京都大学桂キャンパス 工学研究科
  • 学外サイエンス学習 京都大学桂キャンパス 工学研究科
  • 学外サイエンス学習 京都大学桂キャンパス 工学研究科

11月25日(月)午後、高校1年生42名はSS基礎の授業として、京都大学桂キャンパスの工学研究科で学外サイエンス学習を行いました。ご担当の先生は本校の卒業生であり、資源工学講座で応用地球物理学がご専門の後藤忠徳先生です。先生は、電波や音波、地震波などを地下に発し、その物理的振る舞いから地下の構造を探る「物理探査技術の研究・開発」などを行っておられます。

最初に、後藤先生から工学部地球工学科の概要についてお話しをいただきました。「地球工学科って何を研究するところなの? 教員の数や学生の数は? キャンパスライフはどんな感じ?」といったことに加え、大学院への進学状況やキャリアパスに至るまで、生徒達が進路を考える上で大変参考になるお話しをして下さいました。

次に、生徒達は見学と実習をさせていただきました。
まず、構造工学講座橋梁工学研究室の服部洋先生に風洞実験室を案内していただきました。そこでは風洞実験器を見学しながら、橋の模型に人工風を当て、その物理的振る舞いから、実際の橋の自然風に対するゆれ方や強度を実験的・理論的に予測するといったことを教わりました。生徒達は、普段何気なく渡っている橋が、このような研究の結晶であることに気づき、土木工学に対する興味・関心を深めることができました。

地下レーダーの実習では、後藤先生が生徒に廊下でレーダー装置を引かせて下さいました。廊下の地下構造の探査を通して、地下探査の目的や応用面について教わりました。モニターに表示される波形の変化が床下の構造物を正確に反映していることに生徒達は驚かされました。

最後に、後藤先生からご講義をいただきました。ご講義では、物理探査の意義と目的、その方法について、探査の例を交えながらわかりやすくお話し下さいました。ご講義の締めくくりでは、「勉強」と「研究」の違い、生徒達が今学校で学んでいる数学や英語、理科といったものが、大学入学後「研究」というステージに立ったとき、きっと役に立つ、といったお言葉もいただき、生徒達は改めて普段の学習の大切さを実感することができました。

学外サイエンス研修 大阪府立環境農林水産総合研究所 水生生物センター

  • 学外サイエンス研修 大阪府立環境農林水産総合研究所 水生生物センター
  • 学外サイエンス研修 大阪府立環境農林水産総合研究所 水生生物センター
  • 学外サイエンス研修 大阪府立環境農林水産総合研究所 水生生物センター
  • 学外サイエンス研修 大阪府立環境農林水産総合研究所 水生生物センター

 11月18日(月)と11月25日(月)の午後、高校1年生計61名が2回に分かれ、大阪府立環境農林水産総合研究所 水生生物センターへお邪魔し、学外サイエンス学習を行いました。

 大阪府寝屋川市木屋元町の淀川堤防道路にバスを停車し、淀川の様子を見ながら、18日(月)は太間排水機場の会議室へ、25日(月)はセンターまで歩きました。最初に、主幹研究員 上原 一彦 先生の「生物多様性の保全とセンターの業務」に関するご講義を受講しました。ご講義の最後には、この淀川のワンドに生息するコイ科の天然記念物魚類イタセンパラを保護するために、先生が設立された市民ネット、イタセンネット活動の紹介がありました。

 後半のセンター内見学は本館の展示水槽に移動し、数十匹のイタセンパラの成魚に対面しました。まだ婚姻色を残しているオスの美しい姿を実際に見ながら、産卵行動のビデオを鑑賞し、その不思議な生態に生徒達は驚いていました。残りの時間は、他の琵琶湖淀川水系の淡水魚の紹介や飼育池を案内していただき、淡水魚の生物多様性保全に多くの研究者や市民が関わっていることを学び、センターを後にしました。

