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ニュース&トピックス

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SS国内研修「電気エネルギー研修」を行いました

 8月6日(火)・7日(水)の2日間、大阪大学吹田キャンパスの工学研究科でSS国内研修「太陽光発電に関する研修」が実施され、高校2年生2名が参加しました。
 初日は舟木剛先生より、工学研究科電気電子情報工学専攻で研究されている内容についての講義を受けました。その後、井渕貴章先生より、「太陽光電池による電気エネルギーの発生特性」の講義を受け、これからの実験で扱う太陽光電池の接続や温度のちがいなどでその効率が大きく変化することが示唆されました。これを実証すべく、大学院生の斉藤先生にも手伝ってもらいながら、実際に太陽光パネルを用いて電力のちがいを調べていきました。太陽光パネルの回路をつくるだけでも、ダイオードを利用したり、はんだごてを使って端子を接着したりと、普段の高校の授業ではなかなか体験できない道具を使いながら正しい回路を作りあげることができました。一方で、雲の多い天候の中、発電量の測定が中断することもあり、実際の太陽光発電も一筋縄ではいかないと推測できるような状況も体験することができました。ひと通りデータもそろったところで、夕方にはそれらのデータをグラフ化し、理論通りになっていることも確かめることができました。
 2日目の午前中は、劉佳先生より、「パワーエレクトロニクス」と「太陽光発電パワーコンディショナー」についての講義を受けました。パワーエレクトロニクスとは、電力の流れを、電圧・電流を適切に変換することによって制御することで、主に半導体素子を用いています。スイッチングによる電力制御の原理を詳しく教えていただき、スイッチング電源を用いた様々な回路の制御方法を学びました。また、太陽光発電システムでは、太陽電池の電力が最大になるように制御されており、その制御方法として昇圧チョッパ回路やインバータを利用していること、山登り法による最大電力点追従(MPPT)制御などを学びました。午後からは、太陽光発電装置の動作実験を行いました。まず、パソコン上のプログラムを変更することで、実際の回路がどのように動くのかを確認しました。次に、太陽光電池模擬電源を用い日射強度を変化させ、最大電力点がどのように変化するのかを理論値と比較することで確認しました。たくさんのコードや装置に繋がれた複雑な機器を用いた実験でしたが、実際に手を動かすことで午前に学んだことがよりよく理解できたようでした。