SS国内研修「北限サンゴの保全研修」を実施しました
令和7年8月4日(月)~8月7日(木)に静岡県の沼津市の平沢マリンセンターにて、北限サンゴの保全研修を行い、高校2年生の10名が参加しました。静岡県内水面漁業協同組合連合会元専務理事の川嶋尚正先生、東海大学海洋学部の中村雅子先生、平沢マリンセンターの朝倉一哉先生にご講義・実習指導をしていただき、4日間の大変充実した研修を行うことができました。
今回の研修の目的は、日本の北限と言われていた地に育つエダミドリイシ(サンゴ)を実際に観察し、生育しているサンゴや周囲の海底環境、魚類相の観察なども行い、サンゴを取り巻く環境について理解すること、また、陸上水槽内でのサンゴの産卵誘発実験を行うことです。
川嶋先生から「北限サンゴ群落の変遷」についてご講義いただき、ガンガゼなどサンゴを食害する生物の影響でサンゴの数が減っていることを知りました。中村先生からは「サンゴの生活史」についてご講義いただきました。サンゴの骨格が炭酸カルシウムで構成されていることや、ポリプのクローンを増やして成長していくことなど、サンゴの生態について学びました。朝倉先生からは「海の環境保全の取組」についてご講義いただき、平沢マリンセンターでは、折れたサンゴを回収して岩に植樹をしたり、サンゴを安全な場所に移動することで、サンゴの保全を行っていることを学びました。
シュノーケル実習では、北限のサンゴを実際に観察することができました。サンゴが生息している周りの環境は非常に多様性があり、多くの生き物が共生している様子を確認することができました。今年度は新たな取組として、養殖いけすの見学も行い、アジの養殖の現場では近年水温が高くなりすぎて、養殖が難しい環境であることを知りました。地球温暖化が生態系に少しずつ影響を与えており、生徒たちは今後の地球の環境について考察するよい機会になりました。