北限サンゴの保全研修
令和6年8月5日(月)~8月8日(木)に静岡県の沼津市の平沢マリンセンターにて,北限サンゴの産卵研修を行い、高校2年生の5名が参加しました。静岡県内水面漁業協同組合連合会元専務理事の川嶋尚正先生,東海大学海洋学部の中村雅子先生,平沢マリンセンターの朝倉一哉先生にお越し頂き,3日間の大変充実した研修を行うことができました。今回の研修の目的は,日本の北限と言われていた地に育つエダミドリイシ(サンゴ)を、実際に観察する。生育しているサンゴや周囲の海底環境、魚類相の観察なども行い、サンゴを取り巻く環境について理解する。また、陸上水槽内でのサンゴの産卵の観察も実施することです。
川嶋先生から「北限サンゴ群落の変遷と魚群相について」お話頂きました。サンゴ群落の増減の理由について、川嶋先生とのやりとりを通して学びました。中村先生から「サンゴの生活史について」お話頂きました。サンゴの骨格が炭酸カルシウムで構成されていることや,ポリプのクローンを増やして成長していくことなど,サンゴの基本的な情報について学びました。朝倉先生からは「海の環境保全の取組について」お話頂きました。平沢マリンセンターでは,折れたサンゴを回収して岩に植樹をしたり,サンゴを安全な場所に移動することで,サンゴの保全を行っていることを学びました。
実習では,実際にシュノーケリングをして海の中を観察しました。講義で聴いたとおり,サンゴの周りには多くの魚が生活していることを確認できました。シュノーケリングをしたのは初めてで,慣れない部分も多かったですがインストラクターの先生方に丁寧に教えていただき、技術を習得することができました。
また、陸上水槽のサンゴの観察では,海水に過酸化水素水を加えることにより,刺激を与えて,産卵を促しました。この結果、初めてサンゴの産卵を観察することに成功しました。サンゴの産卵を研修で確認できたのは,当研修を実施して以来初めてのことで,非常に印象に残る体験でした。