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SS国内研修「北限サンゴ(ミドリイシ)産卵研修」を行いました 

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 8月29日(木)から30日(金)の2日間、静岡県沼津市の平沢地先でSS国内研修「北限のサンゴ(ミドリイシ)産卵研修」を実施しました。高校2年生6名が参加しました。
 初日の午後、沼津市の平沢マリンセンターに到着し、静岡県内水面漁業協同組合連合会専務理事の川嶋尚正先生のご指導でシュノーケリング実習が始まりました。海上は若干風が強かったものの、海の中は非常に澄んでいて、これからの観察に期待が持てました。
 夜に行われた川嶋先生の講義では、平沢地先のある内浦湾には黒潮が流れ込む影響で沖縄からサンゴの卵が流れ着くこと、内浦湾で盛んに行われていた魚の養殖による海水の汚れとともにサンゴの分布にも変化があったことなどが説明され、サンゴとともに生息する魚種の紹介がありました。昨年の冬の海水温が比較的高く、本来であればこの地域では冬越ししない魚種もそのまま生き残っているとの説明もあり、明日の魚類相観察で確かめることとなりました。講義のあとはサンゴの産卵誘発実験の予定でしたが、観察に適当なサンゴが準備できなかったことから、予定を変更して魚類の灯火採集を行いました。光に集まったホヤやナメクジウオなどの原索動物が多数採集でき、魚類以外にも多くの生物が生息していることにも気付くことができました。
 2日目の午前は、大潮の干潮で海面がかなり後退していたこともあり、シュノーケリングでも比較的楽に海底まで観察することができ、実際にサンゴが多く生育しているところで、周辺の魚類相とともに観察を行いました。その後、砂地エリアと転石エリアに分かれてそれぞれの魚類相を観察し、水中ノートにそのようすを記録していきました。泳ぎに自信のある生徒は、川嶋先生の指導のもとで水深の深い海底に潜り、サンゴに近づいて、そのようすを観察していたようです。また、そのときに採集したサンゴには表面近くにバンドルが見られ、まさに産卵直前、というようすだったことも確認できました。午後にはそれぞれのエリアで観察できた魚類のまとめを行い、生息する魚類の種類が環境に応じて異なることを確かめることができました。
 サンゴの産卵誘発実験は行えなかったものの、実際のサンゴやその周辺の生態系の豊かさを目の当たりにしたことで、生物どうしのつながり(連環)を考慮した保全が不可欠であることを改めて学ぶことができました。