第2回奈良学塾「小学生科学実験教室」を実施しました
1月25日(土)、本校化学実験室にて、「食品保存の科学を調べよう!」をテーマに第2回奈良学塾「小学生科学実験教室」を実施しました。講師は本校科学部顧問の工藤教諭が務め、科学部の生徒達もサポートで参加しました。
食品は水分を含むとカビが生えたり腐ったりしますが、水分を抜くことで常温保存が可能になります。インスタントラーメンの水分を抜く技術としては、フライ麺方式とフリーズドライ方式があります。教室では、その2つの方式を使って作られているインスタントラーメンを水に浸してもどす実験を行いました。今年は阪神大震災から30年の節目にあたることもあり、非常時には水があればインスタントラーメンを調理できるということを、参加者の皆さんに知ってもらいました。ほかにも、フリーズドライのイチゴを試食してもらい、乾燥した食品が唾液と出会って生の状態にもどることを実感してもらいました。このフリーズドライの技術は宇宙食にも使われています。
また、濃度の違う液体が半透膜で仕切られていると、膜の両側の濃度が等しくなるように、水は濃い液体の方へ移動します。この現象を「浸透」といい、浸透していく力を「浸透圧」といいます。半透膜は、眼球、ナメクジの身体の表面、玉子の膜などにあります。ナメクジに塩をかけるとナメクジの体液が浸みだしていくのはこの原理によるものです。濃度によって起こる現象なので、砂糖を使っても同じことが起こります。
教室では、千切りキャベツに塩を加えて揉むと、キャベツから水分が出てくる現象を体験してもらいました。また、透析チューブの中に食塩水を入れ、ナメクジモドキも作りました。このナメクジモドキは真水の中に入れるとパンパンにふくらみ、濃い塩水に入れるとナメクジモドキから水分が抜けていきます。
参加された小学生の皆さんには、このナメクジモドキを使って、おうちに帰ってからも実験を楽しんでもらいたいと思います。
次年度も奈良学塾を実施計画中です。次回は夏の里山でのフィールドワークを予定しています。