学外サイエンス研修 奈良県立橿原考古学研究所

  • 学外サイエンス研修 奈良県立橿原考古学研究所
  • 学外サイエンス研修 奈良県立橿原考古学研究所
  • 学外サイエンス研修 奈良県立橿原考古学研究所
  • 学外サイエンス研修 奈良県立橿原考古学研究所

10月7日(月)に引き続き、11月18日(月)の午後、高校1年生20名が県立橿原考古学研究所で学外サイエンス学習を行いました。

まず、主任研究員 奥山 誠義 先生の「保存科学」に関するご講義「文化財と保存科学~過去を探り遺すための科学~」を受講しましたが、ご講義の中で、1300年前の出土木材を直接手に取らせていただくなど、実物に触れることでその感触を確かめることができ、生徒にとって印象深い体験となりました。

後半の研究所内見学は、総括研究員 吉村 和昭 先生にご案内いただき、遺物収蔵庫や図書室、保存科学棟などを見学しましたが、なんといっても生徒達が感激したのが整理作業室での遺物の修復作業見学でした。生徒達は、遺物へのラベル転写や石膏を使った土器の修復作業を食い入るように見つめていました。また、吉村先生のご専門の3次元レーザー計測を利用した、古代の甲冑の3D復元も、その精度の高さに驚かされました。

文系分野と思っていた「考古学」の世界が、いかに最新の科学的知見で支えられているかを知ることができ、生徒達にとって意義深い学習になりました。

SS基礎学外サイエンス学習 大阪教育大学

  • SS基礎学外サイエンス学習 大阪教育大学
  • SS基礎学外サイエンス学習 大阪教育大学
  • SS基礎学外サイエンス学習 大阪教育大学
  • SS基礎学外サイエンス学習 大阪教育大学

11月18日(月)の午後、高校1年生63名が大阪教育大学でSS基礎学外サイエンス学習を行いました。今回は、理科教育講座 物理・モダン物性研究室で科学館活動を行っておられる学生スタッフの方々による、いろいろな実験を見学・体験させていただきました。

はじめに、スタッフ代表の西村祐紀様から科学館活動を行う意義や活動内容などを説明していただきました。身近に科学館を体験してもらおうというコンセプトで、大学内に科学館を再現したり、小・中・高校へ出張して様々な実験を行う「出張科学館」といった活動をされています。

さて、いよいよ実験の始まり。教室には数多くの実験ブースが用意され、まさに「科学館」!生徒達は5グループに分かれ、順次各ブースを回りました。偏光板を用いたトリッキーなもの、光の三原色、宙に浮くコマ、太陽光発電を用いたスマートハウスの模型、光ファイバー通信、ジャイロ効果、空気砲のゲーム、浮力の原理、カルマン渦など、数多くの実験を見学・体験させていただきました。そして驚いたのが、それら実験装置のほとんどすべてが手作りで、親しみを覚えるものばかりでした。また、スタッフの方々は気軽に生徒達に話しかけて下さり、生徒達も楽しく質問することができました。最後に、気化したアルコールを燃焼させてペットボトルを飛ばす実験と粉じん爆発の演示実験で最高潮に達した後、「科学館」は幕を閉じました。

今回の研修は、身近ではあるが、なかなか体験できない諸現象を楽しく学ぶことのできる大変有意義なものでした。これでまた、生徒達の科学的知識と科学に対する興味・関心は一層深まったことでしょう。

SS基礎学外サイエンス学習 神戸大学理学部素粒子論研究室

  • SS基礎学外サイエンス学習 神戸大学理学部素粒子論研究室
  • SS基礎学外サイエンス学習 神戸大学理学部素粒子論研究室
  • SS基礎学外サイエンス学習 神戸大学理学部素粒子論研究室
  • SS基礎学外サイエンス学習 神戸大学理学部素粒子論研究室

10月24日(木)の午後、高校1年生38名が神戸大学理学部でSS基礎学外サイエンス学習を行いました。今回は、素粒子論研究室の坂本眞人先生から「素粒子と宇宙」と題してご講義をいただきました。

