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「学外サイエンス学習」神戸大学理学部素粒子宇宙理論研究室研修

 2月25日(火)の5・6限に,高校Ⅰ年生対象の「学外サイエンス学習」として,本年度も神戸大学理学部素粒子宇宙理論研究室研究員の坂本眞人先生にお越し頂き,『相対論と宇宙』というテーマで講義を聴講しました。

 前半はまず「物理学」特に「素粒子物理学」とはどういう学問なのかをご説明いただきました。そして,本題の前に,今回のテーマの根幹をなす「光速度不変の原理」をおさえました。そしてその原理を基に相対論の不思議な世界を学びました。その1つである「運動する物体の時間は遅れる」ことを,光速の0.999999999999999999倍の速さで進む宇宙船だと230万光年離れたアンドロメダ銀河と地球間をわずか3泊4日で往復可能である(しかし地球では460万年が経過している)という面白みのある具体例で示して下さいました。私たちの日常の常識とは異なる事実に大変驚かされると共に相対論の不思議さに興味が広がったようです。そして,実際に時間の遅れが生じていることを,カーナビ(GPS)の例を通してわかりやすくご説明下さいました。高速で運動する人工衛星に搭載した時計は地上の時計に比べてごくわずかに遅れるため,そのままでは位置の誤差が大きくなり実用に耐えません。しかし,そのことを相対論的に補正することで誤差の小さい実用的なGPSが実現できており,この事実は光速度不変の原理そのものが正しく,時間の遅れが実際に起きているということを証明するものであるというお話でした。

 後半では,「ブラックホール」や「重力波」といった最先端の話題についてわかりやすくかみ砕いて教えて頂きました。それらのお話を通して,ブラックホールとはどういう天体なのか,重力を「空間のゆがみ」として捉えることができること,重力波の生じ方などについて,難しいお話ではありましたが,大変興味深く学ぶことができました。参加生徒からは、宇宙や物理学に興味・関心が深まったとか、それらに面白さを実感できたといった声が多く聞かれました。