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年末の福島で学んできました!

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 本校の科学部ならびにSS研究チーム(放射線班)と、有志生徒の団体である奈良学園中高・科学館を愛する生徒の会の合同チームは、2011年から福島県の放射線の経年変化の計測調査と人々の気持ちの実態調査を継続しています。2016年12月24日(土)に大阪科学技術センターで開催された日本化学会・近畿支部主催の「第33回高等学校中学校化学研究発表会」では、2011年から昨年までの研究成果を「福島市内における阿武隈川河川敷で見られたこの5年間の線量率低減の傾向」という研究題目で口頭発表してきました。この発表の翌日から生徒達は例年どおり福島へ伺いました。
この生徒達の活動は、毎年8月に7~22名の希望生徒が、12月には3~4名の代表生徒が、2泊3日で福島へ伺い、4つの定点エリア(阿武隈川河川敷、渡利地区、信夫山山麓、JR福島駅東口駅前広場)の空間線量率の計測、駅前での聞き取り調査を継続しながら、福島の自然科学的側面と社会的側面から経年変化を探ろうとしています。
今冬の調査旅行では、下記を実施しました。
・ 4定点エリアの空間線量率の計測。
・ 福島高校の生徒さんが東電福島第一原発に11月に見学に行かれたときの様子を福島高校の原先生
  から教えていただいた。
・ 除染の進捗状況を環境省 福島再生事務所 除染情報プラザで教えていただいた。
・ 福島駅前での風評被害に対する思いを聞き取り調査。
・ 福島稲荷と羽黒神社への参拝と「年神様のお神札」を求めて活気ある神社周辺や街の様子を体感。
・ 毎年拠点とさせていただいている鮨長(お寿司屋)さんで、街の様子や前回訪問時からの変化を教
  えていただいた。
・ 飯舘村の菅野村長からもうすぐ避難指示解除を迎えるにあたってのお気持ちや現状を教えて
  いただいた。
・ JAふくしま未来の直売所「ここら」での農作物の買い物と旬の農作物を学んだ。
この旅行で、生徒達は、いつも温かく本校生を受け入れて下さっているご当地の皆さんとの再会を喜び、「いかにんじん」はじめ福島のご当地の家庭料理も味わい、また継続調査しているデータも採れました。とても充実した2泊3日でした。次回は、2017年8月に福島へ伺います。また、福島で学んだことや得られたデータは、高エネルギー加速器研究機構や日本化学会が主催される学会をはじめ各発表会で生徒達が報告する予定です。