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第3回SS公開講座

  令和5年2月18日(土)、なら100年会館にて本校SSH研究発表会の基調講演として京都大学大学院教授の柴田昌三先生から「フィールド研究を通して未知の世界を覗く」をテーマにSS公開講座を実施しました。

 先生は、現在京都大学大学院で、地球環境学堂の教授を務めておられ、タケ・ササの研究がご専門です。本講演では、ご自身の研究の歩みや成果について、具体的に説明されながら、フィールドワークの大切さと、それによって得られる研究の醍醐味について語ってくださいました。

 先生は「メロカンナ」というタケについて、地道に研究を続けられた末に、このタケが48年周期で開花することをつきとめられました。開花の前兆としてタケノコの産出量が減少することも証明されました。これらの研究成果は、メロカンナが自生している現地に足を運ばない限り、決して得ることができないものです。すべてはフィールドワークから始まるということをお話しくださいました。

 こうした研究の成果は、一つの植物の生態研究にとどまるものではなく、メロカンナ研究の場合も、この地域の農業経営に対してアドバイスすることにつながったとのことです。埋土種子の研究が、里山の植生回復のための研究につながる等、個々の研究の連続性を意識することの重要性も学ぶことができました。また、先生の、研究へ向ける熱意は、確実に生徒たちの心に伝わったようです。