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第5回SS出前講義「遺伝子・ゲノムをみる」を開催しました。

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 本校のサイエンス館視聴覚教室において、11月18日(金)、講師に分子細胞遺伝子の研究を専門とされている大阪教育大学の向井康比己先生をお迎えし、第5回SS出前講義を行いました。

 今回のテーマは、「遺伝子・ゲノムをみる」でした。向井先生はスライドを使って、なぜ自分が化学に興味を持つようになったのか、そして化学の何が面白いのかなどについて、ご自身の生い立ちや感銘を受けた本や人物を通して、生徒に分かりやすくお話ししてくださいました。

 講義では、最初に、一番の愛読書でミクロの世界に興味を抱くきっかけになった本として、植物学者の牧野富太郎博士の『日本植物図鑑』を紹介されました。また、シュレーディンガーなどが著した『生命とは何か』に感銘を受けたことにも触れられました。そして、植物などの斑入り染色体の観察で、遺伝子が染色体の中を動くという発見をし、83歳の時にノーベル生理学・医学賞を受賞したバーバラ・マクリントックによる染色体の研究も大いに感化された研究内容の一つとして挙げられました。
さらに、ノーベル賞は生きているうちしかもらえない賞なので、長生きすることと、人とはちょっと違うことでもコツコツと努力をすることが大事だとアドバイスされました。

 続いて、遺伝子学の中での最重要アイテムは「顕微鏡」であること。その顕微鏡を発明したのはヤンセン親子であり、初めて顕微鏡を使ってミクロの世界に足を踏み入れた人物は、「フックの法則」を発見したロバート・フックであることを紹介されました。
 一方、日本における植物生理学で欠かせない人物として木原均博士を挙げられました。木原博士は、「生物をその生物たらしめるのに必須な最小限の染色体のセット」というゲノムの定義や「地球の歴史は地層に、生物の歴史は染色体に記されてある」という名言を残していることなどを話されました。
その他、専門分野であるゲノムの概念や識別方法、顕微鏡での観察方法などの専門的な話もされました。

 出席していた生徒たちは、奥深い化学の世界に魅了されたのか、お話に熱心に耳を傾け、大いに感銘を受けている様子でした。

 最後の質問コーナーでは、「近縁種とそうでないものとの区別はどのようにしているのですか?」という質問に対して、DNAの合致パーセントが近いものが近縁種になることなどを回答され、講義を締めくくられました。