まず前半では、つる植物や巻き貝の巻き方、光学異性体の旋光性、DNAの二重らせん、人体の臓器配置や顔の左右非対称性、右利きと左利きなど、「自然界における左と右」について広くご紹介下さいました。そしてお話しは「粒子・反粒子の対称性の破れ」に至り、「宇宙誕生時、粒子と反粒子が対消滅を起こして光に変わったが、「粒子」と「反粒子」の対称性がわずかに破れていたために、対消滅を免れたわずかな「粒子」がこの宇宙の「物質」をつくっているのだ」という大変興味深いことを教わりました。

そして後半、「素粒子を制する者は、宇宙を制す」というテーマでお話しをいただきました。宇宙組成の約5%は「物質」で、残り約95%を占める「暗黒物質」と「暗黒エネルギー」の謎を解く鍵は素粒子物理学にあることなど、「素粒子を知ることは宇宙を知ることにつながり、宇宙を知るためには素粒子を知る必要がある」ということをわかりやすく教えて下さいました。他にも,力と素粒子の関係や、ヒッグス粒子と質量、重力と時空間のゆがみ、ブラックホールなども登場し、生徒達の興味・関心は一層深まりました。

生徒達にとって、今回の研修は難しい内容であったにもかかわらず、素粒子物理学に大きな魅力を感じることができ、大変有意義なものとなったようです。

SS基礎学外サイエンス学習 神戸大学理学部

  • SS基礎学外サイエンス学習 神戸大学理学部
  • SS基礎学外サイエンス学習 神戸大学理学部

10月7日(月)、高校1年生21名が神戸大学理学部に学外サイエンス学習に行きました。

初めに野呂先生より、理学部および各学科の紹介をしていただきました。各科における研究テーマや特徴などとともに、各科が求めている人材について説明を受けました。どの科にも共通するメッセージとして、専門科目だけに偏らず、自然科学全般に興味を持って取り組む姿勢の重要性が強調されていました。「個性的な人が多い」という学生からの声も紹介されていましたが、個性を育てる校風がもたらした成果であると感じました。

続いて、林先生の模擬講義を聴講させていただきました。世界史を変えた化学物質と題し、「スパイス」がもたらした大航海時代を中心に化学物質にまつわるいろいろなお話しをしていただき、生徒も興味深く耳を傾けていました。ヨーロッパの人々が危険を冒してまでスパイスを欲した理由は、肉の保存や香り付けのためというのが定説ですが、林先生の仮説によりますと、スパイスがもつ化学的な構造が、脳内で快楽物質を分泌させるため、その習慣性からスパイスを強く欲したのではないか、とのことです。その根拠として、香辛料全般にみられる化学構造の共通性や麻薬物質との類似性について解説していただきました。

講義終了後、学生の方に案内していただき、校内各所を見学しました。敷地は山の斜面に配置されているので、その標高差は最大100mとのことでした。出光佐三記念六甲台講堂、山口誓子記念館などを巡って帰路につきました。

模擬授業では、歴史の見方として、従来とは違う切り口を教えていただきました。一面的な見方では理解が及ばないことも、視点を変えることによって新たな地平が拓けることが実感できたのではないでしょうか。

SS基礎学外サイエンス学習 奈良県立橿原考古学研究所

  • SS基礎学外サイエンス学習 奈良県立橿原考古学研究所
  • SS基礎学外サイエンス学習 奈良県立橿原考古学研究所
  • SS基礎学外サイエンス学習 奈良県立橿原考古学研究所

10月7日(月)に、高校1年生41名が奈良県立橿原考古学研究所へ学外サイエンス学習に出かけました。

最初に、奥山誠義先生のご講義「文化財と保存科学~過去を探り遺すための科学~」を受講しました。文化財保存に果たす自然科学の役割について、ご講義をいただきました。埋蔵文化財の原材料による出土状況の違い、また、それに応じた保存作業を中心に、お話を伺いました。薬剤含浸法や真空乾燥凍結法による木製品の保存、サビなどの除去作業(クリーニング)や脱塩処理・被覆処理による金属製品の保存、さらには蛍光X線分析などについて学習しました。講義の中では、1300年前の出土木材など、実物資料を手に取らせていただき、生徒にとって印象深い体験となったようです。

