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ブナとヒトの共生研修

  令和6年7月21日(日)~7月24日(水)、青森県西津軽郡深浦町十二湖・秋田県立博物館・千畳敷・三内丸山遺跡にて、板谷正勝先生、柳町明男先生のご指導の下、以下の内容で研修を行い、高校2年生8名が参加しました。

 1日目は秋田県立博物館で秋田県の自然について主に生物と地質の点から学習しました。秋田県には6つの活火山があることや場所によって原油の性質が違うことを実物にふれて学ぶことができました。また、ミヤマイラクサなどの押し葉の展示からその植物の特徴や学名と地元の人の呼び名が違うものが多くあることを知るなど、森に入る前の有意義な事前研修ができました。

 2日目は白神山地の動植物についての実地研修を行いました。有毒植物であるトリカブトと食用のシドケなどよく似た植物の見分け方など「しらかみ自然の番人」とよばれる板谷先生ならではの知識をたくさん教えていただきました。途中、ニホンザルの群れに遭遇したことは、野生動物の生息場所に自分たちが入らせてもらっていることを改めて感じた出来事でした。「自然の恵みと脅威」についての夜の講話では、マタギであり漁師である板谷先生の思いを生徒たちは真摯に受け止めていました。

 3日目は柳町先生の案内で小雨の中、白神山地の植物を中心とした実施研修を行いました。森の中に入ると傘をさす必要がなくなり、ブナをはじめとする木々が森の水量調節に大きな役割を果たしていることなど雨天だったからこそ実感できたことが多くありました。  

 4日目は体験型展示やジオラマがある十二湖エコミュージアムで研修後、板谷先生と柳町先生が待つ十二湖駅前の「けやぐの家」に立ち寄らせていただきました。クロモジでつくったかんじきや装備品、毛皮を手に取らせてもらい、自然と共生することについてまた、違った観点から考えはじめる機会をいただきました。千畳敷ではちょうど潮の満ち引きを実感するいい時間帯に滞在することができました。最後の研修場所の三内丸山遺跡は、今も進行形で発掘、復元が行われており、縄文時代の壮大なムラのようすに圧倒され、また、大型掘立柱建物跡の6本柱の柱穴の間隔がすべて4.2mであることや集落の周辺に手入れをしてクリの純林をつくり、持続性の高い生活を営んでいたことなどが遺跡から分かりました。

 インターネットで調べれば、何でもわかる今の時代だからこそ、本物をみて五感で感じる、今回のような研修は生きた勉強になったと思います。