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笑って楽しむ、室町時代から続く伝統芸能「狂言」を鑑賞しました

 9月24日(木)、毎年恒例の芸術鑑賞会を開催しました。今年は、大蔵流の茂山狂言会の皆さんをお迎えしました。人間国宝の茂山七五三(しめ)さんにも出演していただき、伝統芸能である狂言の魅力に触れました。

 はじめに、室町時代から続く喜劇である狂言についての説明がありました。「おもしろいところでは、ぜひ笑ってください」との呼びかけに、生徒たちも期待を膨らませます。

 狂言には、特徴的な3つの笑い方があるほか、足を床から離さずに進む「すり足」、当時の話し言葉を使ったセリフ劇など、独特の表現があります。また、床几(しょうぎ)を椅子や酒樽などに見立てるなど、少ない道具でさまざまなものを表現するのも特徴の一つです。さらに、室町時代においては神社や寺などの行事の際に屋外で演じられることも多く、役者は地声で観客に声を届けてきました。そのため、発声も重要な技術です。

 最初の演目は「萩大名」。大名が従者の太郎冠者に「どこかへ出かけたい」と相談すると、太郎冠者は見事な庭があると勧めます。そこで大名は、その庭を訪ねることに。ところが、その庭の亭主は、訪れた客に和歌を詠ませる風流人でした。和歌が苦手な大名のために、太郎冠者はあらかじめ一首を教え、さらに扇の骨などを使って思い出すための合図まで考えます。しかし、いざ庭に着くと、大名はなかなか思うように歌を詠むことができず困ってしまうという筋書き。太郎冠者とのやりとりが見どころとなりました。

 続いて、生徒たちの体験コーナーが設けられました。狂言独特の発声法を練習したほか、足袋を履いてのすり足、手の位置や腰の入れ方など、特徴的な立ち振る舞いにも挑戦。実際に身体を動かすことで、狂言の表現を体感しました。

 二つ目の演目は「棒しばり」。酒好きの太郎冠者と次郎冠者は、主人の留守中に酒を飲まないよう、それぞれ棒に後ろ手を縛られてしまいます。それでも何とか酒を飲もうと知恵を絞り、縛られたまま工夫する二人。その滑稽な姿に、会場からは笑い声が上がりました。

 狂言の舞台に欠かせない「松」には、奈良との深いつながりがあります。能舞台の松のルーツとされるのが、奈良・春日大社の「影向の松(ようごうのまつ)」。春日大社には現在もその松が受け継がれており、奈良の伝統が、世界各地で演じられる能・狂言の舞台へとつながっています。

 古典芸能というと、少しとっつきにくく感じるかもしれませんが、今回は、狂言師の方から解説していただき、実際に発声やすり足を体験することで、狂言独特の表現をより身近に感じながら舞台を鑑賞することができました。生徒たちにとって、室町時代から続く伝統芸能に触れながら、今も人を楽しませ続ける狂言の魅力を体感する機会となりました。