講義の後は、研究所の施設を案内していただきました。木製出土品に合成樹脂を浸透させる設備、出土土器の修復作業、また遺物の収蔵庫や調査に伴う図面や写真の保管庫などを見せていただきました。研究所へお伺いしなければ目にすることのできないものばかりで、生徒たちも講義の内容を、実感をもって理解することができたのではないかと思います。

一般には人文科学に属するとされる考古学の分野に、自然科学の研究成果がこれほどまでに大きな役割を果たしているのを知ることは、生徒たちに新鮮な驚きだったのではないかと思います。高校2年次の文理のコース選択を控えて、いずれのコースを選択しても幅広い問の必要性に気づいてくれたのではないかと期待しています。

SS基礎学外サイエンス学習 神戸大学理学部素粒子論研究室・粒子物理学研究室

  • SS基礎学外サイエンス学習 神戸大学理学部素粒子論研究室・粒子物理学研究室
  • SS基礎学外サイエンス学習 神戸大学理学部素粒子論研究室・粒子物理学研究室
  • SS基礎学外サイエンス学習 神戸大学理学部素粒子論研究室・粒子物理学研究室
  • SS基礎学外サイエンス学習 神戸大学理学部素粒子論研究室・粒子物理学研究室

9月30日(月)と10月3日(木)の午後、それぞれ41名と40名の高校1年生が神戸大学理学部の素粒子論研究室と粒子物理学研究室でSS基礎学外サイエンス学習を行いました。

まず、素粒子論研究室では坂本眞人先生から「素粒子と宇宙」についてご講義をいただきました。講義では、「素粒子を知ることは宇宙を知ることにつながり、宇宙を知るためには素粒子を知る必要がある」ということや、つる植物や巻き貝・光学異性体など、生物や化学における「左右対称性」を概観した後、「粒子・反粒子対称性」について学び、「対称性の破れがこの宇宙を創った」という大変興味深いことを教わりました。

それから生徒たちは、粒子物理学研究室の越智敦彦先生と竹内康雄先生に研究室を案内していただきました。研究室では、「暗黒物質」を見つけるための最先端の研究と、そのために必要な装置の開発・製作などについて教えて下さいました。

最後に、素粒子・宇宙物理学実験で広く用いられている光センサー「光電子増倍管」の実物を見学し、その性能のすごさと大きさに驚かされました。

今回、受講生徒に実施したアンケートでは「難しい内容ではあったが、興味が湧きとても面白かった」という感想が目立っていました。これでまた「素粒子」が将来の進路の選択肢に加わったのではないでしょうか。

高校1年生学外サイエンス学習~神戸大学理学部

  • 高校1年生学外サイエンス学習~神戸大学理学部
  • 高校1年生学外サイエンス学習~神戸大学理学部
  • 高校1年生学外サイエンス学習~神戸大学理学部
  • 高校1年生学外サイエンス学習~神戸大学理学部

9月30日、高校1年のA,B,Cクラス63名が神戸大学理学部に学外サイエンス学習に行きました。

まず、樋口 保成先生の「ランダムネスの起源」についての講義を受講しました。予測できない事について、研究を積み重ねれば予測の精度があがる事もありますが、本当に「デタラメ」におこるように見えることも多くあり、このようなことがなぜおこりうるのかということについての研究の歴史を学びました。待ち行列の理論など難しい数学の理論が日常生活にも活かされていることも分かり、数学の奥深さを感じたようです。

