奈良県大和郡山市 奈良学園中学校・高等学校 未来を創造するのは、あなた
ニュース&トピックス

ニュース&トピックス

芸術鑑賞会を行いました

 9月24日(水)、芸術鑑賞会を行い、特別に江戸落語と上方落語の世界から、落語のお師匠方をお招きし、「奈良学園寄席」と称して日本の伝統芸能「落語」を披露していただきました。

 落語は一人で何役も演じ分け、扇子や手ぬぐいを使ってさまざまな場面を表現するお話の芸です。一番太鼓が鳴り響く中、第一体育館に入ってきた生徒たちは、本物の寄席に来たかのように胸を弾ませました。

 前座として、落語家の桂健枝郎さんらによる寄席解説の後、まずは三遊亭わん丈師匠による「牛ほめ」、続いて桂文三師匠による「動物園」が演じられました。初めて生で落語を観る生徒も多い中、軽妙な語り口とユーモアあふれる仕草に会場はすぐに笑い声に包まれました。

 特に、人物の声色やしぐさを使い分ける場面では演じ手の目の色まで変わり、「ほんとうに一人で演じているの?」と思うほどで、生徒たちは大きな拍手を送っていました。

 その後休憩を挟んで、再び桂健枝郎さんらによる落語体験が行われました。奈良学園の生徒が2人高座に上がり、幽霊が「うらめしやー」と出てくるお馴染みの場面を演じてみました。健枝郎さんらに丁寧にご指導いただき、初めてで緊張しつつも思い切った演技を見せ、見事に会場内を沸かせました。

 そして三増紋之助師匠による曲独楽(きょくごま)でも、有志の生徒が舞台上に上がり、紋之助師匠との息ぴったりの掛け合いを披露しました。

 最後に、人間国宝である五街道雲助師匠による「死神」を鑑賞しました。笑いどころが少なく、シリアスな物語に、会場はしいんと静まり返ります。仕草ひとつ、声色ひとつにも風情のある表現で、雲助師匠が「桜」と言えば、本当にそこに桜の木が見えるかのようです。皆集中して話に聞き入り、緊張が最高潮に高まったところで最後のオチがあり、拍手喝采の中で幕が下りました。

 何代にも渡って芸を磨き、練習に練習を重ねて披露される話芸に、生徒たちは落語の奥深さを感じたことと思います。笑いや物語を通して、人の心を豊かにしてくれる芸術の力を実感できた秋のひとときでした。