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スーパーサイエンスハイスクール(SSH)

諸活動

第1回奈良学塾「里山の森を育てるクラブ-入門編-」を行いました

8月3日(土)、小学生と保護者の皆さんに参加いただき、矢田の丘里山支援チームと本校主催の第1回奈良学塾「里山の森を育てるクラブ-入門編-」を行いました。講師をつとめるのはチームに所属する、大学で教鞭をとっていたり、大学や大学院で動植物の研究を続けている本校卒業生たちです。本校中学生有志もスタッフとして参加しました。
本日、最初に行ってもらうことは、本校の里山での「昆虫採集」、地面に設置してある小さな生物用の落とし穴、「ピット・フォール・トラップ」を見つけて、その中の生物の回収、木に設置してある「カメラ・トラップ」の画像データの回収です。
参加者の皆さんは里山全体を見学した後、「森の教室」「たな田」「ほだ場」「井戸」の各エリアにわかれて昆虫採集を行いました。環境が違うと生息している生き物の種類も違います。「たな田」にはシオカラトンボなどが飛び、ピット・フォール・トラップからはゴミムシを採集しました。シイタケ栽培を行っている「ほだ場」の木材のかげには森林に生息するオオゴキブリを見つけました。他にもバッタやトカゲの一種であるカナヘビなど、それぞれのエリアで様々な生物を採集することができました。里山の上のほうには、生徒が研究で考察した水脈を確認するために掘られた井戸があり、設置されたソーラーパネルの電気で水を汲み上げる仕組みになっていることも、卒業生が説明しました。
普段の昆虫採集ではトンボやカマキリなど、空を飛んでいたり植物の上にいる昆虫に目がいきがちですが、参加した小学生の皆さんは、自分たちが見つけたピット・フォール・トラップの中にいた生物を見て、地面をはって生息している昆虫に興味津々の様子でした。教室にもどってカメラ・トラップの画像データを確認すると、夜間にアライグマが動き回っている様子が記録されていました。教壇に立って説明する卒業生からは、「アライグマは一時的なブームで輸入された外来動物で、飼えなくなった人々が野に放ち、それらが野生化しています。かわいい見た目に反してたいへん狂暴なので、見つけても近づかないようにしてください。」と、注意がありました。また、本日、採集した生物に関しても、「飼うのであれば命をまっとうするまで飼ってあげてください。飼わないのであれば、違う場所ではなく、採集した同じ場所で逃がしてあげてください。」と、話がありました。
後半は、採集した生物の名前を図鑑で調べ、わからないものは卒業生や中学生のスタッフが教えて、各エリアで生息する生物の違いの報告を行いました。たいへん暑い中の開催でしたが、夏の里山を楽しみ、参加者の皆さんと本校卒業生、中学生が交流を深めることができた第1回奈良学塾になりました。