次に、乙藤 洋一郎先生の「日本は二本(日本列島の形成史)」についての講義を受講しました。日本列島の形成史を古地磁気学と年代学の組み合わせで試行錯誤しながら明らかにされてきた研究の歴史とその研究の舞台裏なども教えていただきました。研究の結論は「日本はアジア大陸の縁辺部にいた。日本は日本海が出来た1500万年前に大陸からチギレた。日本は二本であった。」というものでしたが、その証拠には治虫やメダカ系統が関わり、いろいろな分野の知識が融合されて研究がおこなわれていることを学んだようです。

いずれの講義も模擬講義として大学1年生に対するものとほぼ同じレベルでしていただいたため、少し難しく感じることもあったようですが、研究の面白さや奥深さなど大学での勉強を楽しみに思える経験をしたように思います。

高校1年生 学外サイエンス学習 ~神戸大学 海事科学部(2)

  • 高校1年生 学外サイエンス学習 ~神戸大学 海事科学部(2)
  • 高校1年生 学外サイエンス学習 ~神戸大学 海事科学部(2)
  • 高校1年生 学外サイエンス学習 ~神戸大学 海事科学部(2)
  • 高校1年生 学外サイエンス学習 ~神戸大学 海事科学部(2)

9月26日(木)の午後、高校1年生78名が先週に引き続き神戸大学海事科学部へ「SS基礎学外サイエンス学習」に行きました。今回は前回と異なり、施設見学と実習が中心でした。海事科学部で学んでいる3人の本校卒業生の誘導で見学・実習場所へ行くと、そこでは多くの先生方やTAの方々が私たちを温かく迎えて下さいました。

大学の練習船「深江丸」では、TAの方々がまるで船内を探検するかのように私たちを案内して下さいました。そこではエンジンや燃料、機器類の説明の他、寝室やトイレといった船内生活に必要な設備も見せていただきました。

一方、船の運航技術を学ぶ「ナビゲーションシミュレーター」や船のエンジンの動かし方やトラブルの対処法などを学ぶ「機関シミュレーター」の実習では、先生方やTAの方々の専門的な説明を受けながら、実際に操作盤に触れたり、舵をとらせていただいたりしました。まるで実際の船内にいるかのような感覚に生徒達は緊張しつつも楽しく学ぶことができました。

そして「海事博物館」では、海事に関する貴重な資料が数多く展示されていて、それらについて先生は私たちにていねいにわかりやすく説明して下さいました。そこで生徒達は海事の歴史的な知見を広めることができました。

各見学場所や実習場所では、普段見ることができないものを見せていただいたり、貴重な体験をさせていただいて、生徒達は船や海事への科学的および歴史的な興味・関心を深めることができました。

最後に、大学の先生にも加わっていただいて、私たちを誘導してくれた本校卒業生との懇談会に臨みました。生徒からの「高校のときに受験を意識しはじめたのはいつか?」、「大学生活で何が一番楽しいか?」、「予習はどのようにすればよいか?」といった質問にていねいに答えて下さいました。

前回と今回のサイエンス学習で、生徒達は海事科学という分野への興味・関心を深化させることができただけでなく、海事科学という分野が将来の進路選択の1つとして重要な位置を占めることになったのではないでしょうか。

高校1年生 学外サイエンス学習 ~神戸大学 海事科学部

  • 高校1年生 学外サイエンス学習 ~神戸大学 海事科学部
  • 高校1年生 学外サイエンス学習 ~神戸大学 海事科学部
  • 高校1年生 学外サイエンス学習 ~神戸大学 海事科学部
  • 高校1年生 学外サイエンス学習 ~神戸大学 海事科学部

9月19日、高校1年のD,Eクラス68名が神戸大学海事科学部に学外サイエンス学習に行きました。
まず、宋明良先生から神戸大学と海事科学部の説明を拝聴しました。海事科学部の研究がいろいろな分野に及び、文系分野から理系分野まで選択可能であることを教わりました。

そのあと本校31期卒業生の武田翼さんのキャンパスライフについての説明がありました。定期テストや友達を大切にしてほしいなど、先輩ならではの後輩への熱いアドバイスがありました。

次に、2班に分かれ講義を受けました。A班は、石黒一彦先生の「国際港湾と貿易の将来展望」を拝聴しました。港が変わると貿易がどのように変わるのか、今後の貿易の変化に対応するために港はどうあるべきなのかなど、港と貿易の関係を考え、港に関する政策を立案するための方法について、数理的な手法を学びました。工学部出身の先生がその知識を応用させ、経済学的な研究をなさっていることを知り、生徒たちは、将来の進路には関係なく、今している勉強は全て無駄にならないことを学んだようです。

B班は、谷池晃先生の「粒子ビームと核融合炉」を拝聴しました。現在、核融合反応を用いて発電を行う核融合炉実現に向けての研究開発が国際協力の下で行われていることや粒子ビームは核融合炉内のプラズマ加熱や計測に利用されていることなど粒子ビームの核融合炉への応用について解説して頂きました。核融合と核分裂の違いやその安全性の違いなど、生徒たちは次々と質問をし、理解を深めていました。

今回の研修で、生徒たちは、今後訪れる進路選択の際の大切な考え方を学んだと思います。

近畿大学原子力研究所へ学外サイエンス学習に行きました

  • 近畿大学原子力研究所へ学外サイエンス学習に行きました
  • 近畿大学原子力研究所へ学外サイエンス学習に行きました
  • 近畿大学原子力研究所へ学外サイエンス学習に行きました
  • 近畿大学原子力研究所へ学外サイエンス学習に行きました

6月27日(木)午後、高校1年生38名が近畿大学原子力研究所へ学外サイエンス学習に行きました。

まず、研究所の若林源一郎先生による講義を拝聴し、放射線の基礎知識や線量計の使い方などについて学びました。そして実際に、クリスタルガラス・御影石・乾燥コンブ・湯の花・肥料といった身近な試料のβ線計数率の測定と大学構内のγ線線量率の測定を行いました。生徒達は、身近な物からも放射線が出ていること、普段の生活環境内でも自然放射線にさらされていることなど、計測実習を通して実感することができました。
     
実習の後は、原子力に関する研究・教育を目的とする原子炉「UTR-KINKI」を見学させていただきました。厳しいセキュリティチェックを経て、生徒達は緊張した面持ちで原子炉が設置されている場所へと入りました。そこでは研究所の堀口哲男先生が、核分裂反応のしくみ、UTR-KINKIのしくみ、燃料棒のしくみ、制御棒のしくみなど、パネルや模型を用いてわかりやすく説明して下さいました。また、実際に原子炉の上にまで上がらせていただくという貴重な体験もさせていただきました。生徒達は、初めて目にする原子炉に驚きながら、堀口先生のお話に熱心に耳を傾けていました。

今回の研修で、生徒達は放射線や原子力に関する知識や理解を深めるとともに、原子炉を実際に見るという貴重で有意義な体験をすることができました。

第1回学外サイエンス学習を行いました

  • 第1回学外サイエンス学習を行いました
  • 第1回学外サイエンス学習を行いました
  • 第1回学外サイエンス学習を行いました
  • 第1回学外サイエンス学習を行いました
 6月17日(月)の午後、高校1年生対象の学校設定科目「SS基礎」における本年度最初の「学外サイエンス学習」が行われました。この日は、42名の生徒が神戸大学理学部の素粒子論研究室と粒子物理学研究室へ、61名の生徒が大阪府立環境農林水産総合研究所水産技術センターへ出向き、それぞれ講義の聴講や研究施設の見学などを行いました。


【神戸大学理学部にて】

 神戸大学理学部では、まず、素粒子論研究室の坂本眞人先生から「素粒子と宇宙」と題してご講義を頂きました。講義では「物質・力・時空の根源はすべて素粒子であり、自然は単純さを好む」ということを教わりました。また、それらを統一的に記述する究極の理論(万物の理論)の有力候補である「超弦理論」の考え方にも触れて頂き、素粒子を知ることは宇宙を知ることにつながり、宇宙を知るためには素粒子を知る必要があるという、素粒子物理学(ミクロ)と宇宙物理学(マクロ)の表裏一体性についても分かりやすく説明して下さいました。

 その後、粒子物理学研究室の山崎祐司先生には研究室の見学をさせて頂きました。研究室では、電気を持たないがゆえに光らない「暗黒物質」をどのようにして見つけようとしているのか、そしてそのために必要な装置を開発・製作しているといった最先端の研究などについて、設備の紹介を交えながら教えて頂きました。最後に、素粒子・宇宙物理学実験で広く用いられている光センサー「光電子増倍管」の実物を見学し、その性能のすごさと大きさに驚かされました。

 今回、神戸大学理学部へ初めて足を踏み入れた生徒達は、大学での授業や研究の現場を直に体感することができ、サイエンスへの興味関心が一層深まったようです。


水産技術センターにて
水産技術センターにて

水産技術センターにて
水産技術センターにて
clb

【大阪府立環境農林水産総合研究所水産技術センターにて】

 水産技術センターは大阪府岬町の海岸沿いにあります。奈良県の生徒たちにとって海を見る機会は少なく、センターに着いて海が見えた時には、歓声が上がっていました。

 今回は、センター主任研究員の鍋島靖信先生に「水産技術センターの役割―環境・漁業・生物多様性―」というテーマでお話をしていただきました。

 まず、センターで取り組まれている、大阪湾の環境保全・改善や、水産資源の管理などについてのお話がありました。魚が食べているものを調べることにより分かること、海底の地形と水の流れについて、アナゴの漁獲量の変化から分かること、などのお話がありました。また、採卵から放流までの栽培漁業のながれも教わりました。

 講義の後は、施設の見学です。まだ小さいマコガレイやオニオコゼの水槽など、栽培漁業センターの現場を見せていただきました。大きな水槽にとても小さなクロダイの稚魚が50万匹も泳いでいる様子に生徒たちはこれがみんな「大きなタイ」になるのかと驚いていました。また、クロアナゴ、ナマコ、ヒトデなどの海の生き物にも実際に触れさせていただき、とても楽しい充実したひと時を過ごすことができました。

高校1年生 学外サイエンス学習 ~ 京都大学工学部桂キャンパス

  • 高校1年生 学外サイエンス学習 ~ 京都大学工学部桂キャンパス
  • 高校1年生 学外サイエンス学習 ~ 京都大学工学部桂キャンパス
  • 高校1年生 学外サイエンス学習 ~ 京都大学工学部桂キャンパス

2月18日(月)午後、高校1年生32名はSS基礎の授業として、京都大学工学部桂キャンパスで学外サイエンス学習を行いました。ご担当の先生は本校の卒業生であり、工学研究科社会基盤工学専攻資源工学講座で、応用地球物理学がご専門の後藤忠徳先生です。

先生の研究室では、電波や音波、地震波などを地下に発し、その物理的振る舞いから地下の構造を探る物理探査技術の研究・開発などが行われています。

まず私たちは、地震計・地下に電波を発してその反射から地下構造を探る地下レーダー・大型水槽の中に置かれた小さな物体の位置などを超音波の反射から探り当てる実験装置などを見学しました。実際に生徒が地下レーダーを操作して床下の構造を探るという体験もさせて頂きました。装置を床に這わせるだけで床下の構造が分かることに生徒達は興味津々でした。

それから院生室を見学させて頂いた後、後藤先生から地球工学科の紹介と就職最前線についてお話しを頂き、あわせて地球工学科4回生の石倉一樹さん(本校卒業生)から研究テーマや一日の過ごし方などについてもお話しを頂きました。

そして最後に、後藤先生から「地下を見る・診る・観る技術」と題し、電波や音波、人工地震波などを用いて地下を探る物理探査について、具体的な探査結果などを交えながら説明して頂きました。

地下探査技術だけでなく、地球工学や就職、研究室の様子までも知ることができ、生徒達は充実した時間を過ごしました。